ワンちゃんと新型コロナウィルス、効果的な対策

新型コロナウィルス。
なんだか悪い夢でも見ているかのような、パニックホラームービーのような欧米での爆発的新型コロナ感染のニュースを日々目にし、日本でもあのようになるのは時間の問題…なんて、日々戦々恐々としていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。

ワンちゃんのいらっしゃるご家庭では、「人間からペットに感染するケースもあるのだろうな」など、ペットの心配もしなくてはなりませんし、パンデミックに備えることも頭の隅に置いておかなければなりませんよね。

ということで、ここでは主にワンちゃんを新型コロナウィルスに感染させないための効果的な対策に焦点を絞って、ご紹介します。

新型コロナウィルスについて、基本情報のおさらい

新型コロナウィルスの存在が大きく取り上げられたことで、「コロナウィルス」というウィルス感染症について初めて意識された方もいらっしゃるかもしれませんね。

実はコロナウイルスはもともとあるウィルスで、人間の間で感染が確認されているコロナウィルスは6種類くらいあります。

症状が重くなるものから軽めのものまで存在しているんですが、普通の風邪の1割~2割弱、風邪が流行っているときの3割強はコロナウィルスによるものなのです。

案外身近なコロナウィルスで、感染すると一般的に発熱、上気道症状が確認されます。
現在問題になっている新型コロナウイルス感染症は、飛沫感染と接触感染といわれていますが、エアゾル感染も視野に入れて考えなくてはならないようです。

始めに新型コロナウィルスが認識されたのは、2019年の11月くらいに中国の武漢ということですが、そこから数か月で爆発的に広がってしまった感染力の強いウィルスなのです。

飛沫感染とは?

飛沫感染とは、新型コロナウィルスに感染した方の咳やくしゃみ、唾などがウィルスと一緒に飛んできて、感染していなかった方に感染してしまうというものです。

飛沫感染を防ぐためには、万一自分が感染していても感染を広めるのを少しでも阻止するためにも、マスクの着用を徹底したいものです。

特に、人の集まる場所では、リスクも高くなりますので注意したいものです。

接触感染とは?

接触感染とは、新型コロナウィルスの感染者が触れたところにウィルスが付着し、その部分を非感染者が触ってしまって、手にウィルスが付いた状態で顔を触ってしまい、粘膜から感染するものです。

手にウイルスが付着してしまっていてもこまめに手洗いやアルコール消毒をすることで、ウイルスの侵入を阻止することができるので、こまめに続けることが大切ですね。

エアロゾル感染とは?

エアロゾル感染というと、同じ空間にいた人はみんな感染してしまうような響きがあって、怖いですよね。
エアロゾル感染は、空気感染とは違いますが、空気中に直径が0.001μmから100μmの粒子が浮遊しており、そのウィルスが感染力を持っているということになります。

かなり小さいので、防ぎようがないのも事実。
ただ、現在のところ(2020年3月時点)、新型コロナウィルスについてのエアロゾル感染はないということにはなっていますね。

とはいえ、「換気をする」ことも推奨されていますし、なるべく空気が密閉する状態を避けたほうが良いといえるでしょう。

ワンちゃんに新型コロナウィルスは感染するのか?

ワンちゃんのいるご家庭では、人間が新型コロナウィルスに感染した場合、ワンちゃんに感染してしまうのか、気になるところですよね。

公益社団法人日本動物病院協会(JAHA)が、「香港の犬からの新型コロナウイルス 検出に関する情報」を掲載しています。

JAHAの情報によると、獣医学の常識として犬には人間のコロナウイルスは感染しないといわれてきたそうですが、香港で2月下旬に飼い主の女性が新型コロナウィルスに感染し、その方の飼われていたポメラニアンを調べたところ、ワンちゃんの鼻と口に新型コロナウィルス感染の弱い陽性反応がみられたそうです。

新型コロナウィルスが一時的にくっついてしまったのか、と考えそうですが、その後も検査をしたところ複数回に渡り弱陽性反応が出たそうで、香港漁農自然護理署(AFCD)はワンちゃんが「低レベルの感染」をしていると結論づけたそうです。

ワンチャン自体は、新型コロナウイルス感染の症状を全く見せていなかったそうですが、2週間の隔離措置をとられたとのこと。

ところが、いったん回復して元気になったワンちゃんでしたが、その後のニュースでそのワンちゃんが亡くなったということでした。

老犬だったためか、体力的に厳しいものがあったのかもしれません。
香港の政府はペットがウイルスを媒介するというデータはないとの認識を示しているようですが、何とも言えませんよね。

ワンちゃんのためにも、飼い主さんが新型コロナウィルスに感染することがないよう徹底した対策が大切になってくるわけなのです。

万が一飼い主さんが新型コロナウィルスに感染してしまったらどうする?

