脂質と聞くと、肥満やぽっちゃり体形などを考えがちですが、愛犬には必要な脂質と言うものがあります。
どういった脂質が必要で、不足するとどうなるのかを調べました。
なぜ脂質が必要なのか
脂質は、エネルギーとなり体を動かす役目があります。
そのほかにも脂質は脂溶性ビタミンと呼ばれる、ビタミンの中でもと脂に溶けやすいビタミンを吸収を助け、ホルモンや脳神経組織、細胞膜を作る栄養素です。
エネルギーとしての効率もよく、糖質やたんぱく質に比べ倍以上のエネルギーを供給することができます。
食事の食いつきにも、この脂質が大きな役割を果たします。
犬たちは脂の匂いが大好きですので、食欲を増進させ食いつきをよくするのです。
脂質を減らすと犬たちの好きな香りが減り、食欲が落ちる原因の一つとなります。
脂質が不足するとどうなるのか
脂質は多ければ脂肪となり肥満の原因となりますが、不足すると体を動かすエネルギーがなくなり、生命維持活動が停止してしまいます。
身体の様々な機能が正常に動かなくなってしまうのです。
脂質の不足は被毛の艶をなくし、皮膚のかゆみを伴い乾燥します。
筋肉組織の機能低下や脳神経、体細胞などの組織を生成する機能が低下します。
免疫力の低下も招き、循環器系の病気や糖尿病などの命に関わる疾患にもつながってきます。
脂質を過剰に摂取したらどうなるのか
脂質を過剰に摂取した状態は、いわゆる太りやすくなり、人と同じようにコレステロールの増加、中性脂肪の増加、肥満などの状態が起こります。
動脈硬化のリスクも高まってきます。
また、脂質を摂取しすぎると身体の臓器にも影響が出てきます。
脂質を摂取しすぎることで起こりやすい病気には、
・高脂血症
・脂質異常症
・膵炎
などがあります。
膵炎は脂質高脂血症から引き起こされる病気で、一度罹患してしまうと完治することが難しく、糖尿病を併発することもある病気です。
脂質の異常などで起こる病気は慢性的な疾患になりやすく、投薬治療や食事制限を長く続けなければならなくなります。
人と同じで生活習慣が影響する病気ですので、日ごろから脂質の取りすぎや質の悪い脂質の摂取に気をつけたいところです。
また、脂質を多く取りすぎていると肥満と言うわけでもありません。痩せていても脂質が多い場合も多々ありますので、痩せている=健康と言うことでもありません。
脂質の質
脂質にも質があり、必須脂肪酸と呼ばれる脂質は大切な栄養素です。
脂肪酸の中でもオメガ3脂肪酸やオメガ6脂肪酸と呼ばれる脂質は栄養素として、また様々な病気の予防に役立つとして注目されています。
これらがしっかりと入った脂質を選びましょう。
最後に
脂質と聞くと若干ネガティブなイメージを持ちがちですが、脂質も糖質も体を動かすためには必要な栄養です。
けれども取りすぎると病気を引き起こす原因ともなります。
愛犬のにとって大切なのはバランスの良い食事と運動、そして睡眠です。
規定量を与えていても太るならドライフードを見直してみる、高たんぱくで低脂質のものに変えてみる、など少しの工夫で適切な脂質の摂取が出来ます。
人の食べ物やお菓子はNGです。
脂質も糖も、愛犬にとっては必要以上に多いものですので、与えないようにしましょう。
可愛い顔でおねだりされても、愛犬の元気と長生き、健康の為にぐっと我慢して下さいね。