犬の目の病気!老犬だけ気を付ければいいわけではないワケ

シニアのワンちゃんで、目が白内障のように白い膜に覆われているワンちゃん、たまに見かけますよね。
けれどあまり違和感を感じなく、「ああ、年を取っているのだから仕方ないよねえ」なんて、思ったりしちゃいませんか?
または、涙の流れたような跡が茶色く残っている子を見ても、「あらら、拭いてあげないと」くらいにしか感じなかったりしますよね。

ワンちゃんもシニアになると、年齢それなりの目の疾患を抱えるものということは私たち人間もなんとなくわかっていますが、目の病気は若いワンちゃんにも発症するということに気づいていないのかもしれません。
ここではワンちゃんの目に焦点を当てて、みていってみましょう!

ワンちゃんの場合、どんな症状が目の病気のサインなの?!

例えば、ワンちゃんの目が飛び出してきていたり、目の中に腫瘍らしきものができていればどんな飼い主さんも気が付き、焦って病院を探すかもしれません。

ところが、例えば涙が多い、目やにが出ている、くらいであれば気が付いても大したことないかな、と病院へは連れていかないかもしれません。

そのほかにも、目やにが多く出ていたり、目をショボショボさせていたり、痒がっていたり、そのせいで目をソファーの角などにこすり付けていたり…。

ちょっとしたサインをワンちゃんが出していても、「そのうち治るかな」と放置してしまいがちかもしれません。

もちろん何ともないこともありますが、そんな軽い症状の中にも目の病気が隠されていることがあるのです。

いつもより目やにが多くなったら?

ワンちゃんの顔を見たら、いつもより目やにが気になった、なんていうときありませんか?
目やには剥がれ落ちた古い細胞や涙に交じって目についたほこりやゴミが混ざったものです。

なので、目やにがすべて悪いというわけではなく、また体質で目やにの出やすい子もいるようですが、目やにには病気が隠されていることもあるのです。

→アレルギー:

柴犬やコッカー・スパニエル、ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアといった犬種の子は、アレルギーで目やにが出る子が多いようです。
ワンちゃんのアレルギーの原因は、食べ物以外にも花粉やノミなどで引き起こされ、痒みを伴った皮膚炎といった症状が出ます。
よく、目の周りが赤くなってしまっている子がいますが、目の周りは炎症が出やすいようですね。
また目をしきりにこすってしまい、結膜炎を引き起こしてしまうことも。
対症療法としては、アレルゲンを取り除いて結膜炎の症状をおさえたり、またひどいかゆみにはステロイドや抗ヒスタミン剤、抗生物質や抗炎症剤の目薬などが一般的です。

→ドライアイ:

人間でもよく聞く「ドライアイ」。
そう、ワンちゃんでもなるんです!
原因としてはその名の通り、涙の分泌不足によるものですが、瞼の形などによっても角膜が乾燥してしまうことがあるそうです。
あまり深刻な病気には聞こえませんが、例えば進行すると角膜腫瘍になってしまったり、最悪は失明してしまうこともあるそう!

ワンちゃんに無理やりまばたきを増やさせることはできませんし、ワンちゃんの犬種によっては、完全に瞼を閉じることができない子もいるそう。
さらに、自己免疫性疾患の一種で、涙が少ない子もいるので、完全に予防するのは難しいのが現実なのです。
ドライアイの治療法としては、ヒアルロン酸入りの目薬を使用したり、そもそも涙の産生量が少ない場合には、免疫抑制剤入りの軟膏を使って治療するそうです。
また、まぶたの形状でドライアイが引き起こされている場合は、手術となることもあるそうです。
かわいそうですが、手術をすれば完治できるかも。

ちなみにシーズーやチワワ、パグなどの短頭種の子たちは、目に傷がつきやすく、ドライアイなどの症状があると外傷から細菌・ウイルスに感染して角膜炎へと進みます。
重度になると手術が必要になることもあるので、注意してあげる必要がありますね。
予防としては、目の周りを清潔に保ち、ワンちゃんの目に毛が入りそうならトリミングでカットしてもらう、また目を痒いそぶりを見せる子には、エリザベスカラーを付けさせ、目薬でかゆみを抑えたり、目の表面を保護してあげるとよいですね。
まずはかかりつけの獣医さんに、相談してみましょう!

