犬のコロナウイルスってあるの？人畜共通の病気？

世界中で猛威を振るう新型コロナウイルス肺炎。
海外では感染した犬が出たとニュースにもなっているため、心配になる飼い主様も多いのではないでしょうか。
犬たちにもコロナウイルスがあるのか、人から犬へ、犬から人へと感染するのでしょうか？

犬のコロナウイルスはあるのか？

犬にもコロナウイルスは存在します。
犬コロナウイルス感染症と呼ばれます。

しかし、新型コロナウイルスCOVID-19とは違い、昔から存在しているコロナウイルスです。

Coronaviridae科Coronavirus属Group１に属する犬コロナウイルス（CCV）によって起こるウイルス性の感染症です。

成犬はあまり重篤になることは無く、感染しても症状が出ないまま終わることは少なくありません。

ただし、子犬の場合は注意が必要です。
子犬が感染した時は、下痢や嘔吐、元気がなくなる、食欲がなくなるなどと言った症状が現れ、胃腸炎を引き起こします。

オレンジ色の悪臭を放つ便になり、血便となることもあります。
症状が重い場合は死に至ることもあり、子犬にとっては致命的な病気になる恐れがあります。

この犬コロナウイルス感染症は、同じくウイルス性の感染症、犬バルポウイルス感染症と一緒に感染することが多く、その場合はさらに重篤な症状となり死亡の危険性が高まります。

犬コロナウイルスは犬と猫特有の病気ですので、人には感染しません。

新型コロナウイルスCOVID-19は人から犬への感染は今のところ確定していません。

ですが、ウイルスはいつ変異するかはわかりません。
飼い主の方が新型コロナウイルスにかかった場合は、濃厚接触は避けるようにしておきましょう。

犬が他の犬のコロナウイルスが含まれた糞や嘔吐物を舐めたりすることで感染します。

そのため、他の犬の糞便等には近寄らないよう普段から気をつけておきましょう。

口から入ったコロナウイルスは小腸の細胞に入って感染し、下痢や嘔吐と言った消化器症状を引き起こします。

犬コロナウイルスに対する特効薬はありません。
抗生物質や脱水を防ぐための対処療法のみとなりますので、感染させないことが大切です。

まずは糞便や血液検査、バルポウイルス検査を行います。
症状だ重くなれば超音波検査やX線検査など必要な検査を行います。

ワクチンによって予防できます。
通常の混合ワクチン全てに含まれているわけではありませんので、動物病院で確認しましょう。

集団で飼われている犬舎などで蔓延することが多い病気なので、犬舎の消毒や清掃など環境を整え清潔にしましょう。

犬コロナウイルスに感染している犬の嘔吐物や糞から感染しますので、それらもきちんと処理して消毒しましょう。

ほとんどの成犬にとっては不顕性感染（感染しても症状が現れない）が多い犬コロナウイルス感染症ですが、子犬にとっては脅威になりますので、ワクチンで予防したり、他の犬の汚物を触らせないように気をつけましょう。

元気がなかったり下痢をしたら、出来るだけ早く病院へ行き検査をしてあげましょう。
人に感染することはありませんが、犬同士や猫に感染する病気です。
多頭飼いの場合は十分に気をつけてあげて下さいね。