
梅雨が始まったかと思ったら、なんだかすでに暑い夏の気配。
夏はお出かけや水遊びなど、ワンちゃんとの楽しい思い出がたくさん作れる季節ですよね。でもその一方で、ワンコたちにとっては注意が必要な季節でもあるんです。
人間の私たちと同じように、ワンちゃんたちも暑さに弱く、特に体温調節が苦手な子たちにとっては、体調を崩しやすい時期。
今回は、そんな「夏に気を付けたいワンコの病気」について詳しく調べてみました。
愛犬の健康を守るために、ぜひ参考にしてみてくださいね。
目次
夏に気を付けたい病気はコレだ!
日本の厳しい夏、年々ひどくなっている感じがしますよね。
凄い暑さが襲いかかるうえ、ゲリラ豪雨が発生したりと、昔の日本の夏よりはるかに過ごしにくくなってきています。
人間も体調不良になりがちな夏ですが、ワンちゃんは言葉を話しませんので、私たち飼い主が気を付けてあげるしかない。
ということで、夏に気を付けたい病気をまとめています。
熱中症(熱射病・日射病)
◼ どんな病気?
夏にもっとも注意が必要なのが熱中症です。
人間も暑いとぐったりしてしまいますが、ワンコはもっと深刻。
ワンコは汗をかいて体温を下げることができず、パンティング(ハァハァと舌を出して呼吸する)でしか熱を逃がせません。
特に高温多湿の日本の夏のような環境下では、いくらパンティングをしたところで、十分に体内の熱を放出できません。
体に毛皮を巻き付けているのに、日本の夏の暑さに耐えるなんてかわいそうですよね。
体温調節機能が暑さや体調不良、睡眠不足などでうまく働かず、体内に熱がこもってしまうことで引き起こされます。
熱中症は、命に関わることもある危険な病気です。
しかも、ワンコが熱中症になるのは暑い日だけでなく、気温が低くても湿度が高いと熱中症になることもあるそう!
なので、ワンコのいるご家庭では、気温と湿度のどちらも気にかけないとならないのです。
■こんな犬種の子は要注意
パグ、ブルドッグ、シーズー、ペキニーズ、ボストン・テリアなど、鼻がペチャっとなっている短頭種のワンコたちは、マズルが短くて気道が狭く、呼吸がしづらいため、熱中症になりやすいそう。
原産が北の方の子たち、シベリアン・ハスキーやボルゾイ、グレートピレニーズ、シェットランド・シープドッグといった犬種の子は、暑い被毛のせいで熱を逃しにくく、熱中症のリスクが高い犬種ともいわれています。
さらに、太り気味の子も体に熱がこもりやすく、子犬や老犬、持病のある子もリスクが高いといわれています。
■こんな日は要注意!熱中症リスクの高まる条件
→気温25度以上の日
→湿度が70%以上の日
→風通しが悪く直射日光の当たる場所
◼ 症状
→ハァハァと激しい呼吸
→ぐったりして動かない
→よだれが多い
→嘔吐や下痢
→意識がもうろうとする、ふらつく
→脱力しているなど元気がない
→体温が高い
→歯茎や舌が赤い
◼ 熱中症対策
→真夏の日中の散歩は避ける(早朝・夕方が◎)
→車内に放置しない(短時間でもNG!)
→風通しがよく涼しい室内環境を整える(エアコン・扇風機の活用)
→水を常に飲めるようにする
→クールマットや濡らしたタオルなどで体を冷やす
◼ 応急処置
もし熱中症の疑いがある場合は、すぐに涼しい場所に移動して、冷たいタオルで体を冷やし、水を飲ませてください。
それでも回復しない、もしくは意識がもうろうとしている場合は、すぐに動物病院へ!
蚊が媒介する病気「フィラリア症」
◼ どんな病気?
フィラリア症(犬糸状虫症)は、蚊を介して感染する寄生虫の病気です。
この犬糸状虫の子どもが蚊に刺されてワンコの体に入り、皮下や筋肉の中で少しずつ大きくなるのだそうです。
その後、犬糸状虫は静脈から血管に入り、感染してから約半年後には心臓や肺動脈に住みついてしまうのだそう!
