犬と花粉症

ポカポカ暖かい春が近づいてくると、天気予報では連日「花粉」について詳しく取り上げられ、花粉症の人にとってはつらい季節の到来でもありますね。

くしゃみや鼻水、目のかゆみ以外にも、目が赤くなったり、目の周りが腫れてしまったりカサカサしてしまったりと。。。

そんなつらい花粉症は人間だけに限ったことではなく、ワンちゃんも花粉症になってしまう子もいるのです。

「最近くしゃみをしているなあ」
「なんか、目が赤い?」
「最近体をこすりつけて痒がっている様子があるなあ」

なんてワンちゃんの様子が気になる飼い主さんは、ぜひ一緒にワンちゃんの花粉症についてお勉強してみましょう。

なんでワンちゃんも花粉症になるの?

今、私たち人間は食生活の変化や環境の変化によって花粉症で困っている人が大幅に増えつつありますが、それは人間だけではないのです。

ワンちゃんも同じく環境や食物などが原因で体内の免疫バランスが崩れてしまい、アレルゲンに過剰反応してしまう子が増えているといわれています。

花粉症というのはアレルギー反応の一種で、アレルギー体質のワンちゃんは花粉症を発症してしまうリスクも高かったりするのです。

花粉症の症状が出る子と出ない子もいますが、症状の出る子だと花粉の多い時期に毎年繰り返し同じ症状が出てくる場合があります。

例えばスギ花粉は2月から4月に多く飛散し、ブタクサは8月から10月に花粉を飛散するため、その時期に花粉症のような症状が出ていたら、花粉症を疑ってみてもよいでしょう。

ワンちゃんは何の花粉に反応しているの?

ワンちゃんの花粉症、どんな花粉に対してアレルギーを起こすのか、気になりますよね?
ワンちゃんが花粉症を引き起こすアレルゲンとなりえる植物は、なんと50種類以上あるといわれています。

人間のように、スギやヒノキに反応しているというよりは、散歩の際に自分が吸い込みやすい背の高さの草花が原因の場合が多いようです。

地域によってワンちゃんの花粉症の引き金になってしまう草花に違いはありますが、特に心配なのは、ブタクサやオオバコ、アシ、ヨモギ、カモガヤです。

散歩のルートに草花の多いエリアがある場合には、注意してあげてくださいね。
アスファルトのみの散歩コースは一見安全に思えますが、アスファルト上に花粉がつもっていることもあるため、アスファルトだからと安心せず散歩後のワンちゃんの様子などを確認しながら散歩されてくださいね。

花粉症になりやすい犬種があるって本当?

犬種によってさまざまな特性があるのは、皆さんもご存知かと思いますが、実は花粉症になりやすい体質のワンちゃんたちがいるってご存知でしたか?

人間も、アレルギー体質の子、アトピー体質の子がいますが、ワンちゃんもアレルギー体質、アトピー体質の子たちがいるのです。

花粉症になりやすい犬種としては、
・キャバリア
・マルチーズ
・フレンチブルドッグ
・ビーグル
・シーズー
・ゴールデン・レトリーバー
・ラブラドール・レトリーバー
・プードル
・ボストンテリア
・ダルメシアン
・柴犬 など。

柴犬は外で飼うワンちゃんのイメージですが、実は花粉症を発症しやすい体質だったのです。

愛犬が上記の犬種に当てはまる方は、花粉症の季節にはワンちゃんたちの様子をよくチェックしてあげてください。

知らず知らずのうちに花粉症の症状が出ているかもしれません。

ワンちゃんの花粉症の典型的な症状ってどんなの?

人間の場合、花粉症の季節には、くしゃみ・鼻水・鼻のムズムズ感で感じる方が多いのではないでしょうか?

それは、目の粘膜や鼻の粘膜にある肥満細胞に花粉が付着することで、炎症を引き起こす成分が発生するようになっており、その結果として花粉症特有の症状となって出てくるからです。

ところがワンちゃんの場合は、鼻の肥満細胞が人間よりも少ないため、鼻の症状は出にくいとされています。

症状が出にくいと言っても、もちろんクシャミ・鼻水はワンちゃんの花粉症で見られる症状ですが、それよりも「皮膚」の症状のほうで花粉症に気づく飼い主さんが多くいるようです。

主にどのような症状が現れてくるのかというと、ワンちゃんの皮膚に赤みを伴う湿疹が出てきたり、全身をかゆがる様子などが見られます。

人間同様、目の周りのお肌に異変が見えたり、涙目、赤目になってしまったり、抜け毛や外耳炎などを発症することも。

とはいえ、花粉がアレルゲンなだけではなく、ハウスダストの場合もありますので、四季の中で悪化する時期があるかどうかも花粉症を見分けるポイントの1つです。

ワンちゃんがこのような様子を見せてきたら、注意深く観察し、必要に応じて症状が悪化する前に対応してあげてくださいね!