→角膜潰瘍

角膜潰瘍とは、角膜に傷がついてしまっていることを言い、ワンちゃんも目を気にしている様子が見られ、私たち飼い主から見ても目が充血しているのでわかります。
また、ワンちゃん自身も痛みで目がちゃんと開かなかったり、つねに涙が流れている状態がみられます。
軽度のうちは、抗生物質や角膜保護成分が入った目薬で治りますが、重度になると手術になることも!
角膜に穴が開いてしまうと、眼球摘出となることもあるため、早期発見・早期治療が本当に大切なのです。
予防は、目を乾燥させないこと!
そのため、点眼薬を忘れずつけてあげることなどが予防のかなめになります。

→流涙症

流涙症は、漢字からも想像できるとおり、涙を流している状態が症状としてあらわれる病気です。
涙やけ、とも言われ、逆さまつげの子などがかかりやすく、目の周りの毛が茶色く変色するので気が付くことができますね。
特にかかりやすい子はシー・ズーやトイ・プードル、パグ、マルチーズなどです。
涙の跡が茶色い子、そういえばたまに見かけますよね!

治療は、抗生物質や消炎剤などの目薬を塗布して治すのが一般的です。
予防としては、目の周りの毛を短くカットしてあげることなのですが、鼻涙菅が詰まって涙が出ている場合は予防ができませんので、病院に相談しましょう!

→犬ジステンパー:

ワンちゃんに風邪のような症状がみられる、犬ジステンパー。
主な症状は目やにと鼻水なのですが、甘く見ていると危険な病気なのです!
きちんとワクチン接種をしている免疫力のある子であれば、軽い症状で済むそうですが、ワクチンを接種していない子や、免疫力が低下している子は重症化する恐れも。
急激に進行すると、仮に回復しても失明や神経症状など、後遺症が残ったり、命を落としてしまったりするそうです。
子犬期とシニア期は気を付けたいですね。

目が赤いけど、大丈夫?

ワンちゃんの目が赤いなあ、と思ったら、次のような病気が隠れているサインかもしれません。

→結膜炎

目が赤くなり、まばたきが増えていたらちょっと注意!
まずは目の周りを清潔にし、目を傷つけないようにしてあげたいですね。
ゴミやシャンプーで結膜炎になってしまう場合と、感染症など他の疾患が原因になっているケースがあるそうなので、自己判断せずお医者さんに診てもらいましょう。
治療は、目薬と目の周りの毛のトリミングです!
また、感染症の場合は原因を調べ、原因を取り除く治療が必要です。
結膜炎になりやすい子は、マルチーズやキャバリアなどだそう。

→ブドウ膜炎

目の奥が濁って、出血している様子が見えたら、ブドウ膜炎の可能性大です!
目やにも増え、涙も出やすくなります。
ブドウ膜炎の原因は、他の目の病気などが隠れているケースが多々あり、角膜炎、結膜炎と併発することで知られています。
目の周りを清潔にし、目に異常がみられたらすぐに病院へ相談に行くことが大切です。
特に、サモエド、ゴールデンレトリバーがかかりやすいとは言われていますが、すべての犬種で見られる病気です。

ワンちゃんの目が白く濁ってる場合は何の病気?

ワンちゃんの目が白く濁っている場合、白内障かなと思われると思いますが、どんな病気が隠れているのでしょうか?