見た目はそうめんのように麺類のような白い成虫になり、さまざまな症状が現れるようになるそうです。
ワンコの体内で何年も生き続けるため、病状が徐々に進行していくのが特徴となっています。
心臓や肺の血管に寄生し、進行すると呼吸困難や心不全を引き起こすこともある怖い虫です。
◼ 症状
初期:
・時々かわいた咳が出る
・激しい運動ができなくなる
・散歩嫌いになる
・つねに元気がない
中期:
・慢性的な咳
・食欲不振
・さらに元気がなく疲れやすくなっている
・散歩・運動を嫌がる
・毛艶が悪くなる
・腹水がみられるようになる
末期:
・元気消失
・食欲がなくなり体重が減る
・咳/呼吸困難
・咳で吐血
・嘔吐
・腹水がたまる
・失神
・心臓・肝臓・腎臓・肺などの臓器が機能不全になる
・血尿
・貧血
■治療
初期:
予防薬の長期にわたる投与。
ただし、この薬は成虫は死なず、新しく体に入ってくる子虫にだけ有効。
成虫は寿命が来るのを待つ、という方法。
中期:
駆虫薬の投与にて、体の中の成虫を全滅させるという方法です。
初期でなぜ駆虫薬を使用しないのかというと、数週間以内に体内の成虫を死滅させることはできても、成虫が心臓で死んでしまうと血管が詰まるといったリスクがあり、危険な状態になることがあるからだそうです。
同じく、死滅した虫が肺動脈の奥に流れると、肺への負担が大きくなり、この治療に耐えられると判断されたワンコのみが対象の治療法です。
駆虫薬を使えない子に関しては、予防薬の長期投与という方法で治療を行います。
駆虫薬も予防薬の長期投与も難しいと判断された場合は、対処療法となることも。
対処療法では、腹水があれば水を抜いたり、咳を抑える治療を行いながら経過観察となります。
自宅では安静にし、徹底した食事管理も求められます。
末期:
「大静脈症候群」などの急性症状がみられた場合、また寄生している成虫の数が多数の場合は、外科的手術で治療に当たります。
ワンコの首から特殊な器具で虫を摘出する、という方法になりますが、もちろん完全にすべての虫を取り切れるわけではないので、併せて投薬も行っていきます。
◼ フィラリア対策
→毎月1回のフィラリア予防薬を忘れずに!(春~秋が予防期間)
→室内飼いでも蚊は入ってくるので油断は禁物
→獣医さんと相談して、最適な予防法を選びましょう
外耳炎
◼ 夏に罹りやすい耳の病気は?
夏は湿気や水遊びの影響で、耳の中が蒸れやすくなります。
特に垂れ耳のワンちゃんは通気性が悪く、耳の中がジメジメして細菌やカビが繁殖しやすくなりますよね。
◼ 症状
→頭を振る、耳を掻く
→耳が臭う
→耳の中が赤くなっている
→耳垢が増えている
◼ 対策
→定期的に耳の中をチェック&清潔に保つ
→水遊びの後は耳をしっかり乾かす
→耳の異変を感じたら早めに動物病院へ
→市販のイヤーローションや耳用のウェットシート等を使用し日ごろから耳掃除
皮膚トラブル(皮膚炎・湿疹・かゆみ)
気温・湿度が上がるだけで皮膚炎になりやすいなんて、そんなことある?
と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、人間も汗疹などの皮膚症状に悩まされる方もいらっしゃいますよね。
暑さと湿気で皮膚トラブルが増えるのも夏の特徴。
汗をかかないワンコでも、皮脂や湿気、雑菌の繁殖によって皮膚炎になってしまうことがあります。
例えば換毛期にうまく冬の毛が抜け落ちなかったりすると、皮膚の換気が難しくなり、ワンコのお肌は蒸れてしまいます。
そうなると、もともとワンちゃんのお肌についているマラセチアなど皮膚の常在菌が、異常増加してしまうのだそうです。
そのため、特にダブルコートの子は丁寧なブラッシングが必須となるワケなのです。
気温や湿度が上がると、もともとお肌の弱くない子でも常在菌が増えてしまい、皮膚炎になりやすくなります。
夏場はノミやダニの予防薬を使用し、散歩後は足やお腹をきれいに拭いてあげる以外に、以下の皮膚トラブルに注意してください。
◼ 皮膚トラブルにはどんな病気があるの?
