犬好きの犬アレルギー対策

散歩日和が続き、ワンちゃんが嬉しそうに散歩する姿が見られるようになりました。
新型コロナウィルスに翻弄される人間たちを横目に、いつもより飼い主さんと一緒にいる時間が長くなっているワンちゃんたちは、心なしか嬉しそう?

さて、今回はワンちゃん好きな方の、犬アレルギー対策についてご紹介。

普通に考えたらワンちゃんを飼っているお家で、飼い主さんが犬アレルギーなんてケース、ありえませんよね?
しかし実際には、犬アレルギーなのにワンちゃんを飼っているお宅が結構あるようなのです…。

ワンちゃんを飼う前まで、自分が犬アレルギーだということはつゆ知らず、ワンちゃんを飼ったらアレルギーを発症してしまったなんて飼い主さんたち。

花粉症同様、犬アレルギーも突然発症するので、年齢などは関係なくある日突然発症してしまうようなのです…。

ワンちゃんを飼ってから犬アレルギーを発症してしまったら、アレルギーを発症してしまったからといって、ワンちゃんを誰かに譲るなんてことはなかなかできませんよね。

家族の一員だし、離れられない!
そんな悲鳴が聞こえてきそうですが、実際には犬アレルギーの方でもワンちゃんと上手に暮らす方法があるのです。

ここでは、犬好きなのに犬アレルギーの方、ワンちゃんが家にいるのに犬アレルギーを発症してしまった方のために、犬アレルギー対策を徹底的に調べてみます。

犬アレルギーってそもそも何?

犬アレルギーは、ワンちゃんと同じ空間で過ごし、ワンちゃんのフケ、唾液、毛などのアレルゲンに接触したりすることで起こってしまう、免疫反応が敏感/過剰に働いてしまう状態のことです。

よく「ワンちゃんの毛のせいで犬アレルギーになる」といわれることがありますが、現在ではワンちゃんの毛についたフケなどでアレルギーが誘発されていると考えられています。

もともとアトピー体質だったり、喘息持ちだったりする方は、ワンちゃんと接触すると症状がより悪くなってしまうことがあります。

犬アレルギーって、どんな症状が出るのかちょっと気になりますよね。
次は、一般的な犬アレルギーの症状を見て行ってみましょう!

一般的な犬アレルギーの症状とは

「アレルギー」というからには、ワンちゃんアレルギーも花粉アレルギーと似たような症状が出ると思いますよね?
犬アレルギーもアレルギー反応なので、花粉症などと同じようなアレルギー症状が見られます。

家の外では咳なんかでないのに、なぜか家に帰ると咳が出る…。
そんな症状がありませんか?

実は、犬アレルギーになると、「軽い風邪でも引いたかな?」といったような咳が出ます。

咳以外でも、呼吸するときに雑音が混ざる(ゼコゼコなど変な音)といったことも。

ワンちゃんが近くにいると、なぜか咳き込んでしまうといった症状が気になったら、一度お医者さんで検査してもらうとよいでしょう。

くしゃみ/鼻水

ワンちゃんの近くに行くとクシャミが出てしまう、花粉症じゃないのに家で鼻水が止まらなくなる…、このような症状も、犬アレルギーの疑いが!

外では鼻水、クシャミが出ていないのであれば、一度血液検査してみましょう。

目の腫れ

目がかゆく、充血してしまったり、瞼がはれぼったくなる、目自体が腫れているようだ…なんて症状が出てくるのも、ワンちゃんアレルギーの可能性が!

花粉の時期だと見分けにくいかもしれませんが、外で何ともないなら犬アレルギーを疑ってみるべし。

湿疹

肌の表面に赤みや腫れ、またかゆみなどが出ることもあります。
なかなか治らない湿疹などは、アレルギー症状で出ている可能性も。

喘息症状

もともとは喘息出なかった人も、ワンちゃんと暮らしているうちに発症することがあるので注意が必要です。

呼吸困難、息苦しさなどはワンちゃんと引き離すだけでは症状が治ることはないので、救急を受診しましょう。

下痢/嘔吐

ワンちゃんアレルギーの方の中には、ワンちゃんと触れ合うと下痢や嘔吐といった症状を発症する方もいらっしゃいます。

犬アレルギーでアナフラキシーショック、というのはあまり聞いたことがありませんが、粘膜に炎症が起こり腫れあがってしまえば、呼吸困難から命の危険は十分考えられます。

ワンちゃんといると喉が痛痒くなる、なんて方は早めに病院を受診してください。

ワンちゃんアレルギー対策、予防ってあるの?

ワンちゃんアレルギー、ワンちゃんを飼ってから発症した方は、きっと急にアレルギーを発症されてビックリされたことでしょうね。

犬アレルギーの症状を発症してしまった方の軽度なアレルギー症状は、ワンちゃんと接したり同じ空間にいなければ、自然に収まります。

もともと犬アレルギーだったのに、急にアレルギー症状が発症しなくなる、というパターンもあるそうです。

ナゾ多き犬アレルギーですが、アレルギー発症の予防として何かできることはあるのでしょうか?