万が一ですが、飼い主さんが新型コロナウィルスに感染してしまったら、ワンちゃんに対してどう対応してあげるべきなのでしょうか?

まずは、お家の中でワンちゃんと飼い主さんが同じ室内にいるのはリスクがあると考えてよいでしょう。

ワンちゃんは飼い主さんと一緒にいたいと思うかもしれませんが、飼い主さんの症状が軽度だったにしても、なるべく近くにいないのがベストですね。

部屋を1室開けて、ワンちゃん専用のお部屋にしましょう。
できれば、ワンちゃんは知人や家族に預けたほうがよいですね。

さらに、お世話をしてくれる方がワンちゃんを介して新型コロナウィルスに感染しないように、預ける際にはシャンプーなどをしてもらって、その際にもマスクやグローブを付けてお世話し、念入りに手洗いするなどをお願いするとよいでしょう。

ワンちゃんが新型コロナウィルスに感染した可能性がある場合

例えば、どなたかに預けていたワンちゃんを引き取りに行ったら、預けていた方が新型コロナウィルスに陽性反応が出てしまった場合、どう対処するべきなのでしょうか?

現時点では、動物病院に「感染したかも」と連れて行っても対応はできませんので、感染の心配がある場合にはかわいそうですがワンちゃんはお部屋で隔離しましょう。

飼い主さんが新型コロナウィルスに感染したケースと同様、一部屋はワンちゃん用のお部屋として開けます。

窓の換気はずっと行った状態でよいと思います!

ワンちゃんに接するときは、できれば使い捨ての手袋、マスク、ゴーグルなどをつけて接し(食事などを与える場合)、一回ごとにゴミ袋に捨てるようにしましょう。

ゴーグルは捨てられないので、アルコールで消毒します。
もちろん、散歩はNG、人混みに連れて行くのもNGです!

万が一ワンちゃんの体調が悪くなった場合は、動物病院や保健所に相談してみましょう。

ワンちゃんが新型コロナウィルスにかからないようにするために

ワンちゃんが新型コロナウィルスにかかってしまうことは、飼い主さんが新型コロナウィルスにかからなければ、まず大丈夫と考えてもよいでしょう。

ただし、新型コロナウィルスが蔓延している現在では、ワンちゃんも人間同様に外出を避けたり、外に出るとしても家の周りだけにするなど、他のワンちゃんとの接触は避けましょう。

飼い主さんは、外出時は必ずマスクを着用し、こまめな手洗い・うがい、アルコール消毒を徹底しましょう。

人混みは避け、どうしても仕事などで電車に乗る際には、つり革につかまらないようにすることや、使い捨て手袋をして出かけるのもお勧めです。

スマートフォンなどもこまめに除菌し、ワンちゃんと触れ合う前には必ず手洗いをしておくようにしたいものですね。

終わりに

2020年3月27日現在では、ベルギーで飼い主の女性が新型コロナウィルスに感染し、その女性からペットのネコに新型コロナウィルスが感染してしまったといったニュースもありました。(AFP通信)

香港同様、ベルギーでもそれについては特殊なケースという扱いにしていますが、やはり気を付けることは大切ですね。

ちなみにこの猫ちゃんは、飼い主さんに新型コロナウィルスの症状が出て1週間後くらいに、下痢、呼吸困難といった症状が発症したのだそう。

ワンちゃんで症状が発症しなかったのは、もしかしたらワンちゃんが軽傷だっただけで、他のワンちゃんが感染したら症状が発症することもあるかもしれません。

また、動物から人への新型コロナウィルス感染のリスクは極めて低いということになっていますが、注意するのに越したことはないですね。

また、ワンちゃんの嗅覚を使って新型コロナウィルスの感知ができないかという研究が始まっているようです。

イギリス、ロンドンの共同通信社の記事では、新型コロナウィルスに感染した方のサンプルなどを嗅がせて、ワンちゃんが病気を見分けることができないか英慈善団体とイギリスのロンドン大学衛星熱帯医学大学院が共同研究すると発表したそう。

マラリア感知の研究事例もあるそうで、新型コロナウイルスにを見抜く能力を6週間でつくことができるよう、訓練が始まったそう。

それによって感染しないのかというのが、ワンちゃん好きな方の心配でもありますが、空港などでの水際対策でコロナをワンちゃんが見抜くことができたら、感染拡大を阻止できるかもしれませんね。

私たち飼い主がワンちゃんのためにできることは、「新型コロナウィルスには絶対感染しない」こと、そのための手洗い・うがい・アルコール除菌をこまめに行い徹底し、さらにマスクを使って身を守ること、人混みを避け、ワンちゃんとともに室内で楽しく過ごすことでしょう!

室内では、換気も徹底してくださいね。
逆に今回の新型コロナウィルスの外出自粛で、ワンちゃんとの絆が深くなることもあるかもしれませんね。