犬もうつ病になるって知ってた?ケアの方法

新型コロナウィルスの影響が、私たち人間の間で広がり、その影響は人間のみならず私たちと日々暮らしているペットにも及んでいます。

毎朝「いってらっしゃい」と送り出していたご主人様が、リモートワークなどになって家にいる。

そんな日々が続くと、ワンちゃんにとって四六時中ご主人様と一緒の状態が「普通」になってきますよね。

ご主人様が時差通勤や時短勤務になったご家庭でも、子供たちが学校のお休みで家にずっといたりと、自分だけでお留守番する機会が激減しているのが、たくさんのペットたちの状況ではないでしょうか。

そんななか心配なのが、ペットの「うつ病」です。

人間も、新型コロナウィルスのせいで解雇されてしまったり、心理的に追い詰められている方もおおくいらっしゃるかもしれませんが、実はペットの場合は新型コロナウィルスの今後がわかってきて、緊急事態宣言が解除され、人間がほぼ通常と同じ生活に戻った後が心配なのです。

「常に一緒にいることが普通」になっていたワンちゃんたちが、突然前と同じ生活に戻ると、やはり精神的に不安定になるのではといった心配があります。

今回は、ワンちゃんたちは果たして「うつ病」になるのか。

うつ状態の予防や、うつ状態になったワンちゃんに、私たち飼い主ができることを一緒に考えてみましょう!

目次

ワンちゃんでもうつ症状を発症するの?
ワンちゃんたちは「鬱」の気分になることがあるのでしょうか?

だいたいワンちゃんはそこまで考え込み、いろいろ悩むことって、あるのでしょうか?

「犬は鬱にはならないでしょう」と片付けてしまうのは、ちょっと早いようです。

私たち人間と同じように、ワンちゃんによっては鬱と同じような心理的状態になることがあります。

とはいえ、ワンちゃんは話ができないだけに、自分の心情を言葉で表すことはできません。

そのため、ワンちゃんが動物病院に行ったところで「うつ病」と診断されることはないのです。

ちなみに、人間のうつ病は何種類ものタイプがあるので、もしかするとワンちゃんも話ができれば、いろいろな種類のうつ病と診断が出ていたかもしれません!

ワンちゃんのうつ症状とは?

ワンちゃんがうつ症状を発症すると、どんな状態になるのでしょうか?

■外見の変化
一般的には悲しげな、おっくうそうな状態が見られるようになります。
悲しそうな目、ゆっくりとした動作、常に寝ている。
こんなドンヨリした空気をまとうようになります。

■喜ばなくなる
いつも飼い主さんが帰ってきたりすると、元気に玄関で出迎えてくれていた子が、部屋の隅で丸くなって寝ていることもあります。
また、つねに飼い主さんべったりだった子が一人でいるようになったら・・・、心配になりますよね。

■吠えなくなる
郵便屋さんや宅配業者など、家に来る方に吠えていた子がある日を境に吠えなくなることもあります!

■粗相/破壊行為
あきらかに散歩不足ではないのに家で粗相をすることがあったり物を壊してしまう破壊行為を始める子は、うつ症状を発症していると考えてもよいかもしれません。

■食欲減退
ワンちゃんによっては、まったく食欲がなくなってしまい、好物を与えても食べなくなってしまう子もいます。
食べはするけれど、うつ症状のせいでいつもよりも極端に食べる量が減ってしまうといった状態になることもあります。
水分も必要最小限の摂取しかしなくなることも。

■遊ばなくなる
うつ病になった人間がいろいろなものに興味が持てなくなるということがあるように、ワンちゃんも遊ぶことに興味を示さなくなることもあります。

■体重減少
うつ状態になったワンちゃんの中には、体重が著しく減ってしまうこともあります。

■常同障害
人間がなんらかの原因で強迫観念が強くなってしまい、つねに自分の手が汚れているように感じてしまって手洗いがやめられなくなってしまうことがありますよね。

人間の場合は強迫性障害と呼ばれていますが、ワンちゃんも自分のしっぽを追いかけ続けてしまったり、ずっと手足を舐め続ける、毛をむしってしまうといった症状を見せることがあります。

人間と同じように強迫性障害と診断を付けることは難しいため、ワンちゃんの場合は常同障害と診断されます。

このように、ワンちゃんにも人間のうつ病と同じような症状がみられることがあるのです。
うつ状態が引き金となり、いろいろな病気を発症してしまうこともあるので、そうなる前に予防してあげたいものですね。

ワンちゃんはどうしてうつ状態になるのでしょうか?

