老犬の夏の過ごし方

日本の、湿気を帯びたムシムシとした暑い夏!
どんなに汗を拭っても、体の奥から噴き出すように出てくるし、1日職場で過ごすのにペットボトルの水1本では足りない…そんな日もありますよね。
そんなうだるような暑さは、ワンちゃんたちにとっても厳しい暑さなのです。
特にそれが、老犬であればなおさらです!

ここでは、老犬が快適に過ごすためにはどうしたらいいのか…、夏に注意すべきことなども含め、夏の過ごし方について見て行ってみましょう。

老犬って何歳から老犬なの!?

うちの子、とても「シニア層」には見えない!
「老犬って、ヨロヨロ歩くようになってからでしょ…」
なんて、なぜか自分の愛するワンちゃんが「老犬」の年齢になってきたことを否定してしまう飼い主さんが多くいらっしゃるのです。

けれど、老犬の域に足を踏み入れていたら…、どんなにかわいらしくても、やはり現実から目をそらさずに、それなりの環境を整えてあげることが必要になってくるのです。

人間のように話すことができないワンちゃんの場合は、飼い主さんがしっかり様子を観察してあげることが大切になってきます。

それでは、何歳からがシニア層に入るのでしょうか?

一般的に知られているのは、犬は初めの1年で17歳に成長し、そのあと1年で4歳ずつ年をとっていく…、という年の取り方ではないでしょうか。

ところが最近では、ワンちゃんの犬種や大きさなどによって、年を取るスピードも違うといわれるようになってきているのです。

どちらかというと、大型犬のほうが小型犬や中型犬よりも年を取るスピードが早い傾向にあるのです。
例えば、小型犬の場合は6歳からが40代に突入のシニア犬となり、さらに11歳からは高齢犬となるのに対し、大型犬は5歳からシニア、8歳から高齢と考えられるようです。

とはいえ、体の大きさ、遺伝、フードや散歩、運動などの飼育状況・飼育環境でも差が出てくるため、一概には言えないのが難しいところです。

老犬になったら気を付けてあげるべきこととは?

老犬になってくると、お肌にも毛並みにも「老化」が現れてきます。
さらに歯周病や、視力が落ちる、聴力が落ちるといった老化のほか、散歩に喜んで行きたがらなくなる、寝てばかりになる、頻尿になる…といった老化が見られてきます。

飼い主さんとしては、老化は治すことはできないので、これ以上老化が進まないように願いつつ、少しでもワンちゃんにとって快適な環境を整えてあげて、いろいろなところを気遣ってあげることがポイントです。

老犬の夏の対処法とは?

実際に愛犬が老犬になった時…、夏はどのように工夫してあげれば、快適に過ごせるのでしょうか。

人間も同じですが、年を取ってくると体温を調節する機能がうまく働かなくなってきます。
そのため、夏は外の暑さのせいで体温まで上がってしまい、なかなか元の状態に回復しづらくなってきます。

老犬が陥りやすい熱中症や脱水症状には、特に注意してあげてください。
また、お外に散歩に出かけたら息が荒く、ぐったりしている様子になってしまった…、そんな時はすぐに体を冷やしてあげましょう。

それでも心配な様子が見られたら、迷わず病院を受診してください!

特に老犬は1年1年、弱っていきます。
ワンちゃんのいる部屋は、夏の間クーラーの設定温度が高すぎないか、または逆に低すぎないかなど、様子を見ながら温度調節をしてあげてください。

エアコンの活用

暑い夏、クールビズなんてことをやっているお家もあるかもしれませんが、老犬のいるお家ではクールビズよりも、ワンちゃんにやさしい環境を心掛けてあげてください。

ワンちゃんのためのエアコンの温度は、どのくらいの温度がよいのでしょう?

ワンちゃんはもともと人間より体温が高めなので、私たち人間が「ちょっと肌寒いかな?」と思うくらいの温度が適温ということです。

特に循環器が弱っている子、暑さに弱い子には配慮してあげましょう!

また、床が冷た~くなるほどにしてしまうと、逆にお腹を壊してしまったりもするので、ワンちゃんが快適そうかどうか、見守りながら調節してくださいね。

雷対策

ワンちゃんって、雷が苦手な子が多いですよね!
夏場は雷と夕立など、ワンちゃんが不安になる苦手なものが頻繁にやってきます。

特に老犬は、不安感を強く感じる傾向があるそうです。
不安な時は、やっぱり大好きな飼い主さんのそばにいたいと思うものです。

一緒にいるだけでも安心するはずですが、それでもまだ怖がっている様子だったら、「大丈夫だよ、一緒にいるからね」など、やさしく声をかけてあげましょう。

散歩の時間帯を工夫する

散歩の時間帯は、早朝または夜がお勧めです。

「夕方でもいいのでは?」と思われるかもしれませんが、夕方でも日中照り付けた太陽の熱がアスファルトにこもっていて、暑かったりするのです。

もし夕方や夜に散歩に行く、というかたは、飼い主さんが先にアスファルトを触ってチェックしてみてもよいでしょう。

一番のお勧めは、早朝に散歩に行ってあげることです!
早朝の散歩は、ワンちゃんの足の裏にも、循環器にも優しい時間帯ですし、飼い主さんも朝の気持ちよい空気の中で散歩すれば、1日頑張るぞという気持ちになれるのではないでしょうか。

食事の工夫

暑さのせいか、食欲が落ちているような様子がワンちゃんに見られたら、ぜひ食事の工夫をしてあげてください。

食事から栄養が取れなくなると、ちょっと心配ですよね。
夏は特に、水分・ミネラルの入ったご飯がおすすめですよ!

