ラブラドールやゴールデンと同じレトリバー種のフラットコーテッド・レトリバー。同じレトリバーでもそのルーツは違っていることをご存じですか?
目次
フラットコーテッド・レトリバーとは?
レトリバー種の中では細身で、直毛が美しい大型犬です。
フラッティの愛称で親しまれ、頭がよく訓練しやすい犬種にもかかわらず、性格はやんちゃでいくつになっても子犬のようなかわいさを見せてくれます。
原産はイギリスで1860年代にドッグショーに出てきたのが初めてです。
当初は今のような直毛ではなく巻き毛を持っていたウェービーコーテッドレトリバーであったといわれています。
そのさらに祖先は、イギリスの最古のレトリバー、カーリーコーテッドレトリバーだといわれます。
カーリーコーテッドレトリバーはのちのスタンダード・プードルの祖先の一頭ともなったともいわれており、今も希少犬種としてイギリスに存在しています。
ウェービーコーテッドレトリバーは改良によって当初の巻き毛が徐々に直毛になり、そこからフラットコーテッド・レトリバーとなりました。
サラサラの直毛が優雅であったこと、頭の良さと愛嬌でフラッティはどんどんと人気を博していきました。
第二次世界大戦のころは犬種を維持することが難しくなるほど頭数が減ってしまいましたが、終戦後またフラッティを愛する人たちの手により飼育されるようになりました。
フラットコーテッド・レトリバーの大きさは?
フラットコーテッド・レトリバー大型犬に分類されます。
オスは体高58~61㎝、メスは56~59㎝とされ、オスの方が少し大きく27kg~36kg、メスは25~31㎏とされています。
フラットコーテッド・レトリバーの性格は?
とてもフレンドリーで明るく、成犬になっても子犬のようにやんちゃです。
いつでも機嫌がよくはしゃぎまわったりもしますが、攻撃的にはなりません。
飼い主や周りの人を良く見て観察しています。
愛想も良いので元気よく尻尾を振り遊びに誘います。
他の犬や人が大好きで、どんな相手でも仲良く歓迎してしまうので、番犬には向かないタイプのフレンドリーさです。
遊びが好きでレトリバー種の中で猟犬としての能力が高く、スポーツなどのアジリティにも強い犬種です。
フラットコーテッド・レトリバーの体質は?
被毛は長毛のダブルコートで、カラーはブラックかレバーの2色です。
毛色による性格の違いはありません。
他のレトリバー種よりも胸や腰は細身ですが、しっかりと筋肉は付いています。
そのため、より優雅に軽やかに歩きます。
垂れ耳でアーモンド形の瞳が、サラサラのストレートヘアが特徴です。
フラットコーテッド・レトリバーのお手入れは?
長毛のダブルコートのため抜け毛が多く、こまめなブラッシングが必要です。
艶やかな被毛を守るためにも、またスキンシップのためにも定期的なお手入れをしてあげましょう。
フラットコーテッド・レトリバーのかかりやすい病気や寿命は?
フラットコーテッド・レトリバーの平均寿命は10~12年。
一般的な大型犬と同じくらいの寿命です。
遺伝性疾患が出やすい事があり、股関節形成不全、皮膚疾患には注意が必要です。
近年では減ってきていますが股関節形成不全についてはレトリバー種で多発しやすくなっています。
症状においても個体差があり、日常生活に支障をきたさない子もいれば歩行困難に至る子もいますので、子犬のころから良く運動し、筋肉をしっかりとつけて進行を抑えるようにしましょう。
遺伝的に生後数カ月で発症することもありますので、早期発見のために歩き方や座り方などをよく観察することが大切になってきます。
運動が大好きですが、ジャンプなど関節に負担のかかる競技は注意が必要です。
また、レトリバー種は悪性腫瘍(がん)にもかかりやすく、中年齢以上になると発生することがほとんどだといわれています。
食事や医療の発達で犬たちも高齢化が進み、それに伴い癌が発症しやすくなっているようです。
小さな出来物などを見逃さず、定期的に動物病院を受診しましょう。
フラットコーテッド・レトリバーのしつけは難しい?
フラットコーテッド・レトリバーは元気いっぱいで頭が良く、フレンドリーで飼い主の言う事を良く聞くためしつけのしやすい犬種です。
ですが、陽気な性格すぎて褒められるとうれしすぎて興奮のあまり飛びかかってしまうこともありますので落ち着かせるしつけが大切になります。
特にお年寄りや小さなお子さまがいるご家庭ではしっかりと落ち着くトレーニングをしておきましょう。
運動が大好きなのでたっぷりの運動とアジリティなどで体を動かしてあげ、褒めてしつけてあげましょう。
フラットコーテッド・レトリバーの価格は?
フラットコーテッド・レトリバーの平均価格は20~30万円です。
カラーによる差はあまりありませんが、雌雄での差が若干あります。
フラットコーテッド・レトリバーにかかる費用は?
フラットコーテッド・レトリバーの生涯費用を概算で計算してみましょう。
7.5kg入り7,000円の食事で考えてみます。
体重28kgだった場合、一日に必要な食事量は約450g、一袋で16日なので、1か月で約2袋、一年間で24袋168,000円ほどです。
これにおやつやトッピング、ペットシーツなどの日用品が50,000円/年ほどとして、フィラリアや予防接種、狂犬病の注射代など予防費が40,000円ほど。
病気やケガに備えたペット保険が2,500円~ほどですので年間で30,000円、平均寿命11年で計算すると約33万円~です。
これらの金額に購入時の初期費用と平均寿命の10~12歳の真ん中で11年と考え計算すると、フラットコーテッド・レトリバー1頭にかかる生涯費用は290万円~が最低でも必要となります。
フラットコーテッド・レトリバーには、たっぷりの運動も必要ですので、毎日お散歩に行けることと、ゆったりと暮らせるスペースも必要です。
お迎えする前には家族と話し合い、きちんと計画を立てておく必要がありますね。
最後に
陽気でフレンドリーなフラットコーテッド・レトリバー。
永遠の子どものようなそのしぐさや表情に、一度触れれば虜になってしまいます。
明るく陽気で元気いっぱいですので、大型犬をお迎えしたい家庭なら、必ず素敵な家族の一員になれますよ。