ハスキーの愛称で親しまれる、オオカミのようにきりりとした精悍な顔つきで、かつて日本でも大ブームになったシベリアン・ハスキー。
一時のブームは去りましたが、実は明るい性格で近年またじわじわと人気が出てきています。一体どんな性格でしょうか?
目次
シベリアン・ハスキーとは?
名前の通り、ロシアのシベリア地方を原産としています。
祖先はスピッツと推定されています。外見的にも、DNA分析の結果でも他の犬種に比べてよりオオカミに近い事がわかっています。
シベリアン・ハスキーを育ててきたのはロシアのシベリア北東部に住むチュクチ族と呼ばれる種族です。
チュクチ族のソリ犬として、猟犬として暮らしてきました。シベリアの厳しい環境下で長い時間をかけ犬種として固定していきました。
20世紀に入り、アラスカに住んでいたアメリカ人がシベリアン・ハスキーの評判を聞き、アラスカの犬ゾリレースに参加したことでアメリカへの輸入が始まり、1925年、アラスカでジフテリアが流行した時にハスキーの犬ゾリが血清と薬を届けるために500kmもの距離を走りぬいたことで有名になりました。
オオカミに似た精悍な風貌や性格の良さで人気になり、徐々に世界に広まっていきました。
第二次世界大戦時には探索犬や救助犬としても活躍しました。
日本ではバブル期に一気に飼育頭数が増えましたが、運動量が非常に多く、抜け毛が多い、鳴き声などの問題で、心無い飼い主から飼育放棄が相次ぐという悲しい状況になりました。
そのような事態に、シベリアン・ハスキーの愛好家たちは心を痛め、飼育方法について正しい情報を発信した事で、ブームは下火になりましたが一定の人気に落ち着いています。
シベリアン・ハスキーの大きさは?
シベリアン・ハスキーは、オスが体重20.5~28kg、体高53.5~60cm、メスが体重15.5~2kg、体高50.5~56cmの大型犬です。
立ち耳で、極北生まれのため大変暑い下毛を持っています。骨太の筋肉質で、寒さに耐えるための皮下脂肪が蓄えられています。
シベリアン・ハスキーの性格は?
人にも他の犬にもフレンドリーで、社会性の強い性格です。
明るく前向きで、飼い主さんには陽気で人懐っこい、従順な性格です。
責任感が強く頑固でまじめな部分がある半面、楽天的で嫌なことからは目を反らして早く忘れてしまおうとするところがあります。
攻撃性が低いため、番犬にはあまり向かない性格です。
シベリアン・ハスキーの体質は?
厳しい冬に耐えられるだけの短毛のダブルコートですので、換毛期には相当の抜け毛が有りますのでブラッシングは欠かさず行いましょう。
カラーはさまざまあり、ブラック&ホワイト、レッド&ホワイト、シルバー&ホワイト、シルバーなど全ての色が認められています。
腹部は白い個体が多く、東部には斑がよく見られます。
他の犬種よりも非常に体力があるため運動が欠かせません。
少なくとも一度の散歩は1時間以上、日に2時間は運動が必要です。
運動不足でストレスがたまると、有り余る体力を壁や家具にあてるなどの問題行動を起こすことが有ります。
また、群れて生きる事が多い犬種ですので、一人での長時間のお留守番はストレスになりやすくなります。
また、シベリアン・ハスキーの特徴としてオッドアイがあります。
オッドアイとは左右の目の色が違う事で、オッドアイ、バイアイとも呼ばれています。
シベリアン・ハスキーは日光照射の寒いところで暮らしていたため、メラニン色素が少なく、もともと青い目の個体が多かったのです。
シベリアを出てさまざまな地域で飼われ始めると、日光照射が増えその影響で目を守るために目の色が茶色などに変化するようになりました。
片目だけが変化に対応した場合にオッドアイになり、徐々にオッドアイの個体が誕生するようになったと言われています。
通常、他の犬種の場合は虹彩異色症と呼ばれる病気が原因と言われますが、シベリアン・ハスキーの場合は病気ではなく、寿命にも関係ないと考えられています。
シベリアン・ハスキーのかかりやすい病気や寿命は?
シベリアン・ハスキーの平均寿命は12歳~15歳と言われます。
重篤な遺伝疾患はあまりありませんが、一般的にかかりやすい病気がいくつかあります。
若年性白内障、原発性緑内障などの目の病気や、皮膚炎、皮膚の色素が失われる円板状紅斑性狼瘡、高血圧症上の本態性高血圧、遺伝性心肥大などがあります。
日本の高温多湿は苦手ですので、室内飼育の環境においてあげましょう。
シベリアン・ハスキーのしつけは難しい?
しつけがしにくく頭が悪い印象を持たれがちですが、決して頭が悪いという事はありません。
不器用で頑固な部分があるためそのように思われがちですが、覚えたことはきちんと継続でき、飼い主や家族、仲間に対し深い愛情を見せます。
楽観的でつらい事からは目をそむけがちなので、運動を取り入れながらトレーニングを行いましょう。
飼い主に褒められたい欲求が強いので、褒めながらしつけをしましょう。
しつけのメリハリが大切ですが、間違った暴力など行うと、反感を持ち飼い主を敵視するようになります。
きちんと適切にしつけることが大切です。
家族だけでは難しいと感じる場合は、子犬の段階でトレーナーさんに頼るのも良い事です。
他の犬種に比べると頑固なため、トレーニングには根気が必要となってきます。
シベリアン・ハスキーの価格は?
子犬の平均価格は20万円台半ばが多いです。
20万円~35万円が相場で、血統や月齢によって変化が出てくるようです。
シルバーやホワイト系が価格が高い傾向です。
シベリアン・ハスキーにかかる費用は?
お迎えすることが決まれば気になるのは費用です。
大型犬のシベリアン・ハスキー成犬25kgの子の場合、一日約350gの食事が必要です。
1か月の食費の目安を7.5キロ7000円の食事で計算すると、1か月で1.5袋、1万1千円ほど、年間で13万円~となります。
これにトッピングをする場合やコミュニケーション用のおやつなどを与える場合は1か月4000円ほど。
予防接種やフィラリア予防、ノミダニ予防で年間4~5万円がかかります。
さらにおしっこシーツなどの消耗品年間1万~や1回のトリミングの費用7000円~、先天性の疾患に備える動物保険年間25000円~などがかかってきます。
これらにお迎え時に必要な費用、お迎え準備に必要なハウスやベッドなどを揃える必要があります。
この金額を平均寿命の間で13歳で合計すると、ザックリ410万円ほどがかかる目安になります。
しっかりと家族で相談してから、お迎えするようにしたいですね。
最後に
一時は心無い飼い主のせいで悲しい想いをすることが多かったシベリアン・ハスキーですが、現在では大切な家族として愛されています。
運動が大好きで明るくフレンドリーなシベリアン・ハスキー。
しつけをきちんと行えば、小さなお子さんや他の動物ともとても仲良く共生出来ます。
体力自慢のアクティブなご家庭では、一緒に楽しめること間違いありません。
精悍さと愛嬌のギャップが楽しいシベリアン・ハスキーと、楽しい暮らしをしてみませんか?