ワンちゃん虐待疑惑!?気づいたときにできること。

みなさんは普段の生活の中で、「あれって、動物虐待じゃないのかな?」と疑問に思われたことがありませんか?

例えば、真夜中にどこからかワンちゃんの鳴き声が、ずっと聞こえる。
なんだか悲しげな鳴き声だけど、そのうちピタっと収まり飼い主さんの怒鳴り声が響き渡った。

そのあと尋常じゃない叫び声のような、ワンちゃんの吠えている声が夜の闇にこだましていたり・・・。

ボロボロに痩せこけたワンちゃんを見つけたりしたら、「虐待されている子なのかもしれない」と思われるかもしれません。

子供の虐待を疑うのであれば、迷わず児童相談所に電話するかもしれませんが、ワンちゃんなど動物の場合は一瞬躊躇したりしませんか?

動物たちの命は、人間にかかっていたりするのです。
私たちにできることって、どんなことがあるのでしょうか?

そこでここでは「ワンちゃんが虐待されているかも」(ワンちゃんのみならず、動物全般ですが)というとき、私たちはどういった行動をとればよいのかを、一緒に学んでみましょう!

そもそも動物虐待って何?

ワンちゃんが虐待されているかも、と思われるときはどんなときですか?

いうことを聞かないワンちゃんを、飼い主さんが叩いているのを見たときでしょうか?

人間の子供に対する虐待としては、ネグレクトや暴力、精神的・性的虐待などがありますが、ワンちゃんの場合はどうでしょう?

動物虐待というものは、子供に対するものと同じように暴力やネグレクト、精神的な苦痛を与えることなどがあげられます。

動物虐待には、意図的な虐待と、不作為な虐待があるとのこと。

不作為はネグレクトで、食事を与えない、劣悪な飼育環境で飼育する、散歩に連れて行かないといったものです。

意図的な虐待は、動物に暴力を振ったり、動物同士で戦わせたりすることなど、動物の精神を不安や恐怖に陥れる行為がこれに当たります。

動物虐待の通報件数はどのくらいあるの?

警察庁が2020年3月に発表した2019年度の動物愛護法違反容疑の件数は2018年度より21件多い、126名の105件だったそう。

これは、過去10年間統計を取り続けてきたなかで、最多だったとのことです!

なぜか動物虐待件数は毎年増加し続けているのです。
心に闇を抱えている方が多いのか、それともしっかり通報してくれる社会の仕組みに変わりつつあると喜ぶべきなのか・・・微妙なところですよね。

ちなみに、2012年は30件弱、2013年も40件に届かずでした。
2014年に40件を超し、2015年には50件を超し、2016年には60件を超し・・・、といったように増加の一途をたどっています。

どんな虐待が挙げられているのかといえば、飼っていたペットを捨ててしまうといったものが最多で、餌などを与えないネグレクトがその次に多く、殺傷も結構な数に。

虐待のターゲットになってしまうのは猫が多いとのことですが、ワンちゃんは全体の3分の1程度を占めています。

虐待が発覚するのは、SNSなどで動画にアップして証拠が決め手となる方、一般市民からの通報がほとんど。

勇気ある行動が、動物を守るのですね。

〇参照:https://mainichi.jp/articles/20200326/dde/041/040/021000c

動物虐待を見つけたらどうすればいい?

インターネットの動画やご近所で飼われているペットのワンちゃんなどについて、「あれは虐待じゃないのか」と疑問に思うことがあったら・・・、迷わず各自治体の動物愛護管理センターへ連絡しましょう!

ワンちゃんなどに対し、殴る蹴るの暴行、傷つけたりと行動がワンちゃんにとって危険と判断した場合は、「警察」に連絡します!

あまりにひどい虐待で、すぐに保護が必要と判断した場合は迷わず警察に通報してください!

インターネットの動画で「動物虐待では」と思ったら、「インターネット・ホットラインセンター」に通報するのがお勧めです。

厚生労働省のホームページから、保健所管轄区域案内を検索し、居住地域の保健所を探して連絡するのもOK。

また、動物愛護管理は各自治体の衛生課に環境庁のホームページから、「動物の管理と適切な管理、地方自治体連絡先一覧」を検索し、該当する衛生課へ連絡するのもよいでしょう。

通報すると自分に被害があるのじゃないかと気になる方へ

動物虐待を通報したいけど、顔見知りの方なので通報がわかってしまうと困る・・・など心配されることもあるかもしれません。

虐待を通報する場合は、匿名にすれば秘密は守られます。
絶対に自分が通報したとわかりませんので、安心してください。

動物虐待を裁く法律はどんな法律があるの?