ぜひ、いつものフードにプラスして手作りトッピングなどで栄養満点&おいしい夏ご飯をあげてください。

スープなどを加えてあげると、さらさらと喉越しよく食べることができますし、また温かいものはおいしい匂いを発してくれるので食欲が戻ってくるきっかけにも。

食欲がなくても、散歩には連れ出して気分転換はしてあげましょう。
散歩に行くと、気分転換ができて食べようという気分になってくれるかもしれません。

ベッドの工夫

夏になると、人間でも寝苦しい夜がありますよね。
クーラーをかけて寝てしまうと、翌日体がなんとなくだるかったり、本調子でなくなってしまったり…。

睡眠がしっかりとれると元気で過ごせますが、質の良い睡眠がとれないとダメージが大きいのは人間もワンちゃんも一緒なのです。

ワンちゃんの寝床も気にかけてあげたいものです。
ぜひ、ヒンヤリする素材でできたもの、クールマットなどを取り入れてあげましょう。

さらに、ワンちゃんが好んでゴロンとする場所に寝床を持ってきてあげたら、夏でも快適にぐっすり寝ることができるかもしれません。

老犬が夏に気を付けるべき病気とは?

年を取ると、人間も循環器系にガタが来ますよね。
ワンちゃんもそうなのです。

年を取ることで機能が低下してくる臓器の一つに、「心臓」があります。
特に老犬の小型犬に見られる心臓病に、僧帽弁閉鎖不全症と呼ばれる病気があります。

僧帽弁閉鎖不全症なんて、あまり耳慣れない言葉に聞こえますが、実は心臓病全体の2/3を占めるくらい、心臓病の中ではよくある病気で、早い子は5歳あたりから症状が出てくるそうです。

散歩中に座ってしまう、興奮したりすると咳が出ている、息が吸いにくそう、食欲が落ちた、元気がない、といった症状がみられるといわれています。

小型犬の老犬がお家にいる飼い主さんは、ぜひ気にかけてあげてくださいね。

また、心臓がしっかり働くなってしまう病気、「心筋症」もよく発症する病気の一つ。
やはり、咳が出たり、疲れやすかったりといった症状が出ます。

あまり食欲が出なかったり、元気がなく、咳が出ている様子があったら、獣医さんを受診したほうが良いかもしれません。

まだ軽度のうちから治療をし、なるべく心臓への負担をなくすよう心掛けてあげることで、突然死を防ぐことができるのではないでしょうか。

老犬の熱中症対策

外出していたときに、まさかの雷でブレーカーが落ち、ワンちゃんが一匹でお留守番しているのにクーラーが消えていた…。

こんな事態になった時に恐ろしいのが、熱中症です!

窓を閉め切った室内にいたら、体温が急激に上がってしまい、体温調節機能が壊れ、そのせいで体温が上がり続けてしまうという、恐ろしい熱中症。

熱中症は、軽度で治療することがカギ。
家に帰ったらクーラーが消えていた…、そんなときはワンちゃんの様子を見てあげてください。

よだれを垂らしたまま、ハアハアと喘いでいる。
ぐったりしていて、呼びかけにもあまり返答しない…なんて時には、応急処置をして病院へ急いでください。

こういうこともありえなくはないので、真夏にお出かけするときには、ワンちゃんは部屋の中をある程度自由に動くことができ、クーラーをかけるからと部屋を閉め切るのはやめましょう!

熱中症の応急処置ってどうやるの?

熱中症にかかったワンちゃんは、一刻の猶予もありません。

病院へ行く途中に亡くなってしまう、なんてことがないように、まずは応急処置をし、そのあと病院へ行きましょう。

熱中症の様子が見られたら、すぐに涼しい部屋に入れてあげて、水が飲めそうなら飲ませましょう。

できれば、水の中に体を付けてあげて、それが無理なら濡らしたタオルで体を覆うなどして、体温を下げることができるようにしましょう。

冷やしながら救急病院を受診できれば、安心ですね。

終わりに

老犬になったワンちゃんが、夏を少しでも快適に過ごすヒントが、お分かりいただけましたか?

「いやいや、うちの子はまだ老犬ではないですから」と思っていても、実際には1年ごとに人間よりも早いスピードで年を取るワンちゃんたちですから、私たち人間がその変化に合わせてあげたいですよね。

ほんのちょっとした工夫で、年を取ったワンちゃんたちでも、元気に夏を過ごすことができるのです。

散歩の時間の工夫、フードの工夫、環境や睡眠のための工夫、病気に対する知識など、老犬と夏を過ごすからこそ気を付けたいポイントを押さえて、今年の夏は快適な夏にしてあげたいですね!





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