が、それはワンちゃん好きの飼い主さんには無理な話ですよね!

それでは、犬アレルギーにはどのような対策を取ればよいのでしょう?

喘息持ち、アトピー体質の方はワンちゃんと一緒に寝ない!

前述したように、ワンちゃんアレルギーにおいて、もともと喘息やアトピーなどの疾患をお持ちの方は、ワンちゃんと触れ合うときには「ワンちゃんアレルギーかも」と意識して気を付けなくてはならないと考えられます。

ワンちゃんアレルギーの発症を予防するために、ワンちゃんと触れ合う際にはあまりべったりせず、同じベッドで一緒に寝るといったことは避けたほうが良いでしょう。

できれば、屋外飼育が安心ですが、室内犬であればワンちゃんのスペースと人間のスペース、共有スペースをしっかり分けるよう心掛けたいですね。

ワンちゃんアレルギーの人ができる対策とは?

すでに犬アレルギーを発症している方がワンちゃんを飼う、または飼っているのに犬アレルギーを発症した方は、なるべくアレルゲンに接触するリスクを減らさなくてはなりません。

ワンちゃんアレルギーに効果的な対策

ワンちゃんと触れ合うときは、残念ですがマスクをしたり、手袋をする。
手袋をしないのであれば、ワンちゃんと触れ合った後は手を洗うなど、アレルゲンに触れたままにならないように努力をしましょう。

部屋を清潔・衛生的に保つ

定期的な部屋の空気の入れ替えや、細かい塵・ホコリ対策をすることで、アレルゲンを押さえることもできます。

空気清浄機をつけっぱなしにするなど、できるだけ部屋の空気をクリーンに保つよう工夫してみてくださいね。

ワンちゃんをこまめにお風呂に入れる

ワンちゃんをこまめにお風呂に入れることで、ワンちゃんの体に付着しているアレルゲンを落とすようにするのもお勧めです!

犬アレルギーでも飼える犬種があるって本当?

犬アレルギーの方がたまに耳にする情報の一つに、「犬アレルギーでも飼える犬種の子がいる」「抜け毛があまりない犬種なら犬アレルギーでも大丈夫」なんて情報がありませんか?

まず考えなくてはいけないことは、犬アレルギーがどのように引き起こされるのか。
犬アレルギーの原因の多くは「抜け毛」ではなく、「抜け毛についたフケや唾液」ということがわかりましたよね。

ワンちゃんには、全部で7種類のアレルゲンがある、といわれています。
そのアレルゲンは、Canf1からCanf7まであるといわれています。

そしてCanf1が、ワンちゃんの毛、フケ、唾液に多く含まれているアレルゲンなのです。
そのため、抜け毛が少ない犬種の子を飼えば安心というわけではないのです。

そう、犬アレルギーの原因となるアレルゲンがないワンちゃんなんて、存在しないのです!

もちろん、抜け毛が少なければ、アレルゲンに接する量は抜け毛の多いワンちゃんよりも接触率が少なくはなりますが、犬アレルギーの方でもアレルギーを発症しないワンちゃんは残念ながらいないのです。

ちなみに、2012年に実際にアレルギーが出やすい犬種と出にくい犬種といわれるワンちゃんたちのアレルゲンの多さを比較した研究がされたそうですが、あまり差がなかったそうです。

〇参照:Can f1 levels in hair and homes of different dog breeds: Lack of evidence to describe any dog breed as hypoallergenic
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0091674912007932

犬アレルギーって治せるの?

犬アレルギー、治せたらよいですよね。
実は、犬アレルギーを根治できる治療法は確立されていないのが事実なのです。

食物アレルギーを持ったお子さんたちが、少しずつアレルゲンに慣れさせ、食べられるものを増やしていくのとは違い、ワンちゃんに少しずつ触れ合う時間を延ばしてアレルゲンに強く慣れればよいのですが、犬アレルギーはそれで慣れるというものでもないのです。

それでは、犬アレルギーの方は耐えるしかないのか?というと、対症療法でアレルギー症状を押さえていくしかないようです。

耳鼻科や内科、皮膚科、またはアレルギー科などと連携し、症状をコントロールしやすい状況にしていきます。

それと合わせて、前述したようにこまめにお掃除をし、ワンちゃんをお風呂に入れ、ワンちゃんと人間が共有する部屋を分けること、これがワンちゃんも人間も楽しく生きるコツといえるでしょう。

終わりに

いかがでしたか?
ワンちゃんを飼っているのに、犬アレルギーを発症してしまった方、犬アレルギーだけどワンちゃんを飼いたいと思われている方は、ワンちゃんを飼うのに気を付けることは「ワンちゃんのアレルゲンへの接触を減らす」ことが大切というのがお分かりいただけたかと思います。

犬アレルギーであることがすでに分かっている方で、どうしてもワンちゃんが飼いたい方は、抜け毛が少なく、外で飼える子がお勧め。

室内犬で飼いたい犬種がある方、すでに室内犬を飼っている方でアレルギーを発症した方は、寝室やリビングをわけ、ワンちゃんの居場所が確保できるか考えてみましょう。