
ワンコ好きのみなさんは、旅行に出かけると旅先でつい犬に目が行ってしまいませんか?そして不思議なことに、ワンコの雰囲気でなぜかその国の雰囲気までもが感じられたりします。
のんびり道端で昼寝をしているワンコや、飼い主さんと楽しそうに公園を走り回ってる子、カフェで静かに足元に座っている賢そうな子、お店の軒先で店番をしているおりこうさんのワンコ。
どの犬も同じ「犬」なのに、その暮らし方は国によってずいぶん違います。
「犬は飼い主に似る」とよく言われますが、もしかすると「犬はその国にも似る」ものなのかもしれません?!
世界にはいろいろな国がありますが、その国に住む人たちの犬との付き合い方には、その土地の歴史や文化、人との距離感、そして「どんな社会でありたいか」という価値観が自然と反映されているようです。
そんな視点で世界のワンコ事情をのぞいてみると、犬だけでなく、その国の人たちの暮らしまで見えてくるような気がします。
ここでは、世界のワンコ事情から浮かび上がるいろいろな国の価値観をのぞいてみましょう。
目次
日本:「周りに迷惑をかけない」が当たり前
私たちの住む日本では、ワンコたちは「ペット」というより「家族」の一員として、飼い主さんたちと暮らしている子が増えています。
ショッピングモールなどでも犬用の誕生日ケーキやおしゃれなフードなどは当たり前のように販売されていますし、素敵な洋服だって手に入りますよね。
それにワンコ連れで泊まれるホテルや温泉まであり、「そこまで?」と思うようなサービスも珍しくありません。
それだけ犬を大切に思う人が多いのでしょう!
一方で、日本らしい一面が表れているのが「周りへの気配り」です。
飼い主さんたちのマナーは、素晴らしいものがありますよね。
散歩中に排せつ物を持ち帰るのはもちろん、トイレをしたとき道をきれいに水で流したり、リードをきちんとつけ、無駄吠えをしないようにしつけをするなど「ほかの人に迷惑をかけないこと」をとても大切にされています。
私たちはワンコとの暮らしの中にも日本人が大切にしてきた「和」や「思いやり」の文化を自然と取り入れているのです。
アメリカ:犬も一人ひとり違っていい
アメリカでも犬は大切な家族として、飼い主さんたちと暮らしています。
でも、実際にアメリカでワンコを見かけると、日本とは少し空気が違うのを感じるかと思います。
もともとアメリカの一戸建てのお家は広い庭があるのが一般的で、そういった庭でワンコたちは思い切り遊んだり、またちょっと車を走らせて大きな公園に行き、ボールやフリスビーなど体をたくさん動かす遊びを楽しんだり。
大型犬を見かけることも多く、ワンコたちがのびのび暮らせる環境が整っていることを肌で感じることができると思います。
また、アメリカでは保護犬を迎える文化が深く根付いているのも日本と大きく違うところです。
「ワンコは買うより迎えよう」という考え方が自然と広まり、保護施設から新しい家族を迎えることが、ごく一般的な選択になっています。
ワンコにもそれぞれ個性があり、過去があり、それを丸ごと受け入れて一緒に暮らしていく。
そんな考え方が、多くの人に受け入れられているのです。
ワンコの背景を知ったうえで、辛抱強くワンコに向き合う文化は素敵だなと思いますよね。
ある意味、一般的には「困った人を放っておけない」といわれるアメリカ人らしさが、表れているのではないでしょうか?
ドイツ:自由には責任がついてくる
ドイツの犬事情を知ると、「なるほど」と思うことがあります。
まずはドイツで犬を飼う場合に日本人がびっくりすること、それは「犬税」を支払う義務が発生するということです!
犬税(Hundesteuer)は、ドイツ特有の制度で、ワンコの飼育に関する費用を自治体が管理するための重要な財源です。
ちなみに犬税は地域によって金額が異なるそうで、もしドイツで犬を飼うことになったら事前に居住地域の規定を確認しておくことがとても大切なのだそうです。
え、厳しすぎない?
と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
けれど犬税は、飼い主さんがワンコを適切に管理しなくてはならないという義務を課すことで、無責任な飼い主さんからワンコを守ってくれるものでもありますよね。
それに、ワンコのいる家庭と地域社会とがうまく共存できるように考えられており、犬の健康管理やリードの義務を守るための啓発活動にも一役買っているのだとか。
犬税は、無責任な飼い主を減らし、ワンコを適切に飼育させるために設置されているものなのです。
ドイツは厳しい分、しっかりしつけができているワンコは公共交通機関に乗ったり、レストランに入ったりできることも少なくありません。
つまり、ドイツでワンコをお店などで見かけるのは、「自由に過ごすための、責任を果たしているから」なのですね。
犬との暮らしにも、ドイツらしい「ルールを大切にする考え方」が表れているようです。
インド:優しさと現実が隣り合わせ
みなさんはYoutubeなどで、インドの旅を発信している動画をご覧になったことはありませんか?
