人を噛んじゃった!事故に合っちゃった!最悪のシナリオ・サバイバル法

うちの子は「絶対に」人を噛まない!!
噛むはずがない!!
そう思われていらっしゃる方は、いませんか?

逆に、自分や家族には甘えん坊だけれども、他の人には激しく吠えたり、唸ったり、飛び掛かろうとしてしまう…、いつか噛んでしまうのでは?
と心配されていらっしゃる方もいるでしょう。
噛まないと信じていても、噛んでしまう子もいますし、噛みそうなのに噛まない子もいます。

100%噛まないかもしれませんが、万が一ということもあります。
また、散歩の途中、なぜか車のタイヤめがけて飛び掛かろうとするワンちゃん、多いですよねえ。

万が一リードが外れてしまったら、事故を起こしてしまう可能性もあります!
そこで今回は、自分の愛するワンちゃんが人を噛んでしまった時の対処法や事故に合ってしまった時どうすればよいかを知っておきましょう!

うちのワンコが人に噛みついた!どういう手順で何をするか知っておこう

わかります、噛むはずはないんです!
噛むはずはないんですが、万が一人に噛みついてしまったら、パニックになってしまいそうですよね。

そこで、備えあれば憂いなしということで、ここではワンちゃんが人に噛みついてしまった時は、どういう手順で何をすればよいのか、頭に入れておきましょう。

<飼い主さんがやることリスト>

・被害者の救護
・最寄りの保健所に事故発生届出書を提出する
(事故の再発防止や犬の検診などについて説明がある)
・獣医師のもとで飼い犬に『狂犬病鑑定』を受けさせる

自分のワンちゃんがほかの人を噛んでしまったら、まず飼い主はその旨を24時間以内に保健所に届け出る義務があるそうです。
また、48時間以内に噛まれた人が狂犬病にかかっていないか、ワンちゃんを獣医師に診てもらう義務もあります。
まずは落ち着いて保健所に連絡をしましょう!

ワンちゃんに噛まれた人がやること

豆知識として、ワンちゃんが噛まれてしまった人がやることも一緒に頭に入れておきましょう。
・寄りの保健所に連絡
保健所は飼い主が判明している場合、飼い主に指導を行い、飼い主不明犬の場合、保健所職員が捕獲に向かうそうです。
・すぐに病院を受診する

です。

どんな時に噛みつき事故は起きるの?

飼い主さんなら知っておきたい、「どんなシチュエーションで噛みつき事故は発生するのか」について、知っておきましょう。

・放し飼い(あるいは逃走中など)
・飼い主以外がワンちゃんにさわろうとした
・犬のけんかを止めようとして、自分のワンちゃんをかばった
・誤ってワンちゃんに接触した
・散歩中に興奮したワンちゃんを制御できなくなった
・リードが長すぎた
・食事中のワンちゃんに手を出した
・ワンちゃんを玄関近くにつないでいた
・ワンちゃんが出産後、親犬が子犬の世話で警戒状態だった
・リードを付けないで散歩をしていた

ワンちゃんの咬傷事故について、環境省がまとめているデータがあるようです。

令和3年度のものが最新のもののようですが、犬が起こした咬傷事件は全部で4,423件あり、飼い主不明が235件、野良犬が29件なので残りは飼い犬によるものということがわかります。

令和3年度はワンちゃんに噛まれて死亡した方は0件でしたが、人以外(ワンちゃんなどを含めると)は15件あります。

犬小屋の近くで噛んでしまったのが1254件、公共の場所が2698件ということなので、やはり散歩中か、犬小屋のワンちゃんに手を出して事故が発生しているというのが推測できますね。

こういった事故は、噛まれてしまった方が通行中に発生したり、また配達や訪問の際に起きてしまうことが多く見られます。
ワンちゃんが外で飼育されている場合は、犬小屋の場所が適切な場所か、再確認したほうが良いですね。

また、配達の方がいらしたとき、玄関の外にワンちゃんが出てきてしまわないように対策を練るのもまた、飼い主さんの大切な役目かもしれません。

ワンちゃんが人を噛んでしまった時は飼い主さんの罪はどうなる?

