映画でもおなじみ!ダルメシアンの魅力とお迎えする前に知っておきたい事

白黒のブチが特徴的で、一度見たら忘れない個性派犬、ダルメシアン。
アニメや映画のイメージとは実際は違うところがあるのでしょうか?
大きさや飼い方のヒントなど、お伝えしていきます。

ダルメシアンとは?

ダルメシアンの歴史は古く、14世紀ごろからダルメシアンらしき犬の記録が残っていたり、16世紀にはモチーフにした美術品が、18世紀には書物の中に登場するなどし、記録が残されています。

原産はクロアチアのダルメシア地方で、そこから名づけられています。
ですが、実はダルメシアンがいつからどこに存在していたのかは定かではありません。

ダルメシアンはかつて旅の商人と一緒に各地を回っていたようで、その姿が広い範囲で記録に残っているようです。
体力があるダルメシアンは馬と一緒に荷物の護衛をし、世界を旅していたようです。
番犬や猟犬としても優秀で、人間のそばで役割を持って暮らしていました。
世界を旅しながら様々な役割を持って使役していたため、出自や成り立ちが分からなくなってしまったようです。

原産地は不明のままでしたが、19世紀の後半ごろにイギリスで犬種として定められると、たちまちその美しい外見からイギリスをはじめヨーロッパ各地で貴族や富裕層の犬として人気が高まりました。
20世紀になると自動車の普及で馬車の伴走犬としてのダルメシアンの仕事がなくなり、人気は下がっていきました。
その後、アニメ映画のヒットでブームになりましたが、ダルメシアン特有の障害などで飼育が難しい子が多くいたため手放され、一時的なブームとして終わってしまいました。
アメリカでは映画以前から消防署のマスコットとして飼われているため、ダルメシアンといえば消防署と言われるほどイメージが定着しているようです。

ダルメシアンの大きさは?

ダルメシアンは、オスが体重27~32kg、体高56~61cm、メスが体重24~29kg、体高54~59kgの大型犬です。
大型犬の中では比較的小さいため、中型犬に分類される国もあります。

ダルメシアンの性格は?

飼い主のことが大好きで、一途で陽気な性格です。
半面、人見知りしがちで初対面の相手にはうまく甘えずに距離を取りがちです。
本来は陽気でフレンドリーなので、初対面の人に対しては飼い主さんがうまく管理してあげましょう。

頑固で譲らない部分もあります。

また、ダルメシアンは笑顔を見せることでも知られています。
大好きな飼い主といることでにっこりと笑っている表情を見せてくれます。

ダルメシアンの体質は?

白地に無数の斑点という独特の毛並み、垂れ耳で短い毛におおわれ筋肉質です。

シングルコートですが抜け毛は多めのため、抜け毛対策や艶やかな被毛のためにはブラッシングを行いましょう。

寒さにはあまり強くありません。

生まれたときは白一色ですが、生後2週間ごろから徐々に斑点が出てきます。
ブラックとブラウンが標準です。

ほかにもブルーやブリンドル、トライカラーやオレンジなどが生まれることがありますが、スタンダードとしては認められてはいません。

ダルメシアンのかかりやすい病気や寿命は?

ダルメシアンの平均寿命は10歳~13歳と言われます。

ダルメシアンの代表的な病気が、先天性の聴覚障害です。
アメリカの調査によりますと全体の20%が片耳または両耳が聞こえないというデータがあります。

これは白の毛色の遺伝子により起こる現象で、斑点の色や、性別に関係なく起こります。
色素の薄いブルーアイやオッドアイの個体には非常に起こりやすく、パッチと呼ばれる斑点の面積が大きな個体は起こりにくいという特徴があります。

かつて無理な繁殖を行ったせいか、純血種の中でダルメシアンがもっとも聴覚障害が起きやすいとされています。

また、ダルメシアンはなぜか犬の中で唯一、尿酸の代謝ができない犬種です。
尿酸は結石の原因となりますので、痛風や尿路結石を起こしやすくなります。
フードに気を付けたり水分をしっかりと取らせるようにしましょう。

水分補給のために手作りのフードにする飼い主さまも多いようです。
皮膚炎もかかりやすいので、ケアをしっかりしてあげましょう。

ダルメシアンのしつけは難しい?

フレンドリーで使役犬として活躍してきたダルメシアンですが、あまり飼い主に褒められたいという気持ちが強くないため、怒ったり威圧的なしつけは向いていません。

褒めて伸ばすことも大切ですが、ゲームや遊びの延長でしつけを行うことが効果的です。

かつては馬の併走犬として活躍していたことから、ほかの犬種に比べて体力もとてもありますので、体を動かしながらしつけを行うと、しつけがしやすいです。

走ることが大好きなので、散歩をしっかりと行いストレスをためないようにすることも大切です。

運動能力が高い代わりに不器用な面もあるため、ディスク競技などの器用さが必要とされるスポーツは、苦手な子も多いようです。

ダルメシアンの価格は?

子犬の平均価格は20万円台半ばが多いです。
18万円~30万円が相場で、血統や月齢によって変化が出てくるようです。
メスのほうが高くなる傾向です。

ダルメシアンにかかる費用は?

お迎えすることが決まれば気になるのは費用ですね。
大型犬ダルメシアン成犬30kgの子の場合、一日約500gの食事が必要です。
1か月の食費の目安を7.5キロ、7000円の食事で計算すると、一か月で2袋、1万4千円ほど、年間で16万円~となります。

これにトッピングをする場合やコミュニケーション用のおやつなどを与える場合は1か月3000円ほど。

予防接種やフィラリア予防、ノミダニ予防で年間3~4万円がかかります。

さらにおしっこシーツなどの消耗品年間1万~や1回のトリミングの費用1万円~、先天性の疾患に備える動物保険年間25000円~などがかかってきます。

これらにお迎え時に必要な費用、お迎え準備に必要なハウスやベッドなどを揃える必要があります。
この金額を平均寿命の間で11歳で合計すると、ザックリ320万円ほどがかかる目安になります。

しっかりと家族で相談してから、お迎えするようにしたいですね。

最後に

明るく陽気で遊びが大好きなダルメシアンは、アクティブな家庭にピッタリです。
その反面聴覚障害を持つことが多いため、それを理解したうえでお迎えする必要があります。

必ずしも発症するといったことはありませんが、その可能性があるということをしっかりと話し合ったうえで、家族にお迎えしてください。

いちど家族になれば、明るい笑顔でおうちの中を明るくしてくれることでしょう。