→膿皮症
膿皮症の細菌には強い毒性があるわけではないそうですが、夏の高温多湿で増殖し、ワンちゃんの体調があまりよくないと皮膚病になってしまうとのこと。
お肌のバリア機能が低いワンコほど、気を付けなくてはならない皮膚病です。
・症状:
膿皮症にかかると、体を痒がり、掻きむしったり舐めたりといった様子が見られます。
また、ワンちゃんのお肌に円形脱毛ができることが多いそうです!
また、毛の抜けている部分にはフケが付着していたり、赤いぶつぶつがみられることもあるそうなので、気が付きやすいかもしれませんね。
体臭が強くなってしまう子も!
→体をしきりに掻く
→赤みやブツブツができる
→毛が抜ける・フケが出る
→かゆみで落ち着かない様子
といった様子を見られたら、膿皮症の可能性大です。
◼ 対策
膿皮症を治すためには、薬浴シャンプーなどの外用剤や、抗生剤、かゆみ止めなどの内服薬などが獣医さんより処方されます。
シャンプー剤は直接皮膚に働きかけるため、膿皮症では効果的といわれています。
また、膿皮症に一度かかってしまうと、来年の夏もまた同じ症状で来院というケースが多いそうなので、暑い日が出てきたら予防のためにも薬浴シャンプーで体を洗ってあげるとよいそうですよ。
また、夏場はこまめなシャンプーで投薬を最小限にできるかもしれないそうなので、やりすぎない程度に獣医さんと相談して回数を増やしてあげるのもお勧めだそうです。
→ブラッシングやシャンプーで清潔を保つ
→濡れたまま放置しない(乾かすのも大事!)
で、お肌の状態を改善してあげましょう!
→犬アトピー性皮膚炎
犬アトピー性皮膚炎は季節にかかわらず発症する病気ですが、夏場に症状が悪化しやすいそうです。
暑くなってくると、かゆみが増してしまうのですね。
アトピーを持っている子は、もともとお肌のバリア機能が弱く、さらに痒みが加わって書いてしまうことで、膿皮症やマラセチア皮膚炎といった肌トラブルを発症することが多くなるそうです。
■対策
対策としては、適切なスキンケアが大変重要になってきます。
アトピーを持っている子には、単純にシャンプーの回数を増やして、とはいかないそう。
シャンプーのせいで、お肌のバリア機能が低下してしまう可能性もあるからなのですね。
もちろん、適切な薬浴シャンプーでのお風呂や点耳薬といった外用剤でスキンケアを行うのは必須なのですけれどね。
ワンコのほうが人間よりお肌が敏感で、弱アルカリ性なのだそう。
そのため、ワンコには犬用のシャンプーを使うのが鉄則なのです!
また、しっかり乾かそうとしてドライヤーを当てすぎてしまうのもNG。
お肌が弱っていないワンコでも、強くドライヤーを当ててしまうと、痒みがでることがあるそうです。
まずはしっかりタオルで乾かしてあげて、ドライヤーは短時間で乾くように工夫してあげてください。
トリミングに行くときは、ワンちゃんの皮膚が弱く痒みが出やすいと一言伝えてあげると、安心です。
ドライヤーは短時間でお願いすることで、皮膚の状態の悪化を防げます。
食中毒・下痢・嘔吐
人間が食べるのはちょっと心配な、消費期限や賞味期限を過ぎた食べ物。
ワンコならいけるか…と与えてしまっている方、いらっしゃいませんか?
夏は食べ物が傷みやすく、人間が心配な食材をワンコに与えてしまうのも考えものです。
また、ワンコのフードの保存状態が悪かったり、落ちているものを食べてしまったりすると、下痢や嘔吐などの症状が出ることがあります。
→嘔吐
→下痢
→元気消失
→食欲不振
→血便
があったら要注意です。
ひどくなると熱が出て痙攣したり、泡を吹いたり、呼吸困難になることもあるそう!
