ワンちゃんは遊びが勉強?!遊びが大切なワケとは

「赤ちゃんは寝るのが仕事。」または、「子供は寝るのが仕事」、なんて言葉を聞いたことがありませんか?
それは、寝ているうちに脳は整理整頓し、体は元気に成長してくれるからなのですが、ワンちゃんの場合は「遊ぶのが仕事。」のようです。

けれど、どうしてワンちゃんは遊びが仕事なのでしょうか?
遊ばなかったワンちゃんは、どうなるのでしょう?
ここでは、ワンちゃんには遊びが大切といわれるその理由について見ていってみましょう。

ワンちゃんには遊びが大切ってどういうこと?

ワンちゃん同士が遊んでいる姿って、本当に可愛すぎますよね。
遊ぼうと誘われたら、構わずにはいられない。

遊んでもらえなくてショボンとしている姿を見たら、やっぱりちょっかい出してしまいます。
飼い主側から見ると、ワンちゃんは暇だから遊んでほしいのかな、なんて思ってしまいます。
が、実は遊びにはワンちゃんにとって欠かせない大切なことだったのです。

どのような点が大切なのか?
子犬のころは、遊びから運動能力を発達させたり、社会性を身に着けたりします。

もちろん、散歩も大切です。
ワンちゃんにとっての散歩は、家の外でいつもは会わない人や犬、普段と違う音や自分以外の犬、家の中とは違ういろいろなものが感じられる大切な時間。

じゃあ散歩さえいけば、遊ばなくてよいかな、と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
けれど遊びには散歩では得られないメリットがあるのです。

→遊びは学びの場

ワンちゃんにとって、遊びから学ぶことは多いのだそうです。
ワンちゃん同士で遊ぶことは、社会性を学ぶ勉強に、人間と遊ぶことは「噛む加減」や、人間社会について学ぶ勉強になるのです。

ワンちゃんが人間と暮らすには、人間と暮らすうえでのルールを学ばなければなりませんが、遊びから学ぶことができるのです。

他のワンちゃんと遊ぶ機会がなかったワンちゃんは、その後、他のワンちゃんとうまくコミュニケーションをとれなくなってしまいます。

結果として、散歩などで他のワンちゃんを見かけると攻撃的になったり、逆に怖がったりするようになってしまうのです。

例えば飼い主さんとあまり遊ぶ時間がもてなかった子は、人間を噛んでいい加減がよくわからないため、ワンちゃん自身は遊びで噛んだつもりが、飼い主さんにとっては思いっきり噛まれてしまったと感じるくらいの強さになってしまうなど、お互いに嫌な思いをしてしまうことも考えられます。

遊びの中から、「やっていいこと、悪いこと」、「安全なもの、危険なもの」、「安全な遊び方、危険な行動」、などを徐々に学んでいくのです。

ワンちゃんと遊ばないと、どうなる?

ワンちゃんに遊びは大切とはいうけれど、ワンちゃんにかまっている時間がない…。
面倒くさいから、遊ぶ時間はあまりとっていない…。
こんな飼い主さんはいらっしゃいませんか?

または、「うちの子とは遊んでいるけれど、遊ばないと、ワンちゃんはどうなっちゃうの?」と疑問に思われる方もいらっしゃるでしょう。

飼い主さんと遊ばないと、ワンちゃんはどんな状態になってしまうのでしょうか?

まず、遊べないことで当然ワンちゃんの中でストレスが溜まっていきます。
人間にとっても、ストレスは病気の素、癌の素なんて言われますよね。
ワンちゃんにとってもそれは同じなんですよ。

ストレスが溜まりすぎると、ワンちゃんの免疫力は低下します。
免疫力の低下は、病気のリスクが高くなる原因にもなります。

また、あまり体を動かさないと肥満や生活習慣病などにかかりやすくなることも!
さらに、飼い主さんと一緒にいる時間を少しでも欲しくなって、常に一緒にいれないと不安になってしまう(分離不安)ことも!

ワンちゃんは、動物行動学で計算すると、1日1時間くらい遊ぶ時間が必要だそうです。
というのも、ワンちゃんが野生の中にいる場合、他のワンちゃんと1日の5-10%は遊ぶからだそう。

もちろん、ワンちゃんは一人でも自分のオモチャで遊ぶことがあるでしょうが、1日を通して朝家を出る前や、帰ってきてホッとするときにワンちゃんをかまってあげるとよいのでは。
5分でも、10分でも遊んであげれば、ワンちゃんにとってプラスになるのです!

ワンちゃんにとって「ためになる遊び」と「悪い遊び」とは?

そうなんです!
ワンちゃんにとって、ワンちゃんの「ためになる遊び」と、「悪い遊び」なるものが存在しているのだそうです。

え?遊んであげればいいだけじゃないの?
私の遊び方は、これで合っているのかしら…。
なんて、なんだか不安になってしまいますよね!
悪い遊びをしていたら、これから直せばよいだけです(^^)

ここでは、ワンちゃんの「ためになる遊び」と「悪い遊び」に焦点を当ててみましょう。

こんな遊びはNGだ!ワンちゃんとやってはいけない遊び方

玄関のスリッパを咥えてきて、追いかけてあげると喜んで逃げ、スリッパを取り上げようとするとウーっと唸っている。ワンちゃんあるあるだと思います。

洗濯ものをたたもうとタオルを持ってくると、タオルを咥えて逃げたり、なんて姿も見られるかもしれません。

可愛いですよね!
追いかけてあげたくなりますし、引っ張りっこしてあげたくなりますよね?

