犬のうつ病を知る
メンタルの病は人間だけの病気だと考えていないでしょうか。
実は人間以外に、犬もうつ病になることがあります。
普段は活発に駆け回っている愛犬の元気がないときは、発症のサインが出ているかもしれません。
人間であれば精神科医などの専門家がカウンセリングすることで、発症しているのか判断できます。
また家族や友人が話してみるだけでも、普段と違う兆候に気付くことも少なくありません。
つまり専門家であれ家族であれ、発症を見極めるには会話をしてみることがポイントになります。
しかし相手が愛犬となると、そのような単純な問題ではなくなります。
当然ですが会話ができないので、心の内を正確に知るのは難しいです。
動物の感情を読み取るような研究もされていますが、まだ精度は不十分ですし普及もしていません。
そのため元気がなくて動物病院に連れて行っても、メンタル面の診断をするのは難しい状況が続いています。
そこで重要になるのが、犬のうつ病がどのような原因で発症するのかを知っておくことです。
そうすれば愛犬に異変があったときに、該当するケースがないかチェックできます。
もし当てはまるものがあれば、うつ病と判断して早急に対処を始められるメリットがあります。
ストレスの蓄積はうつ病の原因
犬がうつ病を発症してしまう主な原因は、人間が発症する原因とよく似ています。
孤独感やストレスといった精神的な負荷が蓄積していきやすいものが原因になりやすいです。
例えば飼い主が外出している時間が長くて、留守番をさせることが多い場合は要注意です。
犬は飼い主と長い間離れていると、孤独を強く感じるようになります。
なぜなら犬は本来集団行動をする生き物だからです。
野生の犬はコミュニティを作って、上下関係を大切にしながら生活しています。
つまり1匹だけで長時間活動する機会は、あまり多くないと言うことです。
そのため本能的に孤独には慣れていなくて、飼い主に放置される時間が増えすぎると苦痛を感じてしまいます。
「番犬」という言葉があるように、犬は留守番が得意であると考えている人が多く見られます。
しかしそれは誤解の情報で、幼いころから何度も留守番をさせてしまうと、慢性的に不安な状態になりやすいです。
留守番をさせられると感じたら突然暴れるようになったり、留守中にインテリアを壊したりするようになるケースがあります。
そのような場合は、うつ病になる前兆であると認識した方が良いでしょう。
また、留守にする機会が少なくても、構ってあげる時間が少ない場合は発症しやすくなります。
犬は飼い主に遊んでもらうのが大好きです。
飼い主がトイレに行くだけでも寂しがり、遊んでもらおうとして追いかけてくることも珍しくありません。
そのため無視してあまり遊んであげないと、愛犬の中に不満が溜まっていきます。
適度にストレスを発散させていれば問題ありませんが、放っておくと最終的に発症してしまう恐れがあるので注意しなければなりません。
愛犬をモヤモヤさせない
また家庭での上下関係が明確になっていない場合も良くないです。
飼われている犬は、飼っている人間の間に上下関係を決めています。
飼い主に家族がいる場合は、全員の序列を定めているのです。
そのため、自分(犬)より下位と定めている人間が自分(犬)に従わないと腹を立ててしまいます。
飼い主は自分が愛犬より上位であると考えているでしょう。
しかし飼い主の何気ない行動が愛犬に上下関係を誤解させてしまうことがあります。
たとえば寝転がってお腹の上で愛犬を遊ばせるだけで、下位と解釈されてしまいかねません。
また人間より先に愛犬に食事をさせる場合も誤解させやすいです。
そのような上下関係の勘違いによるストレスが原因で、うつ病にになるケースも珍しくないです。
うつ病にさせないためにも愛犬との時間を大切に!
人間であっても、うつ病は簡単に治らないケースがよくあります。
ましてや犬の場合は、時間をかけても治るとは限りません。
そのため対策としては、できるだけ早く原因を取り除くことが基本となります。
留守にしがちであれば、なるべく外出を控えるようにしましょう。
難しい場合は帰宅時間を早めるなどの努力をしてください。
テレビを付けたまま外出する方法も効果が見られる可能性があります。
また愛犬が上下関係を勘違いしていそうな場合は、正しい関係を認識させることが重要です。
たとえば愛犬がソファーの上にいる場合、遠慮して他のところに座ってはいけません。
命令して立ち去らせるというように、強い態度で接し続けると認識を改めることが期待できます。
このような対策を試しても効果がないぐらい症状が進行している場合もあるでしょう。
その場合は、薬を用いて治療する方法もあります。
ただし薬は副作用の心配もあるので、服用を勧めない医師もいるかもしれません。
その場合はしっかり相談をして、別の方法で治療していく方針を決ることになります。
愛犬に辛い思いをさせないためにもメリハリをつけ、愛情もたくさん注げる環境づくりを心がけていくことが愛犬の健康維持にも繋がっていきます。
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