愛犬に乳製品は与えてもいいのでしょうか？
良くない、とも聞くし、良い、とも聞きますね。
良いものと悪いものがあるということは、愛犬にはどんな乳製品を与えることが良いのでしょうか？

乳製品を与えてもいいのか？

乳製品自体に、愛犬にとって有毒な成分が含まれているわけではありません。
乳製品には乳糖と呼ばれる糖類の一つが含まれています。

この乳糖を、愛犬達のほとんどが乳糖不耐症で上手く消化できないためお腹を壊す原因となります。

また、乳製品は食物アレルギーの誘因の原因の一つでもあります。
多量に与えることは避けましょう

乳糖不耐症

乳糖不耐症とは、乳糖（ラクトース）の消化酵素のタクターゼを消化できないことで、消化器に生じる諸症状です。

ラクターゼの活性が低いと乳糖を含んだものを摂取する等乳糖を十分に分解できない為、乳糖を吸収することがでず、腸内に乳糖が残ってしまい乳糖不耐症の諸症状、消化不良や下痢などの症状を起こします。

乳糖不耐症を調べるには

乳糖への耐性は個体差が大きく、牛乳を飲んでも全く平気な子もいれば、人なめしただけでお腹を壊す子もいます。

愛犬が乳糖不耐症かを調べるには食べさせてみないことには分かりません。
乳製品を与えた後、通常１２時間以内に下記の症状が現れた場合は、乳糖不耐症の可能性があります。

・下痢
・お腹のぐるぐる音
・鼓腸（腸内にガスが充満してお腹が膨れる）
・しぶり
・震えや痛み

牛乳

　私達にとっても最も身近でつい与えてしまいたくなる牛乳ですが、これは与えてはいけない乳製品です。

牛乳には乳糖が含まれており、愛犬達のほとんどが乳糖を分解・吸収ができません。
下痢をして苦しい思いをしてしまいますので、牛乳は避けましょう。

栄養は豊富ですが、他の食品から摂取ができる栄養ばかりです。
脂肪分も多く含まれるので、あえて与える必要はありません。

チーズ

乳糖がほとんど含まれていないチーズは、比較的安全に食べられる与えてもいい食品です。

ただし、人用のチーズには塩分が多く脂肪も高いものが多いです。
モッツァレラチーズやカッテージチーズは脂肪も塩分も少なく乳糖もほとんど入っていないため安心です。

熟成されたチーズは乳糖はほとんど含まれていませんが、塩分が多く使われていますのでお勧めできません。

チーズは栄養価が高くたんぱく質やカルシウム、ビタミンAや必須脂肪酸などが含まれています。

ただし、乳製品にアレルギーのある子や重症の乳糖不耐症の場合は絶対に与えないようにしましょう。

ヨーグルト

愛犬のお腹にも善玉菌や悪玉菌が存在しています。腸内環境が良ければ善玉菌が増え、悪ければ悪玉菌が増えるのは、人も犬も同じです。

ヨーグルトは腸内環境を整え、善玉菌を増やす働きがあります。
牛乳よりも乳糖は少ないため、比較的下痢を起こしにくい食品です。

ですが、体質によっては少量のヨーグルトでも下痢をしてしまう子もいますので、最初は少なめに与えてみましょう。

冷蔵庫から出してすぐの冷えたものよりも、常温に戻したものを与える方がお腹を壊しにくくなります。

ヤギミルク

アレルギーを起こしにくく乳糖も少ないヤギミルクは、愛犬に与える乳製品として人気があります。

消化がしやすく、お腹も壊しにくい栄養ドリンクです。
カルシウムやカリウムの含有が多い半面、葉酸やビタミンB12等が低くなっています。

ほとんどの愛犬の健康を害することなく、高い栄養が含まれています。

与えすぎるのは肥満やおう吐の原因となるので、夏場の食欲不振時やフードのトッピングなどで利用すると良いですね。

アーモンドミルク

アーモンドミルクは最近人ブームになっていますが、愛犬にも少量与えることは問題ありません。
アーモンドをすりつぶして水と混ぜていますので、カロリーが低くコレステロールがゼロ。

食物繊維やビタミンが豊富です。

愛犬に与える際は、塩分、糖分、そして人工甘味料が入っていないことをよく確認しましょう。

人工甘味料の中には犬には毒となるキシリトールが含まれていることがあります。

キシリトールは愛犬を死に至らせることも有りますので、含まれていないことをしっかりと確認しておきましょう。

バター

良い香りのするバターですが、愛犬には必要ありません。
乳糖、脂肪、塩分、全てが多く含まれています。

少し食べたからと言って大きな問題になることはありませんが、あえて与える必要のない食品です。

アレルギーへの心配もありますので、健康上のメリットは特にありません。

番外 豆乳

豆乳は乳製品ではありませんが、牛乳の代替品の一つです。

栄養価も高くダイエットにも重宝されますが、大豆たんぱく質イソフラボンは大量摂取すると下痢や吐き戻しの原因となります。

アレルギーの原因物質でも有りますので、大量に与えることは避け、少量を様子を見ながら与えるようにしましょう。

飲みやすい調整豆乳は砂糖や塩分が含まれますので、無調整豆乳にしましょう。

最後に

自分の体で分解できないにもかかわらず、愛犬達はチーズやミルクといった乳製品が大好きです。

ついつい、ウキウキの目でおねだりされたらあげたくなってしまいますね。

与える際には量や成分に十分注意しながら、与えるようにしましょう。

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