しかし、実はここにNGが隠されていたのです。
なにがNGなのか?

引っ張りっこのしすぎ

ワンちゃんが嬉しそうなので、ついついやってしまう引っ張りっこ。
もともとワンちゃんに備わっている狩猟本能を満たしてあげている気になりますが、自然界では獲物を捕まえたら食べて終了になりますよね。

遊びでは終わりがないので、興奮状態が続いてしまい、ワンちゃんが覚醒してしまうのだそう。

そうなると、ちょっとした刺激で興奮してしまったり学習能力も低下してしまいます。

とはいえ、「ちょうだい」を聞けるワンちゃんであればクールダウンできるのでOKだそう。「ちょうだい」をしてもくれない子は、「ちょうだい」から覚える必要がありそうですね。

飼い主さんが追いかける追いかけっこパターン

ワンちゃんが先に飼い主さんにちょっかいを仕掛け、追いかけてきてもらうパターンは「ちょうだい」ができるまでやってはいけないパターンだそうです。

・「ちょうだい」ができない子の場合は?

「ちょうだい」ができない子は、「ちょうだい」を習得するまでは、飼い主さんが追いかけるのではなく、ワンちゃんが飼い主さんを追いかけるパターンの遊びにしないとNGのようです。
例えば、ワンちゃんのお気に入りのオモチャを取って、逃げます。
そうすると、ワンちゃんは追いかけますよね。
このパターンをまずは始めましょう。
そこから「ちょうだい」をマスターしてもらいます。

<ちょうだいの教え方>

・引っ張りっこをしたら、飼い主さんは一旦手を止めます。
・あらかじめポケットなどにオヤツを入れておき、手を止めたらフードを鼻先に持っていきましょう。
・ワンちゃんがおもちゃを放したらおやつをあげて、その後「ちょうだい」と言います。
・ワンちゃんが食べている間にオモチャは自分の後ろなどに隠しましょう。
・そのあと「いい子」と褒めてあげましょう。
・しばらくしたら、またおもちゃを取り出して、以上の手順で追いかけっこと引っ張りっこをしてあげてくださいね。

ワンちゃんは、この順番を繰り返すと「ちょうだい」はオヤツを貰えるサインだと覚えてくれるので、咥えたものをはなしてくれるようになります。

また、甘噛みする力が強すぎる子もいるかと思います。
そんな子には、噛んだら遊ばなくするということを繰り返し、覚えてもらわなくてはなりません。

ふざけて噛んだら、飼い主さんは遊んでくれなくなった、ということが分かれば、噛まなくなりますよ。
噛んではいけないものを噛んでいるときは、それを取り上げてワンちゃんのオモチャを与えましょう。

ワンちゃんは、オモチャ以外を噛むとダメなんだなと、だんだんオモチャとオモチャ以外を区別できるようになりますよ。

積極的にやってあげたい!ワンちゃんにとって良い遊びとは?

どうせ遊ぶなら、ワンちゃんのポテンシャルを最大限に引き出してあげることのできる遊びをしてあげたいですよね。

ワンちゃんの遊びの中では、本能を満たしてくれる遊びと、頭脳を使わなくてはならない遊びの両方を取り入れてあげるとよいそうです。

例えば、物を持ってきてもらう遊び、それから物を隠して探す遊びですね。
子供たちの名前を覚えている子は、「○○はどこ?」というと、家の中を探してくれるでしょう。

現代っ子で家の中で飼われている子は、真剣に鼻を使う機会が減ってしまっていますよね。
ワンちゃんの鼻の嗅覚に働きかけてあげられるうえ、頭も使うかくれんぼはお勧めです。

また、オモチャの名前を覚えさせて、指定したおもちゃを持ってきてもらう遊びも頭を使うのでお勧めです。
例えば、マリオのぬいぐるみと、ルイージのぬいぐるみの名前を覚えさせて、「マリオ取ってきて」、「ルイージ取ってきて」のような感じですね。

おもちゃの名前と紐づけさせると頭を使いますし、ワンちゃんの遊びを工夫してあげると、どんどん賢くなるそうですよ。

終わりに

いかがでしたか?
ワンちゃんに遊びが大切といわれる理由は、ワンちゃんの社会性や人間と暮らすことの勉強のほか、ストレスを軽減させてくれたり、飼い主さんと絆を深めたりするのに欠かせないからなんですね。

毎日1時間ワンちゃんと遊ばなくてはいけないと思うと重荷に感じてしまうかもしれません。
重荷に感じてしまう方は、例えば散歩のときに公園で遊んであげたり、ちょっと時間ができたときにワンちゃんにかまってあげるようにしてはいかがでしょうか。

ワンちゃんがいつも一緒にいられるのは、飼い主さんだけです。
忙しくても、ワンちゃんは飼い主さんをずっと待っています!

そして、ちょっと遊べるだけでも、飼い主さんとの時間を楽しみにしてくれるはずです。
ぜひ、ワンちゃんと遊ぶ時間を意識して確保してあげてくださいね。

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