新型コロナウィルスがやっと終息しつつあるかと思ったら、なかなか一筋縄ではいかない状況になりつつありますね。
自粛で頑張ってきた皆さんは、やっと大好きなワンちゃんを連れて遠出して夏を満喫できる・・・、そんな風に思われていた方も多いのではないでしょうか。
もちろん、人混みを避ければ十分夏を満喫することは可能ですが、心から浮かれる夏はまだ先の様子。
人間だけでなく、動物も感染するといわれている新型コロナウィルス、できれば何事もなく無事に終息を迎えたいものです。
さて、新型コロナウィルスといえば、ワンちゃんが新型コロナを探知できるのではとニュースになっていました。
よく、ワンちゃんはガン患者を嗅ぎ分けることができる、何て言われていますが、それならコロナの匂いも感じ取ることができるのか、ちょっと気になるところですよね。
ここでは、ワンちゃんって本当に新型コロナ患者を嗅ぎ分けることができるのか、どのくらい研究が進んでいるのかを探ってみたいと思います。(2020年7月現在)
目次
新型コロナウィルスの探知犬はどこで研究されているの?
新型コロナウィルスを探知するワンちゃんは、どこで研究され、訓練を受けているのでしょうか?
正解は、イギリスのロンドンにある大学でした!
アメリカじゃなく、イギリスってところが意外に感じられますが、ロンドンの大学の研究者たちが、新型コロナウィルスの感染者をワンちゃんが嗅ぎ分けることができるのではないかと期待をし、なんと訓練も始めているそうです。
訓練では推定6週間程度かかるとされているそうですが、がん患者やマラリア患者のかぎ分けも出来ちゃうそうなので、新型コロナウィルスの感染者がある一種の匂いを放っていると、ワンちゃんはかぎ分けられちゃうかもしれないそうです!
ワンちゃんの嗅覚ってどのくらいすごいの?
「犬」と一言で言っても、実はワンちゃんにはいろいろな種類のワンちゃんがいますよね。
「鼻の形は」といえば、大きく分ければ2種類。
鼻の頭から目元までが長い子と、かなり短い子がいますよね。(長頭種、短頭種といわれます。)
例えば、長頭種の子ならジャーマン・シェパードやドーベルマン・ピンシャー、ポインター、コリー、グレイハウンドなど。
ゴールデン・レトリーバーやラブラドール・レトリーバーも長頭種です。
いわれてみれば、麻薬探知犬や警察犬などは、長頭種の子がほとんどですから、やはりかぎ分け能力が優れている子が多いのでしょう。
短頭種の場合は、フレンチブルやペキニーズ、シーズー、パグ、ブルドッグなど、鼻がほとんどないくらいの高さの子たちが勢ぞろいします。
この子たちが警察犬や麻薬探知犬をしているの、見たことないですよね。
嗅ぎ分けは、嗅覚に優れている長頭種の子にお任せしましょう。
〇参照:
【獣医師監修】犬の嗅覚は人間の何倍?鼻の構造と機能、代表的な病気とは?
https://wanpedia.com/nose-dog/
なんで長頭種の嗅覚のほうが優れているの?
ジャーマン・シェパードのような長頭種のワンちゃんのほうが、嗅覚が優れている理由はなんでしょうか?