→白内障

目が白くなったら、筆頭に考えられるのが白内障ですね。
ワンちゃんも白内障が進行すると、失明します。
予防としては、質の良い食事と、運動、睡眠など健康的な生活を送らせてあげることなのですが、遺伝によって若年性白内障にかかってしまう子もいます。
シニア犬じゃなくても、目が白く濁ってきたら要注意なのです!
特にかかりやすい犬種としては、フレンチ・ブルドッグ、柴犬、プードル、マルチーズ、シーズー、ビーグルなどなど。

多くの犬種で、遺伝要因が出ているそうなので、安心できませんね。
軽度であれば目薬でなんとかなるそうですが、重度になるとやはり手術が必要となること、また手術の成功例が良くないことで心配な病気です。

→角膜内皮ジストロフィー

聞きなれない名前の角膜内皮ジストロフィーですが、ワンちゃんの角膜が濁り、両目が白くなるのが症状です。
中年齢で発症することが多いそうで、初期では局所的に白くなりますが、だんだん両目が白濁していきます。
多くの犬種で診られ、治療としては高浸透圧性の軟膏を角膜表面に塗り、角膜内にたまった余分な水分をくみ出す治療となるそう。
発症しやすい子は、ダックスフンド、チワワ、フレンチ・ブルドッグなどだそうです。

ワンちゃんの目が腫れているけど大丈夫?

ワンちゃんの目が腫れる病気は、どのような病気があるでしょうか?

→緑内障

ワンちゃんが物に良くぶつかったり、目が飛び出してきているように感じたり、また激しい動きを嫌がるようになったら、緑内障を疑ってみてもよいかもしれません。
初期では目が赤くなりますので、気が付かれる飼い主さんもいらっしゃるでしょう。
緑内障は、人間もそうですが眼圧コントロールがとても大切といわれています。
眼圧の上昇が長く続いてしまうと、失明することがありますので、しっかり治療する必要があります。

原因としては、先天的なもの、目の中での炎症で起こってしまうもの、原因不明のものもあり、治療では目薬や内服薬、注射で眼圧を下げます。
失明してしまったら、視覚を回復させることが難しいといわれています。
また、水分不足では緑内障リスクが高まるため、意識的に水分を摂取させてあげるとよいでしょう。
緑内障を発症しやすい犬種は、柴犬、シーズー、ビーグルなど。

目にできものができている!うちの子大丈夫?

目にできものができてしまったら、飼い主さんもびっくりされてしまうかもしれませんね。
目にできものができた場合の原因は、どのような病気があるのでしょうか?

→チェリーアイ(第三眼瞼腺逸脱)

目が真っ赤に腫れ、目の内側にある瞬膜が飛び出しているのが見えたら、チェリーアイの可能性が大です!
目が真っ赤になり、痛がるのですぐにわかると思いますが、遺伝的影響、目の形の影響が原因となるそう。
基本的に手術で治療となるでしょう。
チワワやボストンテリアが発症しやすいとされています。

→マイボーム腺腫

ワンちゃんの瞼が赤く腫れて、目が半開きになったら、ワンちゃん版の「ものもらい」になっているかもしれません。
他の目の病気になってしまう可能性もあるため、軽く思わず病院でしっかり治療しましょう。
治療は抗生剤と、エリザベスカラーの装着となるかと思います。
チワワやトイプードルがなりやすいといわれています。

心配のいらない目やにはどんな目やに?

ワンちゃんの目やにも、心配のいらないものがあります。
無色透明の目やに、白っぽいもの、グレーのさらっとした目やに、茶色や黒のカサカサした目やにの場合はあまり心配しなくてよいでしょう。
もし目やにの色が、黄色や緑色の場合は心配したほうが良い目やにです!
また、目が赤かったり、眩しそうに眼をまばたきする症状がみられた場合は、目やにの色が何色でも一度病院へいったほうがよいでしょう。
受診の際は、いつごろから目やにが気になりだしたか、気になる症状などもメモしていくとスムーズです。

終わりに

ワンちゃんの目の病気は、基本的に遺伝性のものが多くを占めます。
中には、予防が難しいものも!
とはいえ、ワンちゃんの目を大切に、いつまでも元気で過ごしてもらえるために私たちができることは、質の良い食事を与え、散歩に十分時間をかけてあげること、また目の周りを衛生的に保ち、毛が目の中に入らないように気を付けてあげることです。

日ごろから目に良いとされるサプリなども、食事に取り入れてあげるのも良いですね!
たかが目やに、と思わず、毎日ワンちゃんの目の様子も確認してあげましょう!

●参照:
犬の目の病気まとめ!症状から見分ける主な原因や治療法

犬や猫の目の病気の治療について

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