自分家のワンコが人を噛んでしまったら、飼い主さんにはどんな罪に問われることになるのでしょうか?

可能性として挙がるのは、「刑法上の傷害罪に問われる」こと、また「民法上の賠償責任」も負うことになるかもしれません。

もし飼っている犬がほかの人を傷つけてしまったり、ものを壊してしまったら、飼い主は責任を負うことになります。刑法と民法ではそれぞれに、飼い犬が他の人を噛んだ場合の飼い主の責任について規定しています。それぞれについて責任を負うことになるのです。

傷害罪は、たとえば飼い主さんの過失により、飼い犬がほかの人に怪我を負わせてしまったとなった場合には、過失傷害として30万円以下の罰金または科料、万が一被害者を死亡させてしまったときは過失致死として50万円以下の罰金が科せられるそうです。

さらに、飼い主が注意を怠り、ワンちゃんが起こした死傷事件などを防げなかったときは業務上過失致死傷等として5年以下の懲役、もしくは禁錮、または100万円以下の罰金を科せられることになっているそうです。

それ以外にも、ワンちゃんが他の人のものを壊したときなども、器物損壊等として3年以下の懲役または30万円以下の罰金もしくは科料に科されるそうです。

また、刑法上の罰則とは別に、民法でも責任を問われるとのことで、民法では、「ペットの飼い主はしっかりと注意を払ってペットを飼う(管理する)こと」が求められているので、もしペットがほかの人に危害を加えてしまったときは賠償する責任を負うと決められているのです。

上記のことから、自分の愛犬がほかの人に怪我を負わせてしまった時には、先ほどの刑法とは別に、飼い主が被害者に対して治療費や休業補償、慰謝料などの民法上の賠償金を支払う義務が出てくるわけです。

民法では、法律上で賠償金の金額が決まっているわけではないので、示談で決めることもあれば、裁判で決めることもあるそうです。
金額の規模は数万円から数千万円まで!!

被害者の怪我の程度によって、もちろん賠償金は高額になることがあるそうです。

<噛みつき事故の慰謝料の例>

東京地裁(平成25.10.10)
・被害者に5回分の通院費と慰謝料で31万円支払う
・管理会社に被害者の退去してしまった空き部屋の家賃9ヶ月分
・弁護士費用
・合計1,725万円の支払

札幌地裁(平成27.1.28)
慰謝料6,300万円の支払

このように、実際に数千万円の慰謝料を払われている飼い主さんもいらっしゃいます。

噛みつき事故の慰謝料はどうする?

噛みつき事故が発生してしまった場合、実は保険に入っていればカバーできるかもしれません。
どの保険課といえば、「個人賠償責任保険」です。
個人賠償責任保険には示談交渉サービスがついているものもあり、心配なワンちゃんの飼い主さんは入っておいても損はないかもしれません。

ワンちゃんの噛みつき事故、殺処分の可能性は?

実は、ワンちゃんの噛みつき事故で即殺処分の命令が出ることはあまりないそうです。
殺処分となってしまうのは、

→訴訟に発展し、裁判所より殺処分命令が出た場合
→度重なる噛みつきにより、著しい害を及ぼすと判断された場合
→被害者から飼い主に対し、頻繁に殺処分が請求された場合

だそうです。
被害者さんから頻繁に殺処分を請求された場合が心配ですが、そうならないよう真摯に被害者さんに謝罪をすることが大切ですね。

愛犬が飛び出し事故!どうしたらよい?

ワンちゃんと散歩に行こうとしたら、リードが手から離れてしまって飛び出し事故が起きてしまった!!

