真っ白で光沢のある繊細な被毛と真っ黒なおめめ。
温厚で落ち着いた性格と見た目の愛らしさから「犬の貴族」と呼ばれ、世界中で長い間愛され続けています。
人気犬種ランキングの上位に入り続けている、日本でも世界でも大人気な犬種、マルチーズ。
そんなマルチーズについてお伝えします。
目次
マルチーズとは?
マルチーズの起源は紀元前1500年ごろまで遡ります。
地中海に浮かぶイタリアの南、貿易商人によりアジアからマルタ島に持ち込まれた犬が、マルタ島で独自の発展を遂げて生まれたと言われています。
他の愛玩犬のように多種と交配して小さくなった犬ではなく、はじめから小型犬であったため、愛玩犬として当初から愛されてきました。
その後、世界各国へ持ち出され、ビションフリーゼなどの他の犬種の発展の基礎となったとも言われています。
マルチーズはその愛らしさから、古くから世界の王侯貴族に愛されてきました。
古代ギリシャの陶器にマルチーズのような犬が描かれていたり、ギリシャ人が亡くなったマルチーズのために墓標を建てたり、美しいその姿を数多くの芸術作品に残したという記録もあります。
14世紀の初めごろにイギリスに持ち込まれ、上流階級の婦人たちから一躍愛され、抱き犬として高い支持を受けました。
特に時のイングランドの王、ヘンリー8世には溺愛されたと言われます。
15世紀にはフランスに渡り、フランス中を席巻する流行犬となり破格の値段で取引されていたようです。
1800年以降近年はヨーロッパやアメリカで人気が上昇し、日本では1970年代から人気犬種となって行きました。
日本では白色の被毛の犬が好まれる傾向があり、まさにマルチーズは日本人の好みに合っていたため、人気犬種となりました。
マルチーズの大きさは?
超小型犬のマルチーズは、体重2.5kg~3.2kg、体高20~25cmが標準です。
もともとが小型犬のため、あまり大きくはなりません。
ただし、若干太りやすいので可愛さからおやつを与えすぎないように注意しましょう。
マルチーズの性格は?
穏やかで落ち着いた性格です。
抱き犬と言われるくらい、飼い主さんに抱っこされることが好きな甘えん坊気質。
人懐っこく明るく、外交的です。活発な部分もあり、運動することを好みます。
勇敢な部分も持ち合わせているため、時には大型犬にも向かっていく事もあるようです。
マルチーズの体質は?
マルチーズの被毛はシングルコートで抜け毛の少ない犬種です。
被毛は細く柔らかで、伸び続けます。
まっすぐな純白の長い被毛が体全体を覆い、鼻先から尾の付け根まで続きます。
地面に着くほどのフルコートが本来の長さとなっています。
かつては近親交配が繰り返されてきたため、白い毛色のみとなっています。
稀に、レモン色やオフホワイト、ベージュなどが耳などの部分的に入る事がありますが、基本はホワイト一色となっています。
被毛の白さとは対照的に、目、目のふち、鼻、唇、足裏は真っ黒なため、白い色とのコントラストにより、マルチーズをより愛らしく見せる一因となっています。
稀に色素の薄い個体の場合は寒い冬に鼻がピンク色になるウィンタースノーが発生する事があります。たれ耳で耳の毛も長く伸びていきます。
マルチーズのお手入れは?
マルチーズはシングルコートで抜け毛が少ない半面、放っておくと伸び続けますので、定期的なお手入れが必要です。
毎日のブラッシングと定期的なトリミングを行いましょう。
とくにお散歩の後は長い毛に隠れて虫を連れ帰ってきたり汚れやすかったりしますので、お散歩の後は念入りにお手入れをしてあげましょう。
すぐに長くなるのでトリミングが欠かせません。
伸びるペースにもよりますが、きれいな被毛を保つためには月に一度程度の周期でトリミングを行いましょう。
シャンプーは2、3週間に一度で大丈夫ですが、お尻周りは常にきれいにしてあげましょう。
マルチーズのかかりやすい病気や寿命は?
マルチーズにかかりやすい病気と言うものがあります。
平均寿命は12歳-15歳ですので、決して短命と言うわけではありません。
マルチーズがかかりやすい病気としては、循環器系の病気である僧帽弁閉鎖不全症と、耳の病気である外耳炎です。
僧帽弁閉鎖不全症は犬のかかりやすい心臓の病気で、血液を循環させるための僧帽弁と呼ばれる部分がきちんと閉じられなくなり、汚れた血液が逆流することで心臓や肺に負荷がかかる病気です。
老齢の小型犬が多く発症しますが、マルチーズも発症しやすいと言われています。
ハァハァと息切れをしていたり、動きたくなさそうにしていたり、咳をしていたりと言う症状があれば獣医さんに相談しましょう。
初期状態では症状が出ない為、定期的な健康診断も重要です。
外耳炎は耳の病気で、大きな垂れた耳と長い毛によって通気が悪くなり外耳の皮膚に炎症が起こる状態です。
治療が遅くなると慢性的な外耳炎となりますので、早めに気付いてあげることが大切です。
甲状腺腫瘍と呼ばれる腫瘍も発症しやすく、悪性度も高く転移しやすい病気です。
8-9歳ごろから発症しやすくなると言われます。
大きくなっていると触ってわかりますので、普段からスキンシップをしておきましょう。
涙焼けと呼ばれる大きな目のために起こりやい流涙症も、マルチーズは多く発症します。
白い毛色の犬種にも多く、目からあふれた涙が目の周りの被毛に反応して赤褐色に変色します。
目が大きいため角膜炎や結膜炎など目の疾患も見られます。
体重が増えて肥満になると、膝に負担がかかることから膝蓋骨脱臼も発症しやすくなります。適正な体重管理を行いましょう。
マルチーズのしつけは難しい?
人の言う事をよく聞き、元来おとなしい性格ですので、しつけはしやすいと言えます。
甘やかすと咬み癖が残ったり吠えやすくなるため、しっかりとしつけるようにしましょう。
マルチーズの価格は?
マルチーズの平均価格は5-25万円と言われています。
毛色による差は無いため、血統や大きさで価格が代わって来るようです。
マルチーズにかかる費用は?
マルチーズの生涯にかかる費用をざっくりと計算してみましょう。
2kg3000円のフードを与え、平均体重2-3kgの場合一日に必要な量40g、一袋で50日分となります。
それにおやつやトッピング、トイレシートなど日用品を足すと年間4万円弱。
ワクチンやフィラリアのお薬など健康でも必要な医療費が3万円ほど、病気に比較的かかりやすいためペット保険への加入も検討した方が良いでしょう。
保険料が平均で2700円となりますので年間3万2千円となってきます。
定期的なお手入れも必要ですので、トリミングがひと月に一度として5000円となってきます。
それらを一年分で計算すると16万円となります。平均寿命の13歳とし、お迎え時にかかる費用と一緒に計算すると230万円は必要となってきます。
計画を立ててからお迎えするようにしたいですね。
最後に
ころころと動く姿と真っ白の美しい被毛で世界中で愛されるマルチーズ。
3000年もの長い間人々に愛される魅力は、これからも変わることはないでしょう。
愛されるために生まれてきたマルチーズですので、家族としてお迎えした時、きっと家族みんながその魅力の虜になりますね。