犬を飼うのは意外と大変
犬は一人暮らしの寂しさを紛らわせてくれる有難い存在です。
しかしながら、犬が欲しいからと安易に飼うのは良くありません。
一人暮らしで飼うのは思っている以上に大変であり、覚悟を決めた上で決断をしなければいけないのです。
準備すること・気をつけること
はじめに、犬を飼うに当たって準備しなければいけないことがありますが、一つにペット可のマンションを見付けることです。
当然のことながらペット不可の物件では飼うことはできず、勝手に飼い始めてしまうと、最悪の場合は強制退去となってしまいますので注意しましょう。
なお、ペット可のアパートもありますから、アパートを中心で探す人もいるかもしれません。
実際にアパートで飼っている人もいますが、ただ、壁の薄い傾向があるアパートですと、犬の吠え声によって近隣トラブルに繋がってしまう恐れがあります。
ペット可の物件だからといって自由に吠えさせて良いわけではないですし、そもそもペットを飼っていない住人にもおり、ペットに対して寛容ではないこともあるのです。
少しでもトラブルのリスクを小さくするには、防音性が比較的良いマンションを選ぶようにした方が安心と言えるでしょう。
次に犬を飼う上で、きちんとやらなければいけないことについてですが、一番大切なのは「しつけ」をしっかりと行うことです。
犬は愛らしい生き物ですからついつい甘やかせてしまうかもしれませんが、しっかりとしつけをしないと様々な問題が出てきます。
例えば吠え癖がついてしまうことがあります。
主張が強くなってしまうために、ことあるごとに吠える恐れがあり、それによって近隣トラブルに発展しかねません。
また、飼い主のストレスになり犬を飼ったことを後悔する原因になる可能性もあります。
実際、しつけが上手くできなかったことで愛犬への愛情が薄れ、最終的に捨ててしまうというケースも少なくありません。
そのような勝手な結末を迎えないためには、きちんとしつけを行いコントロールすることが大事であり、静かに過ごせるようになれば留守番も安心してさせられるでしょう。
責任を持って飼う
散歩を欠かさずに行わなければいけないことについても十分な理解が必要です。
犬も生き物ですのできちんと散歩に出して運動をさせてあげる必要がありますし、家に籠りきりにさせてしまうとストレスも溜まります。
大抵の犬は最低でも1日に1回の散歩をしなければいけませんが、それを毎日続けていくことができるのかよく考える必要があります。
たとえ飼い主の都合があって帰りが遅くなる、体調が良くないという時でも犬にとっては関係がなく、自然と散歩に行きたい気持ちになってしまうものです。
そこで面倒だからと放置するようでは飼い主失格です。
犬に対する責任のある行動が求められますから、きちんと散歩に行くことができるのか、もし行けない場合はどのように対処するのか、飼い主はちゃんと考えてみなければいけません。
費用面も気になる
ご飯代や消耗品
犬を飼うにはお金も掛かりますので、月々に最低かかる費用についても見てみましょう。
費用面で厳しいと感じた時には、根底からよく考え直した方が良いと言えます。
まずどういった物にお金がかかりやすいのかと言えば、ドッグフードやおやつ、トイレシート、消臭スプレーなどが挙げられます。
特に消耗品は負担になりやすく、毎月の出費として考えておいた方が良いでしょう。
そして消耗品に関しての月々の負担額としては、2,000円~5,000円程度はかかる傾向があります。
なお、消耗品に関しては安い物もありますから節約をすることも可能ですが、ドッグフードに関してはあまり節約意識を高めてしまうのは良くないと言えます。
安い物ですとキロ当たりの価格が抑えめでもありますが、粗悪な物ですと健康を害してしまう恐れがあり、そうなると出費が増えてしまいます。
愛犬の健康管理をするのは飼い主の努めですので、価格もそれなりの優良なドッグフードを用意した方が良いでしょう。
ワクチン代
消耗品以外にも費用がかかるところといえば、病院代も必須です。
狂犬病やワクチン、フィラリア、ノミダニの薬も必要になりますが、内容にもよるものの、1回で2,000円~10,000円程度はかかることがあります。
月々の負担ではありませんが、時折大きめの負担が発生します。
突然の出費
突然のケガや病気に対する負担も考慮しなければいけません。
犬にかかわらず、動物の治療費は基本的に全額負担ですので、治療内容によっては大きな金額になることがあります。
手術や通院となれば、全体で200,000万~400,000万程度もかかるケースもありますから、蓄えがない場合ですと厳しい出費になる可能性も否めません。
そして年齢が上がればケガや病気のリスクも高まりますから、さらに負担が増していくこともあるのです。
もし、負担が心配な時にはペット保険で対処することもできます。
ペット保険に加入するためには、1,000円~7,000円程度の月々の負担が必要になるものの、病院を利用した時に補償を受けられます。
昨今は犬も高齢化する時代ですので積極的に加入を検討した方が良いかもしれません。
犬のことも考えたうえで飼おう
ひとり暮らしでは生活状況が変わりやすく、飼い主が病気になってしまったら? 失業したら?
不確定要素が多く、単身者が犬を飼うことに否定的な意見は多く耳にします。
でも、現実にたくさんのひとり暮らしの人が犬を飼っています。
職種にもよりますが、8時間以上のお留守番はざら。
そうした飼い主のもとで、犬は不幸か、かわいそうか、彼らの本当の気持ちを知ることはできません。
でも、はたで見る限り犬達はそうみじめには見えません。
多くの犬はとても大切にされ、ケアの手間ひまも愛情も十分にかけられ、飼い主と過ごせる時間を存分に楽しんでいるように感じます。
とかくデメリットが目立ちはしますが、ひとりで犬を飼うことのメリットもあります。
それは1対1で犬と向き合えるだけに、しつけなど一貫性のある関わり方ができるということ、そして深く強い信頼の絆を築けるということ。
もちろん、その人その人の関わり方しだいではありますが、犬を愛する飼い主なら、この点では家族で犬を飼っている方々に引けは取りません。
可能か不可能かといえば、ひとり暮らしで犬を飼うことは可能です。
ひとり暮らしゆえの問題は確実にクリアしなければなりません。後は犬に対する愛情と、最期の日まで共に暮らす覚悟しだいです。