そんな怖い思いをした方、もしかしたらいらっしゃるかもしれません。
事故が起きたら、きっと頭が真っ白になってしまうでしょう。

そんな時、まずは何をすればよいのか、またそうならないためにできることについても、ぜひ覚えておきましょう。

<事故発生!まずはどうする?>

ワンちゃんが万一交通事故に合ってしまった場合は、どうすればよいのでしょうか?

(1)ワンちゃんの状態の確認
→意識の確認:声をかければワンちゃんの反応があるか、飼い主さんと目が合うか
→呼吸状態:いつもと変わりはないか(速い、深い、舌の色がおかしいなどの異常をチェック)
→体の状態:ワンちゃん自身で体を動かせるか、立てるか、足の状態はどうか
→外傷:外から見て怪我があるか、出血について、痛みがあるか、頭を打っていないか、頭
部の怪我の有無を確認

(2)動物病院へ連絡

(3)事故状況の確認
➀何とぶつかったのか(車、バイク、自転車等)
・どの向きでぶつかったのか(身体の左側/右側/頭)

(4)動物病院へ連れていく
→ワンちゃんが自分で動けない場合
無理に動かすと危険かもしれないので、電話で病院の指示を仰ぎながら、注意深く移動させます

→自分で動ける場合
怪我による痛みがあると、ワンちゃんも恐怖や不安でパニックになることがあります。
噛まれないように気を付けることと、体に触るときはそうっとやさしく、抱っこする前にあればタオルなどで包んであげてください。
痛がっている個所を、動物病院のスタッフに伝えましょう。

ワンちゃんの交通事故は、夏の夕暮れから夜に発生することが多いようです。
夏は陽が落ちて涼しくなってから散歩に行く方が多く、あたりが暗くて見えづらい中で発生してしまうことが多いのだとか。

事故に合わせないために私たちができること

私たち飼い主が、ワンちゃんの事故を防いであげないといけませんよね!
そこで、交通事故に遭わせないためにどういったことができるのでしょうか?

・リードをつける
・リードを絶対に離さない
・首輪のサイズの確認(外れないように)
・リーシュコードが伸びすぎないか確認
・夕方暗くなってからの散歩には反射板のついた首輪やライトをワンちゃんに装着させる

ワンちゃんが事故に遭ったのに損害賠償を払うケースも!

産経新聞の記事(2016年3月8日付)に、「大阪府内の道路で飼い犬が自転車にぶつかり、乗っていた親子が転倒する事故があった。」
との記事を見つけました。

その親子は骨折などの大けがをしたそうで、なんと約450万円の損害賠償を求めて飼い主さんを提訴したのだそう。

そして大阪地裁で和解が成立したそうなのですが、なんと「飼い主側が300万円を支払う」という内容で、飼い主側の〝敗訴〟となったのだそうですよ。

ちなみに、飛び出しちゃったワンちゃんは、小型犬のトイプードル!
さらに、散歩中はリードを付けない状態だったそうで、それが敗訴の原因かもしれません。
散歩に行くときは、必ずリードを付けましょうね!

終わりに

いかがでしたか?
ワンちゃんが噛んでしまうケースも、事故を起こしてしまうケースも、散歩中にリードをしていなかったり、リードの状態や首輪の状態をきちんと確認していなかったりして起きています。

ワンちゃんのとっさの行動に、しっかり対応できるように日ごろからリードや首輪の状態をチェックするということがわかっていただけたのではないでしょうか。

また、家でもワンちゃんが急に飛び出して、来客や配達の人に噛みつくことがないよう、飼い主さんは注意しなくてはなりませんね!

●参照:
愛犬が人を噛んでケガをさせた時も対象になる!個人賠償責任保険をFPが解説

自分の飼っている犬が人を噛んでしまったら

愛犬が人を噛んだ時の保健所の対応と殺処分の可能性

狂犬病予防/犬の咬傷事故Q&A

統計資料 「動物愛護管理行政事務提要」環境省

しゃれにならないペット事故 愛犬飛び出し、飼い主〝敗訴的和解〟で300万円支払い…大きかったノーリードの代償

犬が交通事故に遭ってしまった!