ワンコは人間の気持ちがわかるって本当?

私たちが何かで落ち込んでいるとき、ワンちゃんが寄り添ってくれたという経験をお持ちの方は多いのではないでしょうか?

ワンちゃんたちは、人間の気持ちが読める、人間の気持ちがわかるといわれていますが、いろいろなリサーチからどうしてワンちゃんは人間の気持ちを読むことができるといわれているのかが浮かび上がってきました。

ここでは、ワンちゃんは人間の気持ちがわかるというのは本当なのか、どうして気持ちがわかるのか、その理由をいっしょに探ってみましょう!

ワンちゃんは人間の心情を感じ取ることができる?

皆さんご存知の通りワンちゃんたちは飼い主の気持ちを感じ取ることができるといわれています。

どうしてそのように言われるようになったのでしょうか?
ワンちゃんたちには、隠された能力があるのでしょうか?

ここでは、ワンちゃんがとる行動から「人間の気持ちがわかるといわれる理由」について分析してみましょう。

飼い主さんが怒っているときに見せるワンちゃんの行動

飼い主さんがイライラしているとき、ワンちゃんも何となく落ち着かない雰囲気になっていることに気づいたことはありませんか?

家族の誰かがケンカをしているときや、なんとなくイライラしているとき、ワンちゃんは静かにしているか、逆に吠えたりイライラしている様子を見せるときがあります。

これは、飼い主さんの行動や雰囲気から、怒りの気持ちを読み取っているからといえるでしょう。

落ち込んでいるときになぜか寄り添ってくれる

失恋や何かを失敗するなどして落ち込んでしまったとき、何も言わずにただぴったりと寄り添って、心配そうな顔で見てくれるワンちゃんに元気づけられた人もいるのではないでしょうか。

それも、ワンちゃんが飼い主の心で起きていることを感じ取っているからなのです。

ちょっとした表情、ため息、暗い雰囲気からワンちゃんは飼い主さんがいつもと違うと感じ取り、心配になったり不安になったりするのです。

わんちゃんは飼い主さんがうれしい気持ち、楽しい気持ちのときは、ワンちゃんも自然とうれしい気持ちになり、悲しい気持ち、怒っているときは同じようにネガティブな気持ちになってしまうのです。

病気のときも、心配して寄り添ってくれるので、「自分は元気!」と思っていてもなぜかワンちゃんが寄り添ってくるときは、健康診断を受けるべきかもしれませんよ。

新聞を読んでいると邪魔してくるのは

例えば私たちが、雑誌や新聞を読んでいるとき、ワンちゃんが邪魔して本の上に乗ってくるなんてことはありませんか?

あれも、「飼い主さんは自分以外のものに夢中になっている」と感じ取って、甘えたくなってつい邪魔をしてしまうのです。

飼い主さんが口数少なく、何かをじっと見ている姿から判断しているのではないでしょうか。

恋人との仲を邪魔するのも気持ちがわかるからこそ?

家に飼い主さんのお友達や彼氏・彼女が遊びに来たとします。

その際、飼い主さんの友達や彼氏・彼女が飼い主さんの隣に座ると、真ん中に入ってくるワンちゃんもいるかと思います。

これも、飼い主さんが自分以外に夢中になっているのを感じ取っているからなのです。

さらに警戒心をもって、「知らない人から飼い主さんを守らないと!万が一の時は戦おう!」と、飼い主さんを守ろうと思ってくれているとも取れますね!

仕事や学校のお休みの日がわかる!

いつもは「散歩につれていけ!散歩いく!」ワンワンとうるさいのに、休みの日はおとなしく待っていてくれる、又は、いつも散歩とうるさくないのに、休みの日はクンクンうるさいなど、なぜかワンちゃんにはお休みがばれていると感じている飼い主さんはいらっしゃいませんか?

実はワンちゃんたちは、飼い主さんの「お休みモード」まで感じ取ることができるのです。

そのため、「今日はお仕事なんだよ~、バイバーイ!」と、休日なのに仕事に行くふりをして出かけたとしても、ワンちゃんたちにはお見通しの場合が多いのです!

お休みの日は、散歩を長めにするなど、おまけしてあげましょう♪

ワンちゃんは飼い主さんの他人に対する気持ちまで感じ取る?

最近、マルセイユ大学のシャーロット・ドゥラントン(Charlotte Duranton)博士がワンちゃんの気持ちについて研究した結果を、発表していました。

その研究というのは、飼い主さんが他の人間に対してどう感じているのかを、飼い主さんのリアクションによって感じ取ることができるかというものです。

ドゥラントン博士が「Animal Behaviour(動物行動学)」で発表した研究内容によると、飼い主さんの他社に対する行動によって、ワンちゃんたちはフレンドリーに

接すべき人間なのか、威嚇すべきなのかを分けているのだそう。

ちなみに、男の子のワンちゃんのほうが女の子のワンちゃんよりも飼い主さんをよく観察し、行動に移す傾向があるのだとか。

犬種や個体差もありますが、ワンちゃんが人間のちょっとした行動から感情を読み取り、それに合わせて行動しているのは間違いないといえるでしょう!

