知ってる?パピーウォーカーについて

ワンちゃん好きな方は、一度は耳にしたことがあるかもしれない単語、「パピーウォーカー」。
パピーウォーカーのパピーとは、英語でいうところの「子犬」という意味で、ウォーカーは歩く人。

「子犬と歩く人」と直訳できちゃいそうですが、まだまだパピーウォーカーというボランティアがあることをご存じない方も多くいらっしゃるかと思います。

そこで今回は、「パピーウォーカー」についての基礎知識をみなさんにご紹介したいと思います。

まだワンちゃんは飼っていないけれど、これから飼いたいと思っていらっしゃる方は特に必読ですよ♪

パピーウォーカーとは?

パピーウォーカーとは、どのようなボランティアなのか。
みなさんは、想像できますか?

子犬と歩く人っていうところから連想できるかもしれませんが、パピーウォーカーの子犬たちは、将来盲導犬としてお仕事をするかもしれない可能性を秘めたワンちゃんたちなのです。

要するに、子犬の時期をボランティアとして預かるのが、パピーウォーカーさんのお仕事なのです。

子犬のころの時期というと、最高にかわいい時期で、そんな美味しいボランティアがあるのかと思ってしまいますが、10か月の期間後は必ず返さないとならないので、切ないボランティアでもあるのです。

赤ちゃんの頃から10ヶ月も一緒に過ごしていたら、ワンチャン自体も「家族」と認識しちゃいますしね。

ワンちゃんが社会と馴染んでいくのにとても大切な時期に、人間の家族と一緒に過ごし、電車、車、自転車の音、雨、雪、雷、混雑している場所などなど、いろいろな経験をするのは、とても大切なことなのです。

一緒にお出かけをして、家族と時間を共有するという経験が、のちに盲導犬となった時に役立つのです!
まだまだいたずら盛りでボランティアさんも初めは大変かもしれませんが、一緒に過ごすことで家でのルールや、お外、社会でのルールを身に着けていくことができるのですね。

もちろん、10ヶ月間一緒に過ごす家族とは愛情や信頼関係、絆が産まれ、そういった経験が視覚に障害を持った方との暮らしにもいきてくるのです。

もちろん、ボランティアさんには専門の職員からいろいろな指示が出るわけですが、いっしょに大切に子犬ちゃんたちを育てていく経験ができちゃうボランティアなんです。

最近では、芸能人の方もパピーウォーカーをされているようで、話題に上ったりしていますね。

どんな子犬ちゃんがやってくるの?

パピーウォーカーとしてお願いされる子犬ちゃんの犬種は、だいたいレトリーバーとなっています。
ラブラドール・レトリーバー、ゴールデン・レトリーバーのほか、ラブラドールとゴールデンのミックスの時も。

レトリーバーたちはよく飼い主に従い、頭がよく、さらに環境や人にも良く慣れます。
また、大きさも盲導犬として人について歩くのにちょうどよいそうで、レトリーバーが盲導犬として活躍しているのですね!

パピーウォーカーになってみたい?その前に条件確認!

パピーウォーカーになるためには、里親さんとしての条件がいくつかあります。

〇自動車を所有している?

車がないと、パピーウォーカーになれないそうです。
というのも、パピーウォーカーのボランティアを募集している訓練センターの行事などに参加するときには車が必要ですし、さらに車での移動に慣れることは盲導犬として必要なことの一つだからだとか。

もちろん、何かあった時の病院への通院にも必要ですよね。
自動車を持っていることが条件に入っていない盲導犬協会もありますが、自動車は持っているほうが理想的といえそうです。

持っていない方は、パピーウォーカー登録の際に必要かどうか確認しておきましょう。

〇レクチャーに参加できる?

実は、パピーウォーカーになると、子犬を預かった訓練センターで月に1度開催されるレクチャーへ参加することとなっています。

そこでは、ワンちゃんの健康面で気を付けるべきことや、散歩のコツやポイント、家でのマナーの教え方などを細かく指導してもらえるのだそうです。

パピーウォーカーじゃなくても、参加したくなっちゃいますね。
また、家庭訪問がある場合もあるそうで、共働き家庭には若干難しいかもしれません。

〇室内で飼育できる?

ワンちゃんの犬小屋を室内に設置することが、パピーウォーカーの条件の一つ。
その大きさも、59㎝×90㎝×67㎝と案外スペースが必要であり、玄関などはNGとされています。

外ではなく室内で飼育しなくてはいけない理由としては、将来盲導犬として視覚障害者と過ごす際に、人間の家でのマナーを知らないと困ってしまうから。

ワンちゃんって、子犬のころはいろいろなものを噛んでしまいますが、そういった癖や、無駄吠え、人が食べているものを欲しがってしまうというルール違反をおかさないよう、家庭の中で訓練していく必要があるのです。

〇家に誰かいる?

ワンちゃんがやってきてすぐの2か月程度は、飼い主さんが常に一緒にいていろいろなことをしつけなくてはなりません。

食事も、まだ小さい子だと1日3-4回必要ですし、トイレも失敗しないように1時間おきくらいの間隔でトイレに行かせなくてはなりません。

家に誰もいないと、それができないのでNGとなってしまうのです。

〇家族構成は大丈夫?