みなさんもご存じかと思いますが、動物虐待をすると動物愛護法が適用され罪に問われます。

実際にどのような法律かと申しますと、ペットを虐待したり捨てたりすると、愛護法違反となり、動物愛護管理法第44条により罰せられるようになりました。

ペットを傷つけたり殺したりした場合は、懲役または罰金刑となりますし、ネグレクト(食事・水を与えない)の場合も、動物に必要なお世話をしなかったとみなされ、罰金刑が適用されます。

ペットを捨てた場合も同じく、罰金が発生するとのこと。
ちなみに動物愛護法は、2019年の6月に改正され、改正動物愛護管理法というものに生まれ変わっています。

動物虐待に対する懲罰が厳しくなったので、ペットを殺したり傷つけたりした場合はもともとが2年以下の懲役または罰金200万円以下だったのが、5年以下の懲役または罰金500万円以下に引き上げられたのです!

動物でも命は命なので、もっと重くてもよい気もしますが・・・。
ネグレクトや捨ててしまうといった行為に対する罰も厳罰化され、100万円以下の罰金と懲役1年以下となりました。

また、この法律改正後、ワンちゃんのブリーダーさんなどにワンちゃん(猫ちゃんも)へのマイクロチップ装着を義務化しました。

虐待のみならず、迷子の子も飼い主さんが見つかりやすくなりますし、これはこのほうが安心ですね。

また、生後56日未満のワンちゃん(猫ちゃん)の販売も禁止となったので、赤ちゃんがお母さんと一緒にいれる期間が長くなりました。

現代の動物虐待はどのように行われている?

現代では、ソーシャルメディアに動物虐待をしている様子の動画を発信するといった、「みんなに虐待の様子を見せる」ことに満足感を得て虐待をしているケースが目立ちます。

例えば野良猫が標的にされ、何匹もの野良猫が犠牲になったニュースなどもありました。
もちろん、動物愛護法違反でしっかり裁かれ、懲役1年10カ月執行猶予4年(求刑懲役1年10カ月)の有罪判決を受けています。

参照元:https://www.asahi.com/articles/ASKDD3HL5KDDUTIL010.html

2020年に動物虐待を行うと、改正され厳罰化された法律が適用されるので、いま上記のような事件を起こせば、もっと厳しい刑罰が下されるでしょう。

虐待されたワンちゃんを保護したい!

例えば、今はワンちゃんを飼っていないけれど飼いたいと考えられている方で、虐待されてきた子たちを飼ってあげたいと思われる方もいらっしゃるかもしれませんね。

虐待されてきた子たちは、どのようなところで保護されているのでしょうか?

捨てられた子は保健所でもらうことができるって、聞いたことがありませんか?

実は探してみるとNPO法人などで、こういった虐待を受けたり捨てられたりしたワンちゃんなどを保護する活動を行っている機関があります。

そういった機関に問い合わせてみると、里親さんを探していたりするので、話がスムーズに進むかと思われます。

とはいえ、誰にでも譲渡してくれるわけではなく条件があります。

例えば、単身者や高齢者(65歳以上)の場合は厳しかったり、ペットが飼えない場所に住んでいる方、働いていて家に長時間誰もいなくなる環境だったり、工場や店舗など番犬目的だったり、収入が不安定だったりした場合ですね。

ワンちゃんをしっかり受け入れられる里親さんか、見極めてくれているのです(^^)!

「誰でも」にしてしまうと、途中で飼えなくなって捨てられるなんて悲劇がまた繰り返されることも考えられますし、ワンちゃんたちが甘えて頼りにできる飼い主さんを選んでくれるのは安心できますね。

運命の子を受け入れるためには、それなりの準備や環境が必要なのです。

終わりに

いかがでしたか?
ニュースではよく子供を虐待して逮捕されている親のケースを見るけれど、自分の周辺では、動物虐待をしているケースは見たことがない、という方もたくさんいらっしゃるかもしれませんね。

けれど、実際には知らないところで動物虐待は行われています。

■動物虐待に関して、知ろうとすること。

■虐待されている動物がいたら、迷わず通報してあげること。

■虐待されている動物を保護しようと、動くこと。

私たちが動くことで、動物たちの環境はグッと良くなるのではないでしょうか?

ぜひ、周りの動物たちの様子にいつもよりちょっとだけ、気を付けてみてあげてください。

もしかしたら、助けてもらえるのを待っている子たちがいるかもしれません。