インドの旅の様子などを映した動画を見ると、インドでは、街中で犬を見かけることが非常に多いことに気づくと思います。
ワンコと牛がそこら中にいるようなイメージです!
旅行者にとっては、「野良犬=狂犬病」などを想像してしまい、怖いなと感じることも多いと思います。
なんだか野良のワンコは躾がされていないため、「嚙みついてくるんじゃないのかな?」なんて危機感を持ってしまう方も少なくないでしょう。
インドを旅していると、野良犬に食べ物を分け与える人も多く、動物への慈しみを感じる場面に遭遇することもあると思います。
もちろん、野良犬の数が多いために狂犬病などの問題も実際抱えているようです。
なんと狂犬病による死者数は、毎年約2万人に上るのだそう!
けれどインドでは、8億人以上がヒンズー教を信仰していて、その中の教えの一つが「すべての生き物を尊重するべき」というものです。
なので動物の殺処分などありえないという文化を、野良犬の数からも容易に察することができますよね。
インドの富裕層はワンコをペットとして飼う方も多く、そんなワンコは良い環境に暮らしているけれど、リードでつながれて散歩しているのです。
ワンコにとっては、自由気ままに暮らすことのできる環境と、優雅な環境で飼育される環境、どっちが幸せなのか気になるところです。
スウェーデン:犬も幸せに暮らす権利がある
スウェーデンといえばIKEAを思い浮かべる方も多いかもしれませんが、スウェーデンはペット先進国なのだそうですよ!
スウェーデンにはドイツとはまた違う、動物にとって優しい法律が存在しており、動物が守られているんです。
スウェーデンの動物保護法は、「犬も猫も良好な環境で自然な行動を行う事ができるようにしなければならない」というものだそうで、犬猫目線の法律なのだ素晴らしいところ。
日本は飼い主さんが会社に行くとき、ケージの中に入れておくご家庭もあるでしょう。
スウェーデンではこれ、法律違反になってしまうのだそう。
というのも、「犬も猫もケージの中で保管してはいけない」という法律があるから!
しかもスウェーデンでは、「犬は6時間に1回は散歩をさせること」という法律もあり、ワンコは必ず気分転換ができるよう法律で定められているのです。
この法律のため、スウェーデンでは動物を飼う人が日本よりも断然少ないそうです。
しかも日本では、ワンコはどんな人でもお金さえ払えばペットショップで買うことができますよね。
スウェーデンでは、犬や猫を飼いたいときには、専門のブリーダーさんから購入する決まりがあるそうです。
実際に購入して家に連れ帰るまでに、飼いたい人は何度もブリーダーさんの所へ通い、お世話の仕方などを学び、ブリーダーさんには動物への責任感や資質をチェックされるそうです。
厳しいようで動物には本当に素晴らしいこのルール。
基本にあるのは、「犬も(猫も)幸せであるべき」という考え方なのです。
スウェーデンのワンコ事情に見えるのは、ワンコは人間の所有物ではなく、一緒に人生を歩むパートナーという姿勢です。
日本も学ぶべきかも、と思った方は私だけではないはず?!
世界の働くワンコたち
犬がいるというと、家で暮らしているペットのワンコを思い浮かべるかと思いますが、世界には働くワンコたちがいて、人間をサポートしてくれています。
もちろん日本にも警察犬や麻薬探知犬がいますが、世界ではそれ以外の分野でもがんばっているワンコたちがいるのです。
オーストラリアには羊を追う牧羊犬。
イタリアには高級食材のトリュフを探す専門のワンコ。
アラスカには雪の上を駆けるそり犬。
アフリカでは家畜を守る番犬。
いろいろな国で犬は、人の暮らしを支え、家族にとっては大切な存在として暮らしています。
「かわいい」だけではなく、「頼れる相棒」として信頼されている姿は、人と犬が長い時間をかけて築いてきた絆を感じますよね。
終わりに
いかがでしたか?
世界の国々で見かけるワンコたちは、その国の事情を反映している存在なのが、少しだけおわかりいただけたのではないでしょうか?
犬たちの暮らしを通して各国を見てみると、その国の人たちが何を大切にしているのかがなんとなく伝わってきますよね。
周りとの調和を大切にする日本。
個性を尊重するアメリカ。
責任と自由を重んじるドイツ。
動物の幸せを大切にするスウェーデン。
そして、命への優しさと現実が共存するインド。
もちろん、どの国にもさまざまな考え方がありますし、一つの言葉で表せるものではありません。
それでも、旅先でワンコたちの表情や歩き方、飼い主との距離感を眺めていると、その土地ならではの空気がふんわりと伝わってくることがあるのです。
もし海外を訪れる機会があったら、観光名所だけでなく、街で暮らす犬たちにも目を向けてみてくださいね!
きっと、その国のガイドブックには載っていない「人々の暮らし」や「優しさ」が、ワンコたちを通して見えてくるはずです。
犬は、昔から人に寄り添いながら生きてきた動物です。
だからこそ、その犬たちの姿は、私たち人間の社会を映す、小さくてあたたかな鏡なのかもしれません。
●参照:
・ドイツの【犬の法律】が本気だった