早めに獣医さんを受診してくださいね。
◼ 食中毒対策
→ドライフードの保存は密閉&涼しい場所で
→手作りごはんの場合は鮮度に注意
→食べ残しはすぐに片付ける
→散歩中に拾い食いさせないように注意!
水中毒
◼ どんな病気?
水は生きていくために必要なものなので、中毒なんて聞いたことがない、という方もいらっしゃるかもしれません。
ワンコの場合、体重1kgあたり50~60mlの水が1日で必要な量とされており、体重10kgのワンコなら500mlのペットボトル1本分くらいの水が1日の必要量となるわけですね。
ところが、夏場に水辺で遊んでいたりすると、遊びに夢中になりすぎて、大量に水を飲んでしまうことがあるそうなんです。
そうすることで、水中毒(低ナトリウム血症)を発症してしまうのですね。
これは体内の電解質バランスが崩れ、命に関わる危険な状態になるそうです。
◼ 症状
→ふらつき
→嘔吐
→けいれん
→意識障害
◼ 対策
→水遊び中は適度に休憩を入れる(水遊びは1回あたり10-15分程度)
→飲水量をコントロールする
→ワンちゃん用の経口補水液や水に溶かして使うパウダーも利用する
夏バテ
◼ どんな状態?
暑さで体力を消耗し、食欲が落ちたり元気がなくなったりするのが「夏バテ」。人間と同じように、ワンちゃんも暑さでバテてしまうことがあるんです。
高温多湿な環境で、ワンコの体内に熱がこもりやすくなっていること、暑さのために運動を避けると、運動不足によって体力が低下しやすくなること、また暑さのせいで食事や水分補給が不足すると脱水症状を引き起こたり、体調を崩す原因となるのです。
◼ 症状
→ごはんを食べない
→だるそうにしている
→寝てばかりいる
→元気がない
→嘔吐・下痢
→呼吸が速い
◼ 対策
→エアコンや冷風機で快適な室温を保つ(25~28℃くらいが目安)
→散歩の時間帯を工夫する(早朝・夜間にするなど)
→適度な運動
→冷たいおやつや水分補給でリフレッシュ、どこでも常に飲める状態に!
→食事の見直し、必要に応じて栄養補助食品の活用。
フードを少し温めて匂いを立たせるのも◎
終わりに
夏はワンコにとって厳しい季節。
飼い主さんたちは、「観察」と「予防」でワンコの健康を守りたいものです!
飼い主さんがちょっと工夫をしてあげたり、予防を心掛けたりするだけで、暑い夏を元気に乗り切ることができるのです!
大切なのは、いつもよりちょっとだけ注意深くワンちゃんの様子を観察すること。
「今日はちょっと元気がないな」
「いつもより水を飲んでるかも?」
「耳が臭う…?」
そんな小さな変化を見逃さず、早めに対処することで、大きな病気を未然に防ぐことができますよ。
暑い夏を、ワンコと一緒に元気に、楽しく過ごしましょうね!
●参照
・【獣医師監修】暑い時期は〇〇に注意!夏にかかりやすい病気
・【専門家監修】犬の熱中症に注意!症状や予防方法、応急処置の仕方を解説
・【獣医師監修】犬の「フィラリア症」の症状と治療|予防薬の注意点は
約28℃以下の環境下で凍る水溶化ジェルは快適な温度をキープするので暑さ対策に最適です

愛犬愛猫用 クールリング S ピンクムーンの購入はこちらから
100%天然の自然成分から作られたクールスプレー
夏の暑さ対策や熱中対策にオススメ

犬用アロマスプレー アロマ クールスプレー暑い夏に最適の購入はこちらから
最高レベルの接触冷感で、ひんやりと心地いい寝心地

超クールWラッセルウォッシャブルマット Sの購入はこちらから
ワンちゃんの皮膚や耳を健やかに保つ スキン&イヤーローション

ラファンシーズ スキンローション/125mlの購入はこちらから