ワンちゃんが花粉症になってしまったときの治療法とは?

ワンちゃんが花粉症と診断されると、どんな治療法で花粉症に対応していくのでしょうか?

当然、花粉症のひどい症状を改善させるための対症療法のほか、花粉症自体を治す効果が期待できる治療をしていきます。

まだ花粉症の症状がそこまで重度でない場合は、対症療法としてステロイドや抗生剤が処方されます。

花粉症の症状が酷い場合は、脱感作療法/減感作療法が行われます。
難しい治療に思えますが、アレルゲンをとても薄い状態に調整し、ワンちゃんに注射していくことで徐々に体をアレルゲンに慣らし、根本的に免疫を付けてしまおうという治療法です。

けれど、ワンちゃんへの治療としては成功率も低いうえに高額となりますので、飼い主さんの選択に任されることになるかと思います。

時間もかかりますし、注射をするのが可哀想ということもありますが、成功すれば花粉症を気にせず生活できるのが魅力の治療法でもあります。

花粉症のワンちゃんが毎日気を付けるべきこととは

ワンちゃんが花粉症と診断されたら、飼い主さんとしては治療に連れていく以外にどんなことができるのでしょうか?

ここでは、花粉症のワンちゃんの飼い主さんが気をつけるべきことについてみて行ってみましょう!

①花粉がたくさん予想される日の散歩は行かないか、短めに切り上げる。

やはり花粉がたくさん飛んでいるときは、お外の散歩は行かないか短めがベストです。
散歩に行けないワンちゃんのストレスを軽減してあげれるように、たくさんスキンシップして遊んであげましょう。

②散歩の時間帯に気を付ける

花粉の飛散量が多いのは、お昼前後と17時から19時頃といわれています。
お仕事のある飼い主さんは、お昼頃に散歩に行くのは厳しくても、仕事から帰って18時くらいに散歩に出かける飼い主さんもいらっしゃるのではないでしょうか?

17時から19時の時間帯の散歩は、花粉が多く飛んでいる時期は避けてあげましょう。
花粉が多い時期は、飼い主さんも大変ですが花粉の飛散が少ない早朝に散歩してあげることをおすすめします。

③草むらに入らない

散歩中のワンちゃんは、草むらに入りたがりますよね。
けれど花粉の時期は、草むらはアレルゲンがたくさんです。

草むらのない散歩コースを選ぶなど、できる限り植物との接触は避けてあげてくださいね。

草むらには入らないけれど、草花の多い道をどうしても通らないといけない場合には、お洋服を着せるなどで対応してあげましょう。

ワンちゃん用のゴーグルを併用するのもおすすめです。

④散歩後のケア

花粉の時期は、散歩後にワンちゃんの身体をタオルで拭いて花粉をふき取って、人間にもしっかりついているので、服や髪の毛を払ってから家に入るように気を付けてあげましょう!

また、週に2回程度であれば、さっとお風呂に入れてあげるのもお勧めです。

ワンちゃんの花粉症、予防するには?

ワンちゃんの花粉症を予防するには、どうしたらよいのでしょうか?
ワンちゃんの花粉症対策で一番重点を置きたいのは、ワンちゃんの免疫バランスを整えてあげることです。

食生活や住環境を整え免疫力をアップしてあげれば、ワンちゃんの元気を維持し、花粉症の予防や症状の改善が期待できるのです!

さらに、ワンちゃん専用の花粉対策スプレースも販売されています。

散歩に行く際には、花粉対策アイテムを使用してみてもよいかもしれませんね。

こまめに濡れた雑巾で床を拭いて花粉を取り除き、人間のためにもワンちゃんのためにも、家には空気清浄機を置いて快適に過ごせるようにしたいですね!

終わりに

花粉症は、人間にとっても厄介なものですよね。
あまりに鼻がグズグズしたり目がかゆかったりすると、イライラしてしまってストレスにもなりますし、外出するのも嫌になってしまいますよね。

花粉症のワンちゃんも同じ気持ちでいるはずです!

人間もワンちゃんも、食生活や生活リズム、住環境を整えることで免疫力がアップし、花粉などのアレルギーに強い体を作ることができます。

さらに、掃除をこまめにし、空気清浄機を置くなどで快適な環境にしてあげましょう。
花粉症を発症してしまったワンちゃんには、花粉の多い時期の散歩を短めにしてあげたり、散歩のルートを考え直したり、散歩から帰ったらお風呂に入れてあげるなどして、対策していきたいですね。

お洋服やゴーグル、花粉対策スプレーで完全装備もしたいものです!
せっかくお外が気持ちよい日がやってくるのに、花粉のせいで台無しにしてしまうのももったいない。

花粉のことを知って、細かく対応していくことで、花粉の季節も元気に過ごせるようにしたいものですね。