「問題行動」と言われる愛犬の無駄吠えですが、何が原因で吠えるのでしょうか?
愛犬にとっては何か伝えたいことや言い分があるかもしれません。
一概に怒ってしまうのではなく、何故吠えるのかを考える必要があります。
吠えること
犬が吠えてしまうのは一体何故か?
吠えること、それは犬のコミュニケーション方法の一つであり、感情を表すための手段です。
犬からしてみれば、吠えることはごく自然で、まだ喋れない人間の赤ちゃんが泣いて何かを伝えている行為と同じことです。
それを無駄に吠えたりと叱られて、犬からしてみれば理不尽な話しでストレスの原因になってきます。
犬が吠えることは本能である以上、完全に止めることはできませんが、人と共に生きていく以上は不要な吠えをやめてもらうことも必要になってくる場合もあります。
なぜ吠えるのかを考える
無駄吠えと呼ばれる犬の吠える行為は、犬にとっては無駄ではないことが多いです。
そもそも、無駄吠えとは私たち飼主が吠えてほしくないときに吠えることを指した人間の都合の話です。
何かを訴えているのに叱られる、ダメだと言われるとなれば、愛犬にしてみればどうして?となってしまいます。
ですので、私たちはまず愛犬が何を訴えているのかを知らなければなりません。
・何かが来たり、何かが起きたりしているのか
・外で物音がするなど恐怖や不安を持っているのか
・何かを取ってほしいなど要求があるのか
・興奮しているのか
・ストレスがたまっているのか
愛犬は、ほぼ無駄には吠えてはいません。
なぜ愛犬が吠えているのか、原因を探していきましょう。
吠え方の違いを知る
愛犬がどんな状況で、どんな風に吠えているのかで、ある程度理解することができます。
・「クーン」と鳴いているときは、飼主様に甘えていたり甘えたがっています。
・「キャンキャン」と普段より高く吠えるときは身体のどこかが急に痛くなったり、強い痛みを感じたときなどの吠え方です。
・「ワン」と短く数回鳴くときは、何かを警戒しているときや、何かをしてほしくて要求しているときです。
以下は、よく聞く「犬の鳴き声」と言われる鳴き方です。
・ウー、ウゥーと小声で低く唸るときは、攻撃を前提とした警戒を表しています。
・激しく大きめの声で唸るときは最終警告のようなもので攻撃寸前の状態です。
・ワンワンワン!と続けて激しく鳴くときは、誰かが来てインターホンを鳴らしたときや外を誰かが通った時など、何かを飼主様に知らせようとしていたり、警戒をしています。
吠える理由を取り除く
犬は、吠えるのが自然です。
それを止めさせるために飼主様が毎回大きな声で叱ったり怒ったりしても、はじめのうちはビックリして吠えることを止めるかもしれませんが、毎回となると愛犬は徐々に慣れてきて、もしかして【飼主様も一緒になって吠えてくれている?】と勘違いしてきます。
もしも愛犬に勘違いされたら、さらに吠えさせるだけになります。
ただ大きな声で叱るだけでは、なかな吠えるのを止めさせることはできません。
吠えることを止めてもらうには何故吠えているのかを理解して、その原因を解消してあげる必要があります。
来客のときのインターフォンに吠えるのであれば、インターフォンは警戒しなくても良いのだと教える必要があります。
散歩中に人や犬を怖がって吠える場合は、少しでも警戒しだしたら気をそらせる、吠えるのを我慢できていたら褒めてあげるなど、怖がらなくても良いのだと教えてあげます。
遊んでほしい時や興奮したときに吠える場合は、吠えていては余計に構ってもらえないという事を教えなければいけません。
ひとつひとつ、何故吠えるのかの原因を知り、吠えてほしくないのだと愛犬に教える必要があります。
そうして、吠えなければ褒めてあげる。
愛犬が吠える必要がないのだと気づき学習すれば、無駄吠えは徐々に減っていきます。
逆に、止めさせるために怒鳴ったり叩いたりしてはいけません。
叱られる、叩かれる恐怖からなおさら吠えてしまったり、人の手を怖がるようになったりします。
吠えるからと言って声帯を切ったり、吠えると電気が流れる首輪をつけることなどもおすすめできません。
吠えているのに声が出ず吠えられないストレスは、愛犬にとって大きな負担となります。
吠えるたびに痛みが走ることは、身体にも心にも負担です。
吠えることは自然な事です。
一朝一夕で吠えることを止めることはできません。
根気よく教えてあげましょう。
吠えやすい犬種
一般的に吠えやすいのは、警戒心が強かったり、もともと狩猟犬であったり、番犬をしていた犬種と言われています。
縄張り意識の強い犬種や、臆病な犬種も吠えやすいと言われます。
代表的に吠えやすいと言われているのは、ダックスフントやビーグルなどの狩猟犬、テリア系、柴犬などがあげられます。
吠えにくい犬種
吠えない犬種として有名なのが、バセンジーです。
バセンジーはコンゴ出身の狩猟犬ですが、狩猟犬の中でも嗅覚と視覚で狩猟をする珍しい犬種です。
吠えない犬として世界中で安定した人気を誇ります。
その他では、温厚な犬種や短頭種は吠えにくいと言われています。
トイ・プードル、キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル、シー・ズー、ブルドッグ、
フレンチ・ブルドッグ、パグ、ボストン・テリア、ゴールデン・レトリーバー、
ラブラドール・レトリーバー、イタリアン・グレーハウンド、バーニーズ・マウンテン・ドッグなどが、
あまり吠えない、無駄吠えが少ない犬種と言われています。
最後に
吠えやすい犬種だからといって、必ずしも吠えるわけではありませんし、吠えにくい犬種だからと言って絶対吠えないと言うわけでもありません。
個々の性格や育っている環境、そして飼主様たち家族の接し方、しつけの仕方で変わってきます。
無駄吠えは、飼主様を悩ませる問題行動のトップです。
うちの犬は何をしても無駄吠えが減らないからとネガティブに考えず、何故吠えているのかを正しく理解し、飼主様が主体となって吠えないしつけを行いましょう。
飼主様がしっかりとリーダーになり、今は吠えるときではない、としっかりと教えることが出来れば、無駄吠えは減らせます。
愛犬にとっても、吠えることによるストレスが減らせることになり、自然と吠えにくくなります。
吠えにくいと言うことは愛犬にとっても警戒や不安が少ないと言う事にもなります。
愛犬が日々を穏やかに過ごすためにも、私たちが吠える原因を知り、吠えることを減らしていきたいですね。