飼い主さんは、目に見ることのできないワンちゃんのうつ症状と、どう戦っていけばよいのでしょう?
もしかすると、「ワンちゃんのうつ症状を発症させる原因」を知っておくことが、予防になるかもしれません。

実は、ワンちゃんのうつ症状の引き金は、いくつもの種類があります。

ワンちゃんの健康状態

人間同様、ワンちゃんも病気を患うとストレスを感じ、うつ症状を発症することがあります。
万が一、自分の家のワンちゃんが「鬱っぽいかも?」と感じることがあったら、かかりつけの獣医さんを受診してみましょう。

飼い主さんが気づかないところで、ワンちゃんの病気が進んでいる可能性もありますし、健康状態に問題がないことを確認するのはとても大切なことですよね。

もし獣医さんが病気を見つけてくれたのであれば、獣医さんの指示通りに治療しましょう。
健康状態に全く問題がないのに、ワンちゃんの元気がなかったり、食欲がなくなってしまったりしていたら、心理的に影響をうけているということですので、その理由を考えていきます。

ワンちゃんにとって大切な人を失った場合

人間が家族や友人、知人、はたまたペットを亡くして悲嘆からなかなか立ち直れなくなるように、ワンちゃんも自分と一緒にいたワンちゃん仲間や大切な人を亡くした際は、悲しみから立ち直れなくなることがあります。

もちろん、「亡くした」だけでなく、引っ越しで会えなくなってしまった場合も、「会えない」ということで悲しくなってしまうのですね。

家でいつも一緒にいた子供たちが、例えば大学生になって寮に入ることになった、一人暮らしをすることになったといった場合も、ワンちゃんにとっては会えない悲しみが大きいのです。

あまり人間が意識していなくても、ワンちゃんたちは悲しみに暮れていることがあるのです。

言葉で説明してあげてもなかなか伝わらないかもしれませんが、ワンちゃんの心に寄り添って、そばにいてあげれば、ワンちゃんは勇気づけられることでしょう。

環境の変化

新しい家に引っ越したり、家をリフォームしたりして見慣れた風景が変わってしまったり、ワンちゃんによっては気候の変化でさえ、ワンちゃんの気持ちが沈むきっかけになります。

ワンちゃんにどうして引っ越す必要があったのか、またはリフォームなどをする必要があったのか説明しても理解できるわけはありませんから、ワンちゃんが新しい環境に慣れるまでは、いつも以上に気にかけてあげましょう。

何か不安を感じているとき

人間には理解できないかもしれませんが、ワンちゃんが何か不安を感じて鬱っぽくなっていることもあります。

何か苦手なものがある、苦手な人がいるなどでも、鬱のような症状が引き起こされることも。
不安を感じているものが特定できない場合は、しばらくワンちゃんをじっくり観察してみましょう。

飼い主さんが病気 / うつ病になっているとき

飼い主さんが病気だったり、うつ病を発症しているときは、ワンちゃんがそれを感じて同じように悲しい気持ちになることがあります。

飼い主さんの心に、ワンちゃんが寄り添ってしまっているのですね。

飼い主さんと一緒にいる時間が減った時

飼い主さんと一緒に過ごす時間が減ってしまうと、ワンちゃんはストレスを感じうつ症状を発症することがあります。

分離不安とも呼ばれていますが、新型コロナウィルスの在宅勤務が当たり前になってきていたところに、通常の生活が戻ってくると、ワンちゃんは戸惑ってしまい、元気がなくなってしまうこともあるでしょう。

とはいえ、仕事をやめるわけにはいきませんから、ワンちゃんが慣れるまでなるべくワンちゃんと一緒にいる時間を増やすよう心掛けてあげてください。

また、常にべったりではなく、出かけるときは出かけるなど、お留守番しないといけない時間を作るのもお勧めです。

ワンちゃんのうつ症状はどう治療する?

ワンちゃんがうつ症状を引き起こしてしまった場合、人間のように抗うつ薬などで治療していくのでしょうか?

まず、ワンちゃんがうつ症状に陥った原因を調べる必要があります。
その原因が取り除けるのであれば、取り除いてあげたいですよね。

問題行動を起こし続けているワンちゃんに注意をしたり、叱ったりすると、さらに症状が悪化してしまうこともありますので、注意してください。

ワンちゃん用の抗うつ剤を処方してもらえることもあるので、まずは獣医さんに相談してみましょう。

終わりに

飼い主さんのライフスタイルの変化で、ワンちゃんの心理的な状態に若干不安の残る昨今。

今後ずっと、リモートワークなどで在宅で仕事ができる飼い主さんであれば、ワンちゃんのストレスをあまり心配しなくてもよいかもしれませんが、分離不安症なども心配です。

ぜひ、最近ワンちゃんと一日中べったり寄り添っているな、という方は、心を鬼にしてワンちゃんのためにも、飼い主さんだけでどこかに行く、または仕事部屋がある方は仕事部屋はワンちゃんNGにするなど、意識的に離れる時間を持つようにしてみましょう。

ワンちゃんの様子が、いつもよりなんとなく悲しそう、食欲も減ってきたし、散歩にも喜んでいかなくなってきた・・・。

そんな変化が気になったら、まずは動物病院で健康チェックをしてもらいましょう!

体に問題がなければ、心の問題かもしれません。

思い当たる原因を突き止めて、ぜひワンちゃんがまた元気になれるよう、寄り添ってあげてくださいね。