実は長頭種は、匂いを感じ取ることのできる嗅細胞が、鼻の中のずっと奥のほうにあるからだそうです。
嗅細胞が鼻の奥にあるって、どういうことかといいますと…、私たち人間にもある鼻腔には空気が溜まっているのですが、その鼻孔の奥に嗅粘膜と呼ばれる粘液があり、その粘液に匂いを感知する嗅細胞があるのだそうですよ。
なんらかの匂いを嗅細胞でキャッチすると、その匂いが嗅神経を刺激し、その情報が篩骨篩板という骨を通して嗅球で脳に情報として届けられるという仕組みになっているのだそうです。
そのため、鼻腔の面積が広いほうワンちゃんのほうが、匂いに敏感になれるわけなんです。
ちなみに鼻の頭が黒、茶色、ピンクがかっている子などもいますが、鼻の頭の色は嗅覚とは全く違いがないそうです。
さらに、匂いを感知する嗅球、人間の場合は約1.5グラムだそうですが、ワンちゃんはなんと中型犬でも6グラムくらいあるそうです。
さすが、敏感に感じ取れるわけですよね。
もちろんワンちゃんの種類や嗅ぎ分ける匂いの種類によっては違いがあるものの、かなりの情報を匂いから感じ取って脳で処理しているわけなんです。
ワンちゃんによっては人間の1000倍から場合によっては1億倍、匂いを感知できちゃうんですもの、すごいですね。
〇参照:英国で「コロナ探知犬」訓練開始 なぜ犬に能力や適性があるのか解剖学と行動学から解説
https://news.yahoo.co.jp/byline/ishiimasumi/20200519-00171202/
なんでワンちゃんはコロナ探知犬の訓練を嫌がらないの?
コロナ探知犬になるための訓練、なんて話を聞くと、つらい思いをしているワンちゃんがいるような気がしてしまいますが、実際のところはそんなことはないようです。
といいますのも、ワンちゃんたちは、群れを作り、ボスに服従して生きていくという本能がありますよね。
そして群れのリーダーが褒めてくれると、純粋にうれしいと思うのだそうです。
その性質を利用して、ワンちゃんが匂いを探知すると褒められるということで、ワンちゃんは楽しみながら匂いをかぎ分けすることに挑戦できるという仕組みなんです。
警察犬も、麻薬探知犬も、マラリアやがんなど病気を探知するワンちゃんも、救助犬もみんな褒められたくてうれしくお仕事をしているわけなんです。
ただし、コロナ探知犬の場合、コロナにかかってしまうかもしれないリスクを負っているのはなかなか厳しいものがありますよね。
コロナ探知犬の訓練や研究はどの程度進んだの?
海外のニュースサイトを調べてみると、まだまだコロナ探知犬は訓練の初期段階というのが実情のようです。
研究に乗り出したのは、イギリスにあるロンドン大学衛生熱帯医学大学院(The London School of Hygiene & Tropical Medicine)と医療探知犬のグループ(Medical detection dogs)
、そしてイギリスのダラムにある名門大学ダラム大学(Durham University)です。
ロンドン大学衛生熱帯医学大学院にある疾病管理センター(Department of Disease Control)のトップであるジェームズ・ローガン教授(Prof. James Logan)によれば、人間が病気になると気づかずに出している匂いがあるのであれば、コロナの感染者も出している可能性があるということ、そのため病気探知犬のワンちゃんがコロナ探知犬として訓練を受ければ、それなりの成果が出るのではと期待しているということでした。
医療探知犬のワンちゃんたちは、1時間に250人もの人間のかぎ分けができるのだそう。
また、病気の種類だけじゃなく、医療探知犬は熱のある人も感じ取れるそうで、病気の人たちを探知できるのは間違いなさそうですね。
医療探知犬の機関を立ち上げたCEOのクレア・ゲスト(Claire Guest)さん曰く、「私たちは犬たちが新型コロナウィルス(COVID-19)を嗅ぎ分けることができると確信しています。現段階では、私たちはどうやって安全に新型コロナウィルスの患者からウィルスを採取し、犬たちにサンプルとして嗅がせるか試行錯誤しています。」とのことでした。
〇参照:Can Dogs Detect the Coronavirus?
終わりに
いかがでしたか?
新型コロナウィルスで、私たちは生活様式だけではなく、さまざまなニーズがあることに気が付きましたよね。
ワンちゃんの世界では、「新型コロナ探知犬」という役割が生み出されています。
とはいえ、実際問題ワンちゃんがコロナ感染しないように探知犬としてお仕事をするのは、ワンちゃんの安全性に疑問が残りますよね。
新型コロナウィルスにかかっても、ワンちゃんは重症化しないということであれば問題はないかもしれませんが、中には新型コロナウィルスを発症して命を落としたワンちゃんもいますからね・・・。
ワンちゃんたちと人間が一致団結し、試行錯誤して新型コロナウィルスの封じ込めができるとよいですね!