愛犬との上下関係はきちんとできている?

愛犬との上下関係を築こう

ペットを飼う人は、多くの場合ペットを友達感覚で扱っています。
それは誤りではありませんが、上下関係があった上での友達関係でなければなりません。

特に犬の場合は飼い主との上下関係が重要になります。
上下関係が必要な理由は、飼い犬は散歩や予防接種などで外出する機会が多く、飼い主との上下関係が十分でないと自由奔放に振る舞ってしまうからです。
愛犬が喜ぶことをしてあげたいと思うのは全ての飼い主に共通していますが、他人に迷惑を掛けることはあってはならないことです。
そのため、飼い主が飼い犬に対して指示を出して、飼い犬はその命令に従う上下関係を作っておくことが必要なのです。

上下関係チェック

愛犬との間に上下関係があるか、それとも愛犬から見て自分と同列に扱われているかを判断できる上下関係のチェック方法は複数あり、まず挙げられるのが犬の身体に触ることができるか否かです。
この場合の身体に触るとは、頭をなでたりだっこをするというだけではなく口元や足先など本来触られることを嫌がる箇所に触ることができるかということです。

犬は口元や足先を触られることを嫌がりますが、飼い主との間に上下関係ができていれば同時に信頼関係もできているため、触っても嫌がることがありません。
もし嫌がられるようであれば上下関係が構築されていないことの証になってしまいます。

また、飼い主が指示を出したときに従ってくれるかどうかも上下関係のチェック方法になります。
最も簡単なのがお手で、どんなときでも一回の指示でしっかりと手を乗せてくれれば上下関係ができていますが、場合によって手を乗せてくれないときがあると上下関係が不安定です。

飼い犬との間に上下関係を作ることは簡単ではないと考えられていますが、実はそうではありません。
犬は本能的に服従する主人を求めていて、上下関係があることで精神的に安定するのです。
そのため、飼い主がしっかりと上下関係の作り方を学び、その通りの行動を取れば短期間で上下関係を確立することが可能です。

散歩でできる上下関係の築き方

上下関係の作り方で最も一般的なのは散歩です。
上下関係ができていない飼い犬との散歩は犬に引っ張られる形になってしまいますが、それは正しくない方法です。
上下関係を作るために散歩をするときは愛犬と目を合わせず、声を掛けることも控えます。
無言で淡々と一緒に歩くのです。

さらに、リードは短く持って犬が引っ張る方向とは逆に進むことを心がけます。
道中でいぬが右に寄っていったらあえてリードを左に引っ張って自分に近づけさせ、分かれ道にさしかかったら犬が進もうとした道とは反対の道に行くのです。
このとき、行く方向を声に出したり愛犬を抱え上げて道を進むことは避けなければなりません。

なぜなら、犬の世界では先導されて歩くことは下の立場であることを証明することだからです。
飼い主が飼い犬を先導することによって飼い主が上の立場であることを身をもって理解させるのです。
声も掛けず目も合わせない状態で散歩をしようとすると、犬のほうは頻繁に飼い主の方を向いて様子をうかがうそぶりを見せます。
その姿を見るのは心が痛みますが、それも上下関係ができるまでの間は我慢しなければなりません。

この散歩方法を続けていると、いつしか飼い犬は自分が行きたい方向に飼い主を引っ張ることがなくなります。
飼い主が進む方向に犬の方が合わせるようになるのです。

そうなれば愛犬との上下関係ができたと判断することができます。
この段階になれば目を合わせたり話しかけることも問題ありません。

すでに犬のなかでは自分が下の立場であることが分かっていて、飼い主は服従すべき主人であることを認識しているからです。
この段階になって初めて、飼い主の理想とも言える愛犬との散歩ができるようになるのです。

食事の時間は飼い主が決める

食事の時間を飼い主に合わせることも有効な上下関係の作り方です。
飼い犬はお腹が空くとそのことを飼い主に知らせ、ご飯をもらうために吠え始めます。
このとき、愛犬がお腹を空かせている状態に耐えきれずつい食事やおやつをあげてしまいますが、それは犬の立場からすると自分が指示を出したことによって飼い主がその指示に従ったという認識になります。
すると犬は自分の方が上の立場であると判断してしまうのです。

そこで、食事の時間は完全に飼い主に合わせ、飼い主が食事を取るタイミングでご飯をあげるようにしましょう。
夕方頃になるとお腹を空かせて吠え始めますが、そこはじっと我慢します。
飼い主が料理をして、夕食の準備ができたら飼い犬にもごはんをあげるようにするのです。
すると飼い犬は自分が吠えても飼い主には聞き入れられないということを理解して、自分が下の立場であると判断してくれます。

愛犬との上下関係は飼い主と飼い犬が共同生活を送るために欠かせないことです。
ただ甘やかすのではなく、上下関係を作った上でかわいがってあげることが愛犬にとっても幸せなことなのです。