ワンちゃんを育てるには、家族全員の協力が必要不可欠なのです。

家庭内でのマナーの習得には、家族が共通して忍耐強く一貫した態度で接していくことが大切ですし、ここからワンちゃんとの信頼関係や上下関係を教えることができるのです。

そのため、乳幼児のいるお宅や、逆にワンちゃんのせいでケガをしてしまうかもしれないリスクのある高齢者がいるご家庭では、パピーウォーカーは難しいわけなのですね。

〇すでにワンちゃんが家にいる方

ワンちゃんをすでに飼っている方は、パピーウオーカーにはなれないそうです。
というのも、パピーウォーカーはワンちゃんと十分に向き合う時間が必要で、ゆとりのある飼育環境でないと難しいからだそう。

とはいえ、盲導犬協会によってばらつきがあり、要相談としているところもあるので、詳しくはお近くの盲導犬協会に確認してみてくださいね。

〇大家さんの許可がとれる?

マンションなどにお住いの場合、ペットがOKなマンションでも大型犬がNGなんてところもあるそう。
パピーウォーカーになるためには、まずは大家さんに相談してOKかどうかを確認しましょう。

パピーウォーカーになると費用は月々どれくらい?

パピーウォーカーをやる場合、ワンちゃんにかかってくる費用はすべてボランティアさんであるパピーウォーカーさんが支払うこととなります。

動物病院での予防接種代などはカバーされますが、それ以外のフードやペットシーツ、おやつ、その他もろもろ、ワンちゃんのために購入するものはパピーウォーカーさん持ちとなるそう。

ご飯代やいろいろな雑費で、だいたい1か月5千円前後の出費となるとのこと。

パピーウォーカーになるためのステップ

さて、本格的にパピーウォーカーになりたいと希望され、実際に子犬ちゃんにお家へ来てもらうためには、どのようなステップが必要となるのでしょうか?

まずは、「日本盲導犬協会」、「九州盲導犬協会」、「東日本盲導犬協会」、「中部盲導犬協会」、「関西盲導犬協会」など、日本全国各地にある盲導犬協会からお近くの盲導犬協会を探してみましょう。

そこに連絡をしてみると、パピーウォーカーとしての登録方法や、ワンちゃんを委託するまでの手続きの流れなどを教えていただけるかと思います。

例えば、日本盲導犬協会の場合は協会のホームページからパピーウォーカーの登録申込書をプリントアウトし、必要事項を記入して協会へ郵送することが第1ステップとなっています。

その後、実際に協会で開催されている説明会に参加し、面談を終えたら、あとはワンちゃんの委託の連絡が車で待っているだけです!

委託が決まると、協会で委託式が行われるそうで、そのことについて書面、電話あるいはメールにてご連絡いただけるようです。

委託が決まったら、1か月間くらいの猶予があるようなので、ワンちゃんがお家で楽しめるよう受け入れ準備を進めましょう。

ちなみに、委託式では1年間のスケジュール確認や、家にやってくる子犬ちゃんたちとの接し方、トイレなどの説明も受けてくることになるとのこと。

いろいろ聞いて、不明点はクリアにしておきましょう!

引退犬飼育ボランティアとは?

盲導犬が引退すると、引退後はどうしているかご存じですか?

視覚障害者の方の家で、のんびりされているのではないか…など、思われる方も多くいらっしゃるかもしれません。

けれど、実は盲導犬を引退したワンちゃんは、視覚障害者の方と暮らすわけではなく、実はワンちゃんの老人ホームに行ったり、パピーウォーカーで初めに家族になってくれた家族のもとに帰ったり、あるいは引退犬飼育ボランティアさんと老後を一緒に過ごすといった3択になるのです。

引退犬は、その他キャリアチェンジ犬などとも呼ばれています。

だいたい8年間程度を盲導犬として日々お仕事で頑張ってきたワンちゃんなので、引退は10歳前後。

引退犬を引き取りたい方にも、いくつか条件があります。
留守になることが多くならないお家が、その条件の一つ。

ゴールデンやラブラドール・レトリーバーは人間が大好きなので、留守番ばかりさせられるのは苦手なんですね。
ワンちゃんが安心して過ごせるよう、常に家族の顔が見れる環境が必要なのです。

引退犬のボランティアを希望する場合には、パピーウォーカー同様、登録申込書を郵送し、委託犬が決まると、そのこと面会をしてお互いの相性を見ていただく感じになるそうです。相性が合えば、その日にワンちゃんを連れて帰れるそう♪

とはいえ、日本盲導犬協会では2週間のお試し預け期間を設けていてくれて、万が一相性が合わなかったりした場合にはリセットできるので安心ですね。

相性が合えば2週間後、正式に飼育委託契約となるそうです。
パピーウォーカーの場合は、1年弱後に必ず別れなければなりませんが、引退犬なら天国に行くまでずっと一緒にいれるのもポイントなんです。

終わりに

「何かボランティアをしたいけれど…」という方。
「子育てにひと段落ついて、家にも余裕があるから犬が欲しいな」とお考えの方。

専業主婦のお母さんがいて、子供たちがいて、ワンちゃんを飼ってみたいとお考えの方。

「パピーウォーカー」に、挑戦してみませんか?

もちろん、別れの時は悲しいかもしれませんが、引退したら引き取るという手もあります。
引退犬のボランティアも、ワンちゃん好きには気になるところです。

詳細は、お近くの盲導犬協会に問い合わせてみてくださいね!