かわいいしぐさに見えて実はいろんな意味がある!愛犬のカーミングシグナルをわかってあげよう

愛犬のしぐさを読み取る

この子は今どんな気持ちなんだろう?
愛犬を目の前にしてそう思うことはありませんか?
しっぽを振ったり、耳を動かしたり、ペロペロ舐めたり、どれもよく見る犬のしぐさですが、実はその行動一つひとつは意味を持ち、その時の愛犬の気持ちを表しているんです。

喜んだ時はどんなしぐさをして、悲しい時はどんな様子になるのか。犬のしぐさに込められた気持ちや意味を読み解くことで、愛犬との生活がもっと楽しくなるはずです。

前足を乗せる

飼い主さんの膝などに、前足をチョンっと乗せるしぐさ。
これは、飼い主さんの注意を引きたい気持ちの表れ。何かをして欲しい時など、要求を伝えるためにするしぐさです。

撫でて欲しい、遊んで欲しいなど要求は様々ですが、甘えん坊な子が見せることが多いですね。

自分の前足を執拗になめる

愛犬が前足など、自分の体の一部分を執拗に舐め続けているのは、ストレスを感じているサインです。人間でいう、貧乏ゆすりをしたり、爪を噛んだりするのと同じ意味を持っています。

運動不足や退屈さ、飼い主さんとのコミュニケーション不足など、ストレスの原因は様々です。必要以上に舐め続けると炎症の原因にもなるので注意してあげて下さいね。

ブルブルッと身震いする

犬は体が濡れているとブルブルっと身震いして水気を飛ばします。ですが濡れてもいないのに身震いしすることって結構ありませんか?

これは「拒否」や「緊張」の気持ちを表しています。病院や爪切りや歯磨きなど、その子にとって苦手なことの前に見せるなら、それをやんわり断っているのかも。

また、しつけやトレーニングの最中に何度も身震いするようなら、それは「休憩したい!」の気持ちを意味しています。休憩をはさむなどして愛犬の集中力を復活させてあげましょう。

首をかしげる

犬のしぐさの中でも、抜群に可愛いしぐさの一つですよね。これは「音をよく聞く」ための行動です。

犬自身が気になる音が聞こえると、首をかしげて耳の位置を変えて、もう一度しっかりと聞き取ろうとしています。人が話している時に、このしぐさをよく見せる子は「話好きな犬」と言われています。

笑顔

このカーミングシグナルは3つに分けて解釈します。

まずはプレイフェイスです。
これは楽しく遊んでいる時や好きな人に会った時に見せる笑顔で、ドッグラフという息継ぎのような声を発することもあります。
プレイフェイスはポジティブな感情な時に現れます。

次に口角を引くフェイスです。
自分を不安や恐怖から落ち着かせるために行います。
相性の良くない犬同士が鉢合わせても、どちらか一方が口角を引くフェイスをすれば喧嘩を回避できます。

そして模倣フェイスです。
人間の笑顔を真似したもので、笑顔を見た人間が喜んでくれるのを犬も待っています。

犬は飼い主から注目されるのが大好きで、笑顔が可愛いと褒めてくれたり撫でてくれた経験が模倣フェイスの頻度を増やします。

頭を振る

犬がストレスを感じてそれを止めさせたがっている行動です。
飼い主は犬が可愛くてしつこく撫でてしまいがちですが、犬も気分によっては飼い主の行き過ぎた愛情が強いストレスとなります。

人間がイライラした時に貧乏ゆすりをしたりペンを回したりしてリラックスさせるのと似ています。

愛犬とのコミュニケーション中にこのようなしぐさが見られたら、すぐに止めて好きなことをさせるのが良いです。

垂れ耳の犬が頻繁に頭を振る場合、それはカーミングシグナルではなく耳の病気の可能性もあるので様子がおかしい時は病院に連れて行きます。

しっぽを高くツンと上げる

しっぽを高い位置に突き上げているのは、警戒している証拠です。初めてみる物に注目する時にしっぽをピンと上げることが多いですね。

また、自分が優位であることを示したい時にも見られる行動で、初めて会う人や他の犬などには、この体勢で立ちふさがることがあります。

人の口元や顔を舐めてくる

犬はオオカミの血を引いており、顔を舐めるのは群れで生活しているオオカミの名残とされます。

群れでは一番弱いオオカミが一番強いオオカミの顔を舐めて挨拶をします。
つまり愛犬が飼い主の顔を舐めるのは、飼い主が自分より立場が上だと認めていると考えられます。

またお腹が空いたことをアピールするカーミングシグナルでもあります。
子供のオオカミは狩りから帰ってきた母親の口周りをペロペロ舐めてエサを催促します。

室内で飼っているといつも人間がエサをくれるので、頻繁に顔を舐めてカロリーオーバーすることもあるので注意が必要です。

小心者の犬ほど顔を舐めますが、根底には飼い主が大好きという気持ちがあるので不安になる必要はありません。

伏せる

飼い主が命令していないのに伏せ始めるのは、犬が自分の気持ちを抑えようとしているサインです。

怒っている時だけでなく楽しい時も、興奮すると伏せて平静を取り戻します。
いつまでも感情を高ぶらせていると、仲の良い犬と遊んでいても途中から本気の喧嘩が始まることもあり、伏せることで感情をコントロールし争いを避けています。

勘違いしやすい愛犬のしぐさ

ここからは、人間と同じしぐさに見えても、意味がちょっと異なる犬のしぐさについてご紹介していきます。

私たちの感覚で受け取ると、ついつい意味を勘違いしてしまいがちです。
愛犬を混乱させないためにも、きちんと理解しておきたいところです。

あくび

眠いとき以外でも犬はあくびをします。緊張をほぐし自分を落ち着かせるためのしぐさなんです。

人間のあくびとは異なり不安などの強いストレスを感じたときに犬はあくびをします。

叱られている時などに愛犬があくびをするのを見たことがあるかもしれませんが、これは「ごめんよ~」「許して~」と反省している証拠。
決して挑発しているのではないので勘違いしないようにしましょう。

噛んだあとに舐める

噛み癖のあるワンちゃんに時折見られるしぐさですが、飼い主さんの手などを噛んだあとにペロペロと噛んだ部分を舐めてくることがあります。

反省してるのかな、と思ってしまいますがそれは間違い!
「わかったな?逆らったら許さないぞ」という強烈なアピールなんです。

こうなると犬は飼い主さんを下に見ているので、しつけやトレーニングで上下関係や信頼関係をしっかりと作り直す必要があります。

目をそらす

犬社会では相手の目を見つめることで、敵意を表します。そのため、争いを避けたい時や敵意を持っていないことを伝えるために、目をそらすという行動をするんです。

飼い主さんと目が合っても、すぐに目をそらすことがありますが、それも同じ理由からです。
また、嬉しい時にも目を逸らすことがあるようですね。

面白いですね!普段の何気ないしぐさでも色々な意味が含まれていて、それを理解することで愛犬との仲もより深まるでしょう。