飼い主さんたちはどうやってワンコの気持ちを読み取ることができるのか?

飼い主さんたちも、ワンちゃんたちの気持ちをワンちゃんの行動から読み取ることは可能なのです。

例えば、散歩に行きたいときに散歩のヒモを持ってくる子もいるでしょう。

ご飯の時間が近くなると、自分のご飯のお皿を壁にぶつけて鳴らして知らせてくれる子もいますし、遊ぼうと枝を拾って持ってくる子もいますよね。

そんな風に、飼い主さんもワンちゃんの行動から気持ちを読み取ってあげましょう!

ワンちゃんの出すシグナルの種類

ワンちゃんは、飼い主さんにシグナルを発して自分の気持ちを知らせるようにしているのです。

それを、カーミング・シグナルと呼びますが、カーミング・シグナルに飼い主さんが気づけないと、信頼関係も今一つになってしまいます。

ぜひ、ワンちゃんのカーミング・シグナルに気を付けてみてあげてください!

よくあるカーミング・シグナル

ワンちゃんが良くやるカーミング・シグナルをみていってみましょう。

●お腹を見せる
飼い主さんがワンちゃんの不適切行為に注意をしようと怒った顔をしたときや、ふざけて遊ぼうとするときにお腹を見せてくれることはないですか?

皆さんご存知の通り、これは「私はあなたを信頼しています、敵意はありません」と知らせている行動ですね。

●目をそらす
飼い主さんが怒っているときに目を見ようとすると、目をそらすことがありませんか?

それは、ワンちゃんがストレスを感じていることを示しています。
追い詰めないで、見守ってあげましょう。

●鼻をなめる
飼い主さんの顔や鼻をなめるのは、「あなたを信頼しています」の証拠です!

●あくび
ワンちゃんがストレスを感じているときにすることがあります。

怒られているときにあくびをするのは、反抗的な態度ではなく「そんなに怒らないでくださいよ~」という気持ちの表れともいわれています。

怒っているときにあくびをしたら、そこらへんで切り上げてあげましょう!

●そっぽを向く
怒っているときにそっぽを向かれると「こら!ちゃんと聞いてるのっ!」と言いたくなってしまいますが、実は怒っているときにそっぽを向くのは「もうわかったの

で、そろそろ怒るのはやめてください」と思っているのだとか。

怒っているときあくびやそっぽを向く行為が出たら、もう怒るのはおしまいにしてあげましょう。

●噛んでしまった個所を舐めてくる
噛んでしまった後に、噛んだ場所を舐めてくる行為は「今度はただじゃすまさないぞ!」という強い気持ちの表れでワンちゃんのほうが自分は上だと思ってしまって

いる行為だといわれています。

気を付けなくてはならないシグナルですね!

●お尻を上げて状態は低くする
遊びたいとき、また自分はあなたを信頼していますと表現してくれているのです。

●何もないのに体をかく
なんでもない時に体をかくのは、つまらないと感じていることがあります。

●お手をしてくる
「お手」といわないのにお手をしてくるのは、「構ってほしい!」「自分だけを見てほしい!」という気持ちのときがあるようです。

●前足で顔をかく
「もっと遊んでよ!」「もっと自分を見てよ!」の気持ちが表れているのが、前足をかく行為といわれています。

顔がかゆいわけではないそうなので、この行動が見られたら一緒にふざけてあげたりと構ってあげるようにしましょう。

●顎をのせてくる
飼い主さんが座っていると、横に来てアゴをちょこんとのせてきたり、寝転がっていると腕枕のようにアゴを載せてくる子もいますよね。

私はあなたを信頼しています、甘えさせてください、といった気持ちの表れと考えられます!

おわりに

いかがでしたか?

ワンちゃんが「人間の気持ちがわかる」といわれるのはどうしてか、お分かりいただけたでしょうか?

ワンちゃんたちは私たちが思う以上に、日々飼い主さんの様子を観察しているのです。
ワンちゃんにとっては大切な家族だからこそ、飼い主さんを理解したいと思っているのです。

そのため、「人間の気持ちがわかっているのでは!」といわれるほど、飼い主さんの気持ちの動きにも敏感なのですね!

そして人間が気づかないくらいの小さな変化も見逃さず、そこからシグナルを感じ取っているのです。
私たちの喜び、悲しみ、怒り、絶望、すべて感じ取って、ワンちゃんもうれしくなったり、不穏になってしまったりするのです。

もしイライラしてしまっているときなどは、ワンちゃんに会う前に気分転換をするか、ワンちゃんに「心配しなくても大丈夫だよ」と一声かけてあげましょう。

さらに私たち人間も、ぜひワンちゃんの気持ちにもっと敏感になって、ワンちゃんの出すシグナルを適切に読み取り、さらに強い信頼関係を築きたいものです。